【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は下落した。メキシコ中央銀行は14日の金融政策決定会合で、市場の予想通り政策金利を7.75%から0.25%引き下げ、7.50%とすることを決定した。利下げは3会合連続。中銀は経済成長見通しがここ数カ月で悪化した可能性があるとの見方を示した。国内の経済政策を巡る不透明感や治安悪化を受けて金融政策の効果が薄れる可能性があるとの見方も出ている。メキシコ経済は今年上半期、かろうじて景気後退(リセッション)入りを回避したが、第3四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.1%増加にとどまり、景気は低迷している。中銀の利下げ決定を受けてメキシコペソは反発した。今年第3四半期のメキシコの失業率(季節調整値)は3.6%で、前年同期比で0.3ポイント悪化した。前四半期(19年第2四半期)比では0.1ポイント悪化。第3四半期の失業者数は214万7638人で、前年同期の193万4278人から大きく増加した。

*今週のメキシコペソ円は、保ち合いとなりそうだ。メキシコ銀行(中央銀行)が14日に3会合連続で政策金利の引き下げを決めた背景には、同国経済の停滞がある。2018年12月に左派のロペスオブラドール大統領が就任してから首都の新空港建設を中止したほか、油田鉱区入札を無期延期にしたことなどで経済が混乱して海外からの投資が大幅に減っている。雇用や消費にも影響が広がっており、経済成長が落ち込んでいる。利下げにより経済の下支えに動いているものの、2019年の実質経済成長率はマイナスに落ち込むとの懸念も出ている。今年7~9月期の実質経済成長率は前年同期比で0.4%減と2四半期連続でマイナスとなった。

中銀が1日発表した民間機関の19年成長率予想の中央値は0.2%と、金融危機の影響でマイナス成長だった09年以来の低水準になった。1~9月の貿易収支は26億ドル(2800億円)の黒字で、黒字確保は12年以来だ。輸出額全体の8割を占める米国向けの貿易黒字は16%増となり、全体をけん引した。これは米中貿易摩擦の恩恵による。中国に代わる代替地としてメキシコにはプラスに影響した。しかし、輸出増にもかかわらず経済全体が低調なのは、国内外からの投資が減っていることが原因だ。設備投資は2月から前年同月比で減少が続き、1~8月では前年同期比4.6%減と10年ぶりのマイナス幅だった。外国からの直接投資は4四半期連続で前年同期比で減少を続け、1~6月では19%減った。投資の減少は雇用や消費にも大きな影響を与える。正規雇用者の増加数は18年7月から19年8月まで連続して前年同月を割り込んだ。代表的な耐久消費財である新車の販売は1~10月で8%減となった。

メキシコ中銀は利下げの理由の一つに「米メキシコの2国間関係は不安定な状況が続いている」ことをあげた。しかし、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」が米国やカナダで批准されることになれば、このような停滞感は払拭される可能性がある。米国の進展に期待したい。米野党・民主党のペロシ下院議長は14日の記者会見で、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の承認について「今年に終えるのが目標だ」と述べた。民主党がトランプ政権に求めてきた協定の修正作業が、近く終わる見通しだという。与野党の対立で滞っている新協定の批准手続きが進む可能性がでてきた。

【メキシコ経済指標】
22日金曜日
21:00メキシコ隔週消費者物価指数前年比前回3.01%  予想3%

peso1118

*予想レンジ:5.5円~5.80円


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。