【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は小動きだった。トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領は13日、ワシントンで首脳会談し、トルコがロシアから購入したミサイル防衛システム「S400」の問題を巡り、両国の関係機関で協議を続けることで一致した。トルコへの制裁発動の可能性などを巡り両国関係の緊張が高まる中、問題を先送りしたが、両首脳は共同記者会見で対話を通じて解決できるとし、関係悪化が回避されたことは安堵感を与えた。

9月のトルコ鉱工業生産は、前年同月比3.4%増だった。市場予想は3.65%増だった。過去12カ月はマイナスが続き、7月は1.1%減、8月は3.6%減だった。前月比では3.2%増。7~9月期は前年同期比0.4%減だった。7─9月トルコ失業率は14.0%と、6─8月の13.9%から悪化した。景気後退を背景に若者の失業率は27.4%と過去最悪となった。前年同期の失業率は11.1%、前年同期の若者の失業率は20.8%だった。

*今週のトルコリラ円は、保ち合いで推移しそうだ。9月鉱工業生産は、前年同月比3.4%増と市場予想の3.55%増を下回ったものの、昨年の通貨危機を経て、景気回復の兆しを示した。経済成長率は1~3月期に前年同期比マイナス2.4%、4~6月期にマイナス1.5%だった。インフレが減速し、トルコ中央銀行が政策金利を7月から10%引き下げたことを背景に、需要は上向き始めていると評価された。一方、失業率は悪化している。7─9月失業率は14.0%と、6─8月の13.9%から悪化し、景気後退を背景に若者の失業率は27.4%と過去最悪となった。前年同期の失業率は11.1%、前年同期の若者の失業率は20.8%だった。

欧州復興開発銀行(EBRD)は、6日に発表したリポートで、トルコ経済は今年0.2%の小幅なマイナス成長で、2020年には2.5%のプラス成長になる公算が大きいとの予想を示した。ただ、シリアでの軍事行動の影響で今後も地政学的な緊張がリスクになるとの見通しを示した。トルコは9月に、今年の成長率は0.5%、来年は5.0%との予想を示した。EBRDは、「経常収支は改善傾向にあるものの、外貨準備が引き続き低水準で海外での資金調達の必要性が依然高いことから、こうした緊張は経済に多大な影響を及ぼす可能性がある」とした。一方、世界銀行は5日、今年のトルコ経済はゼロ成長、今後2年の成長率はそれぞれ3%と4%との予想を示した。


【トルコ経済指標】
18日月曜日
16:00トルコ10月住宅販売前年比前回+15.4%

21日木曜日
16:00トルコ11月消費者信頼感指数前回57.0

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*予想レンジ:18.50円~19.50円



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