【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は弱い経済指標にもかかわらず円安を受けて上昇し、節目の5.7円をブレイクして引けた。019年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前年同期比0.4%減と、2四半期連続でマイナスとなった。18年末に発足した左派のロペスオブラドール政権の経済政策を巡り混乱が長引いていることが響いた。2四半期連続のマイナス成長は、一般的に景気後退局面に入ったと定義される。

実質経済成長率は前期(4~6月期)比では0.1%とわずかにプラスを確保したものの、メキシコ経済が厳しい状態にあることが裏づけられた。国際通貨基金(IMF)が15日に発表した経済見通しは、メキシコの19年の経済成長率について7月時点の0.9%から0.4%に下方修正した。金融危機の影響でマイナスになった09年以来の低い成長率になるとみられている。10月消費者物価指数(INPC)は前月に対して0.54%上昇した。前年同月比では3.02%の上昇だった。前月比では、コアインフレ指数は0.25%上がった。前年同月比では3.68%上昇した。

*今週のメキシコペソ円は、上値の重い展開になりそうだ。今週は14日にメキシコ中銀会合が開催され、政策金利0.25%の引き下げ(7.75%⇒7.50%)が予想されている。先月30日に発表された2019年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、一般的に景気後退期に入ったとされる2四半期連続のマイナス成長となった。国内の混乱や不安定な米国との通商関係などが投資にブレーキをかけ、雇用や消費にも影響しており、利下げによって景気浮揚を図りたいところだろう。

国際通貨基金(IMF)は、メキシコの19年の経済成長率見通しを7月時点の0.9%から0.4%にさらに引き下げた。メキシコ銀(中銀)がまとめる民間機関の予想平均でも0.43%まで下がっている。成長率が1%を下回るのは金融危機の影響でマイナスとなった09年以来。不振理由は第一に国内の経済政策の混乱だろう。ロペスオブラドール大統領は従来政権が進めてきた民間主導型の自由主義経済を「汚職や格差の温床」として全面否定。国内外から資金を集めた首都の新空港は建設中止にし、石油鉱区の民間入札は無期延期にした。外国企業参加のパイプライン敷設計画も見直しした。国内外の民間企業にとっては、契約済みの案件すら簡単に翻意される状況に不安が高まっている。民間企業が投資を控えているだけでなく政府が続ける緊縮策も景気の悪化を加速させている。景気停滞で本来なら刺激策として公共投資の拡大が求められる局面だが、「歴代政権がぜいたくをし、無駄遣いをした」と批判し、支出抑制を続けている。

18年9月30日に新たな通商協定である米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)締結で合意はしたが、米、カナダで議会の批准手続きが遅れており、いまだに発効時期が見通せていない状況にも不安が高まっている。ただ、ペロシ米下院議長は先月末、下院でUSMCA批准に向けた作業は日々前進していると述べ、市場に一定の安心感を与えた。下院歳入委員会の共和党幹部、ケビン・ブレイディ議員は31日、民主党の主要懸念事項で非常に多くの進展があったとし、「合意は近いと思う。年内に批准し、大統領に送付できると確信している」と語った。この批准を契機にしてメキシコペソ円が上昇基調を強めるかもしれない。

【メキシコ経済指標】
14日木曜日28:00メキシコ中銀政策金利前回7.75%、予想7.50%

peso1111

*予想レンジ:5.5円~5.80円


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。