【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は堅調に推移した。22日に発表された9月失業率は3.8%と前回の3.7%を下回った。しかし、25日に発表された8月小売売上高は前年比2.6%と予想の1.9%、前回の2.1%を上回った。米中通商協議への進展期待に加え、英国の欧州連合(EU)離脱で「合意なき離脱」が回避されるとの見方も強まり、メキシコペソは買いが優勢となった。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。今週19、30日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の引き下げ(2.00%⇒1.75%)が予想されている。隣国であるメキシコには、利回りの良さを求めて投資資金が流入しそうだ。一方で、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)を巡る不透明感が重石となろう。

来年の米大統領選に向けた活動が本格化する前に米議会がUSMCAの批准手続きを終えられるかどうか注目される。USMCAを巡る市場の楽観的な見方が強まればペソは上昇すると予想される。トランプ大統領は22日、USMCAの議会批准を巡って、民主党のペロシ下院議長が時間をかけ過ぎていると非難した。

メキシコのセアデ外務次官は25日、ロペスオブラドール大統領が賃金引き上げや労働改革への予算増額を約束した今、米議会が近く「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准手続きを開始することを期待していると語った。10月に米連邦準備理事会(FRB)は3会合連続で利下げを行うと見られているが、メキシコ中央銀行も利下げを継続する可能性が高い。景気減速を受けて年内にもう一度利下げすると見られている。

メキシコ中銀理事会は、11月14日と12月19日に開催される。ただ、米国とメキシコの金利差は魅力的な水準で維持され、ペソにとって追加の支援材料になるとみられる。メキシコの実質金利(名目金利-インフレ率)は約3.5%と、依然として非常に高く、ペソへの投資は継続されそうだ。


【メキシコ経済指標】
28日月曜日
21時00分 9月貿易収支 前回7.75億USD

30日水曜日
21時00分 第3四半期GDP(前年比) 前回-0.8%
21時00分 第3四半期GDP(前期比) 前回 0.0%


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*予想レンジ:5.5円~5.80円

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