10月31日(木)
【10月30日の海外相場および市況】
ny1030

*30日のNY外国為替市場では、米金融政策決定の発表を受けて108円台後半で小動きとなった。108円80〜90銭。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、年1.50〜1.75%にすることを決定。市場の予想通り3会合連続の利下げとなった。声明では、政策運営の先行きについて「景気拡大の持続への適切な行動を取る」との従来の文言を削除。経済情勢を見極めた上で「適切な政策金利の道筋を評価する」と明記した。声明を受けて、FRBが追加利下げの余地を残しつつも短期的には様子見姿勢を強めるとの見方が浮上し、ドル買いが活発化、NYダウの反発もあって一時109円28銭まで上昇した。ただその後は、目先の材料出尽くし感から利益確定売りが膨らんだ。

*30日のNY金は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を控えて、買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。1496.70ドル(+6.00)。FRBはこの日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の2日目の議論を開始。3会合連続となる利下げ決定がほぼ確実視される中、金利を生まない資産である金には買いが入りやすかった。ただ、会合終了後に公表されるFOMC声明やパウエルFRB議長の記者会見で、今後の金融政策方針を見極めたいとの思惑から上値は限られた。FOMC声明では、市場の予想通り0.25%の追加利下げを決定。一方、政策運営の先行きについては「景気拡大の持続へ適切な行動をとる」との従来の文言を削除し、経済情勢を見極めた上で「適切な政策金利の道筋を評価する」と明記した。FRBが追加緩和に慎重な姿勢を強めたとの観測も広がり、引け後の金相場はマイナス圏に沈んだ。

NY白金は続伸。930.60ドル(+5.50)。

パラジウムは反発。1792.10ドル(+37.00)。一時1824.50ドルまで上昇した。自動車触媒用需要の増加が見込まれ、需給の逼迫が懸念された。


*30日のNY原油は、米原油在庫の急増を示す週間統計の発表を嫌気し、3日続落した。55.06ドル(-0.48)。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計によると、25日までの1週間の米国内原油在庫は570万バレル増加し、29日の米石油協会(API)週報が示した70万バレル減に反して積み増しとなった。増加幅は市場予想の50万バレルを大きく上回った。また、原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫も4週連続で拡大した。一方、ガソリンは300万バレル減、ディスティレート(留出油)は100万バレル減といずれも在庫を取り崩し、それぞれ2017年11月と18年11月以来の低水準を記録し、需給不均衡への警戒感を幾分和らげた。しかし、米中両首脳が貿易協議の「第1段階」合意文書に署名する場として調整していた来月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が、開催国チリの政情不安を理由に中止となったことが嫌気されて売りが優勢となった。ただ、米政府は「同じ期限内に最終決着させることに期待している」との声明を発表した。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気支援策として今年3度目の利下げを決めた。北海ブレント原油は、60.61ドル(-0.98)。

*30日のシカゴトウモロコシは続伸。390.75セント(+4.50)。好ましくない天候が今年、トウモロコシに被害を及ぼし、収穫がさらに遅れる可能性があるとの懸念が強材料。

シカゴ大豆は続落。916.00セント(-2.25)。米中貿易協議での「第1段階」合意文書への署名をめぐる懸念が圧迫要因。チリ政府は、来月同国で開催予定だったアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催を断念すると発表した。米中両国はAPECに合わせて、米中首脳会談を行い、「第1段階」の合意文書に署名する予定だった。

*30日のNYダウは、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の会見内容を好感し、反発した。2万7186.69ドル(+115.27)。FRBはこの日2日目となる金融政策会合で、3会合連続となる利下げを決定。会合後に公表した声明で、世界経済の動向とインフレ圧力の弱さを利下げの理由に挙げた。同時に「景気拡大の持続へ適切な行動をとる」との従来の表現を削除し、今後は様子見姿勢を強めることを示唆した。パウエル議長は会見で「経済が想定内であれば、現行政策は適切」だと発言。同時に「現時点で利上げは考えていない」とも語った。市場は今回の利下げ決定をほぼ織り込み済みだったため、声明公表後も株価は小幅な値動きにとどまったが、パウエル議長の会見開始以降、上げ幅を拡大した。インフレが低く、すぐに利上げに動くことはないとの議長発言や、足元で弱い経済指標が続いたにもかかわらず景気判断を据え置いたことが好感されたようだ。


【31日の経済指標】
未定   (日) 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表  -0.10%   
未定   (日) 日銀展望レポート
06:45   (NZ) 9月 住宅建設許可件数 [前月比]  0.8% 
08:50   (日) 9月 鉱工業生産・速報値 [前年同月比]  -4.7% 
09:00   (NZ) 10月 NBNZ企業信頼感  -53.5 
09:01   (英) 10月 GFK消費者信頼感調査  -12 
09:30   (豪) 9月 住宅建設許可件数 [前年同月比]  -21.5% 
09:30   (豪) 7-9月期 四半期輸入物価指数  [前期比]  0.9% 
10:00   (中) 10月 製造業購買担当者景気指数(PMI)  49.8  
14:00   (日) 9月 新設住宅着工戸数 [前年同月比]  -7.1% 
14:00   (日) 10月 消費者態度指数・一般世帯  35.6  
15:30   (日) 黒田東彦日銀総裁定例記者会見 
16:00   (トルコ) 9月 貿易収支  -25.0億ドル 
19:00   (欧) 9月 失業率  7.4% 
19:00   (欧) 7-9月期 四半期域内総生産(GDP、速報値) [前期比]  0.2%   
19:00   (欧) 7-9月期 四半期域内総生産(GDP、速報値) [前年同期比]  1.2% 
19:00   (欧) 10月 消費者物価指数(HICP、速報値) [前年同月比]  0.9%   
19:00   (欧) 10月 消費者物価指数(HICPコア指数、速報値) [前年同月比]  1.0%
19:30   (南ア) 9月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]  4.5% 
20:30   (米) 10月 チャレンジャー人員削減数 [前年比]  -24.8%  
21:00   (南ア) 9月 貿易収支  68億ランド 
21:30   (米) 7-9月期 四半期雇用コスト指数 [前期比]  0.6%  0.7% 
21:30   (米) 9月 個人所得 [前月比]  0.4%  0.3% 
21:30   (米) 9月 個人消費支出(PCE) [前月比]  0.1%  0.3% 
21:30   (米) 9月 個人消費支出(PCEデフレーター) [前年同月比]  1.4% 
21:30   (米) 9月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前月比]  0.1%  0.1% 
21:30   (米) 9月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く) [前年同月比]  1.8%  1.7% 
21:30   (米) 前週分 新規失業保険申請件数 
22:45   (米) 10月 シカゴ購買部協会景気指数  47.1  49.0 


第230回
『おしえて陳さん』 
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*マーケットスクランブル出演
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