【南アランド円相場、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は下落した。27、南アランドが下落し1週間ぶりの安値。中国の新型肺炎拡大を受け、世界的にリスク資産への買いが後退していることから、新興国通貨である南アランド円には売りが強まった。南アフリカはBRICSの一員として中国との交易関係が深い。中国の湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の死者は日に日に拡大し300人を超えた。観光業のほか、経済活動全体への悪影響が懸念されリスク回避姿勢が強まる中、南アフリカの債務見通しを巡る懸念も押し下げ要因になった。

格付け会社ムーディーズによる格下げリスクが高まっていることも嫌気された。南アフリカ経済の見通しが低迷していることも圧迫要因。国際通貨基金(IMF)と南ア中銀は今月、南アの経済予測を下方修正した。格付け大手3社の中で唯一、南アを依然として投資適格級に格付けしているムーディーズは3月に格付けを見直す予定で、格下げ懸念が強まっている。

*今週の南アランド円は、戻り売りが継続しよう。南アランドの下落に歯止めがかからず、対ドルで約3カ月ぶり安値を更新。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大のほか、停電の再開やさえない景気見通しが圧迫要因。*週初からの下落率は約4%に達し、新興国通貨としては最も大きくなった。世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスによる肺炎について、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した。さえない国内経済の見通しも懸念材料。

国営電力会社エスコムは、電力供給が需要に追いつかず30日夜に計画停電を再開した。国際通貨基金(IMF)は30日、南アフリカ経済について、国営企業の経営悪化に加え、これまでの政府支援ですでに高水準にある財政赤字が増大していると指摘し、2020年の経済成長率は0.8%にとどまるとの見通しを示した。国営企業の脆弱性により十分なサービスができなくなっている。政府支援、もしくは政府介入が財政の重しになっていると指摘。「経済成長率は19年の推計0.4%から、20年は0.8%、その後は1.5%と、回復の足取りは緩慢になると予想しているとした。過去1年半におよぶ計画停電で昨年の南ア経済は2四半期でマイナス成長に陥ったほか、水道やヘルスケアなどの公共サービスが滞った地域では抗議活動や暴動も発生している。

政府委員会は先週、国営電力会社エスコムの計画停電による昨年の経済損失について、最大1200億ランド(83億ドル)に上ったとの推計を発表した。格付け会社ムーディーズは南アのマンガウン市を格下げした。すでに昨年8月に格下げし、ジャンク債扱いにしていたが、同市が昨年12月に5190万ランドの債務返済を怠ったことで、さらなる格下げとなった。南アは国だけではなく地方自治体も多額の負債に苦しんでいることから、3月の格下げで南ア国債ジャンク債入りする可能性が高くなった。

【南アフリカ経済指標】
3日月曜日
18:00南アフリカ1月製造業PMI前回47.1 予想47.2

6日木曜日
18:30南アフリカ1月SACCI景況感指数前回93.1 予想93.0

7日金曜日
15:00南アフリカ1月外貨準備高[Net]前回449.0億USD、予想451.0億USD

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予想レンジ:7.10円~7.40円

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