10月17日(木)
【10月16日の海外相場および市況】
ny1016

*16日のNY外国為替市場のドル円相場は、108円台後半で方向感のない動きとなった。108円72〜82銭。9月米小売売上高は前月比0.3%減、変動の激しい自動車・同部品ディーラーを除くと0.1%減。それぞれ0.3%増、0.2%増とする市場予想に反して減少した。米景気の先行きに不安が広がり、安全資産とされる円が一時に買われた。ただ、英国が「合意なきEU離脱」を回避することへの期待感から円は対欧州通貨では弱かった。対ユーロでの円売りの流れがドル円にも波及し、ドル円の下値は限定的だった。米連邦準備制度理事会(FRB)が午後に発表した全米12地区の連銀景況報告(ベージュブック)によると、景気は「幾分から緩やかに」拡大。前回8月下旬の「緩やかに拡大」から判断が下方修正された。


*16日のNY金は、香港情勢をめぐる米中両国の対立を懸念した買いなどに反発した。1494.00ドル(+10.50)。米下院は15日、香港の自治と人権の擁護を目的とする法案を可決し、香港のデモ行動を支持する方針を明らかにした。米政府が中国の人権問題に踏み込む姿勢を示したことを受け、先週の貿易協議で一定の歩み寄りが実現した米中関係が再び冷え込むのではないかとの懸念が浮上。また、英国の欧州連合(EU)離脱期限が月末に迫る中、依然として交渉の成否が見通せない状況が続いていることも金買い要因となった。9月米小売売上高が市場予想に反して減少、7カ月ぶりのマイナスとなったことも支援要因。米経済の主軸である個人消費が不安定になり始めていることが示唆され、米政策金利をさらに引き下げる論拠が強まった可能性がある。NYダウの下落も金相場を支援した。米株式市場では香港をめぐる米下院の立法への懸念が、企業の上向きな内容の決算を打ち消した。投資家心理を反映し、世界最大の金上場投資信託(ETF)、SPDRゴールドシェアーズの金保有高は15日に919.66トンに減少したが、依然約3年ぶりの高水準を維持している。

*NY白金は4日ぶりに反発。890.70ドル(+1.50)。
パラジウムは最高値更新。1735.00ドル(+38.40)。、史上最高値を更新した。

*16日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産が継続されるとの期待などを背景に買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。53.36ドル(+0.55)。OPECのバーキンド事務局長は15日、OPECと非加盟産油国は2020年以降も原油市場の安定維持に努めると強調した。これを受けて、20年3月まで日量120万バレルの協調減産で合意しているOPECとロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」が、12月の会合で一段の減産に踏み込むと期待された。外国為替市場で、ドルが対ユーロで下落し、ドル建てで取引される原油に割安感が強まったことも買いを後押しし一時53.74ドルまで上昇した。一方、国際通貨基金(IMF)は15日に発表した最新の世界経済見通しで、米中貿易摩擦の影響を踏まえ、19年の成長率予想を下方修正したことは依然として相場の重石となった。

*16日のシカゴトウモロコシは続落。391.75セント(-1.50)。米国産トウモロコシの収穫が進んでいることや、米中貿易協議の先行き不透明感が重石となった。 米農務省は15日、同国産トウモロコシの収穫率が22%となり、前週の15%から向上したと発表した。5年平均の36%は下回っている。市場は、中国からの新たな米農産物需要に引き続き注目している。トランプ大統領は、チリで来月11〜17日に開かれる国際会議に合わせて習近平国家主席と首脳会談するまで、中国との合意に署名しないと述べた。

シカゴ大豆は続落。928.00セント(-6.00)。米中貿易協議をめぐる不透明感や、米中西部で進む収穫が圧迫した。米国産大豆の収穫率が26%になった。前週は14%だった。5年平均の49%は下回った。米中西部では今週、天候がおおむね回復することが予想されている。トランプ大統領は、チリで来月11〜17日に開かれる国際会議に合わせて習近平国家主席に会うまで、中国との貿易合意に署名しないだろうと話した。


*16日のNYダウは、低調な米消費関連指標を受け、小反落した。2万7001.98ドル(-22.82)。9月米小売売上高は前月比0.3%減少。0.3%増と見込んだ市場予想に反し、7カ月ぶりのマイナスとなった。米中貿易戦争の長期化を受けた製造業の業況悪化の影響が個人消費にも波及してきたとの警戒感が強まった。米下院は15日に香港の自治と人権の擁護を支援する「香港人権・民主主義法案」を可決。貿易協議で「部分合意」に達した米中間の対立が再び激化するとの懸念も広がった。一方、今週から2019年7〜9月期決算の発表が本格化する中、好業績企業には買いが集まり、相場の下値を支えた。調査会社リフィニティブによると、米主要企業500社の7〜9月期の純利益は前年同期比5.2%減となる見通し。


【17日の経済指標】
09:30   (豪) 9月 新規雇用者数  3.47万人   
09:30   (豪) 9月 失業率  5.3% 
17:30   (英) 9月 小売売上高(除自動車) [前年同月比]  2.2%  ―
17:30   (英) 9月 小売売上高 [前年同月比]  2.7%
18:00   (欧) 8月 建設支出 [前年同月比]  1.1%  
21:30   (米) 9月 住宅着工件数 [年率換算件数]  136.4万件  132.0万件 
21:30   (米) 9月 建設許可件数 [年率換算件数]  142.5万件  134.8万件 
21:30   (米) 9月 建設許可件数 [前月比]  8.2%  -5.4% 
21:30   (米) 10月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数  12.0  9.1 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数
22:15   (米) 9月 鉱工業生産 [前月比]  0.6%  -0.1% 
22:15   (米) 9月 設備稼働率  77.9%  77.7% 


第228回
『おしえて陳さん』 
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*マーケットスクランブル出演
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