【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は軟調だった。中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大懸念で一時7.53円まで下落した。国際通貨基金(IMF)は20日に発表した世界経済見通し(WEO)で、南ア経済の2020年と21年の成長率を下方修正。今年は従来の1.1%から0.8%に、来年は1.4%から1.0%にそれぞれ引き下げた。

21日から始まったダボス会議で、ムボウェニ大臣が参加し、各国に南アフリカへの投資を呼びかけた。特に、南アフリカ航空SAAは破産の瀬戸際にあるが、回避するため、国からの20億ランドの支援を待っている状況が続いている。SAAは破産を回避するため昨日は国内便、国際便あわせて30便のフライトを停止したという。昨年12月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%上昇。前月の3.6%から加速するとの見通しが示された。前月は約9年ぶりの低水準だった。

*今週の南アランド円は、もち合いになりそうだ。中国の新型肺炎拡大を受け、世界的にリスク資産への買いが後退している。中国の湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の死者は81人に拡大。観光業のほか、経済活動全体への悪影響が懸念されている。リスク回避姿勢が強まる中、南アの債務見通しを巡る懸念がムーディーズによる格下げリスクの高まりにつながっているため、ランドはかなりネガティブな影響を受けている。

また、南アフリカ経済の見通しが低迷していることも圧迫要因。国際通貨基金(IMF)と南ア中銀は今月、南アの経済予測を下方修正したが、格付け会社ムーディーズは3月に格付けを見直す予定で、格下げ懸念が強まりそうだ。ムーディーズは国営のランドバンク(ランドのスペルはRではなくLで始まる。「土地銀行」の意)を政府からの財政支援が少ないことを理由にして、投資不適格(ジャンク債)まで引き下げた。また、停電への懸念も依然として残っている。
【南アフリカ経済指標】
30日木曜日
15:00南ア12月マネーサプライM3前年比前回+7.35% 予想+7.50%
15:00南ア12月民間部門信用前年比前回+6.60% 予想+6.35%
18:30南ア12月生産者物価指数前年比前回+2.3%
21:00南ア12月財政収支前回-151億ZAR  予想+87億ZAR

31日金曜日
21:00南ア12月貿易収支前回+61億ZAR、予想+120億ZAR


ZAR0128


予想レンジ:7.30円~7.70円

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