【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は、週前半は保ち合い、週後半からは動きが出て来そうだ。先週は米中通商協議が最終合意成立に向けて進展していることの期待が強材料となる一方、英国の欧州連合(EU)離脱の不透明さが重石となって、108円台半ばを軸とした保ち合いとなった。しかし、英国が10月31日をもってEUから強行離脱する「合意なき離脱」の可能性がなくなったことから、リスク回避の円買いは抑制されている。

今週は複数の重要イベントがある。30日には、米国7-9月期国内総生産(GDP)速報値が発表される。経済成長率予想は前期比年率+1.6%で前回の+2.0%から鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、ドル売り優勢の展開となろう。逆に、市場予想を上回ればドル買いで反応しよう。29-30日には米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。9月以降の米国の主要な経済指標が悪化していることから、景気減速の見方が広がっている。CMEのFED WATCHによると、25日時点における0.25%ポイントの金利引き下げ確率は90%を超えている(2.00%⇒1.75%)。7月、9月に続き3会合連続で利下げに踏み切る見込みで、市場にはほぼ織り込まれていると言えるだろう。FOMC終了後にはパウエルFRB議長が記者会見を行なうが、年内の追加利下げの可能性が示唆されるかどうかがポイント。ハト派的な発言であれば、ドル売りが強まろう。逆に、タカ派的な姿勢を見せればドルが上昇となろう。

30-31日には日銀金融政策会合が開催される。金融政策は現状維持が予想されている。日銀は、2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)が毀損されるリスクが著しく高まっているとは判断していないようだ。経済・物価の先行きに大きな懸念が広がらない限り、追加緩和を温存すると見られている。

11月1日には10月米雇用統計が発表される。景気動向を示す非農業部門就業者数(NFP)は8.5万~10.5万人増と前月の13.5万人増から大きく落ち込む見込み。失業率は前月の3.5%から3.6%に低下する一方、インフレ指標と目される平均時給は前月の2.9%から3.0%に増加する事が予想されている。NFPが10万人の大台を割り込めばドル売りが強まるだろうが、平均時給の上昇はドルをサポートしよう。

この他にも、31日には9月米個人消費支出(PCEコア・デフレーター)や、11月1日には10月米ISM製造業景況指数が発表される。トランプ政権による対中制裁関税(第1・2・3弾の約2500億ドルへの25%と第4弾の一部約1250億ドルへの15%)と中国の報復関税を受けて、米中の製造業の景況感が悪化しており、31日発表の中国10月製造業PMIにも注意したい。

<今週の主な経済指標>
28日はシカゴ連銀全米活動指数、29日は米中古住宅販売成約指数、FOMC開始、30日は、本邦小売売上高、独失業率、ADP全米雇用報告、米GDP速報値、FOMCが政策金利発表、日銀金融政策決定会合開始、31日は日銀金融政策決定会合、中国各種PMI、ユーロ圏GDP速報値、米個人所得、1日は中国財新製造業PMI、米ISM製造業景況指数、米雇用統計、英製造業PMIなど。


*CFTC建玉10月22日時点:ファンドのドル買い・円売りは1万8165枚(前週比+1万1524枚)と増加。総取組高は15万9250枚と前週比1543枚の増加。

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*予想レンジ:107.00円~110.00円


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