2月11日(火)
【2月10日の海外相場および市況】
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*週明け10日のNY外国為替市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を翌11日に控えて様子見が広がり、ドル円は109円台後半で小動きとなった。109円72~82銭。この日は米経済指標の発表など新規材料に乏しかった。市場は、11、12日のパウエルFRB議長の議会証言に関心を寄せている。FRBは7日に公表した半期ごとの金融政策報告書で、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎感染は「景気見通しへの新たなリスク」と警戒感を表明。感染拡大が世界経済の下押し要因になるとの懸念が強まる中、パウエル議長の証言を見極めたいとの思惑が広がっている。

*週明け10日のNY金は堅調。1579.50ドル(+6.10)株価が下落幅を縮小し金相場を圧迫したものの、新型コロナウイルスによる肺炎をめぐる懸念の広がりを背景に安値は買われ、プラスで引けた。新型コロナウイルスによる肺炎の死者が900人を超え、市場は肺炎流行による副次的影響を懸念している。新型肺炎の影響をめぐる不透明感が広がっており、死者や感染者が増加しているため、経済的影響は依然として不明で、金相場には下支え材料になっている。一方、ドルが他の主要通貨に対して4カ月ぶりの高値を付けたことは金相場の重石になった。

NY白金は反落。966.90ドル(-2.30)。
パラジウムは4営業日ぶりに反発。2249.80ドル(+39.60)。

*週明け10日のNY原油は、新型肺炎がもたらすエネルギー需要減退への懸念が重しとなり続落した。49.57ドル(-0.75)。再び50ドルの節目を割り込み、2019年1月以来約1年1カ月ぶりの安値に沈んだ。中国政府は10日、新型コロナウ
イルスによる肺炎の死者が908人、感染者が4万171人に増加したと発表。死者数は03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を上回り、エネルギー消費大国である中国などの石油需要が落ち込むとの警戒感が強まった。一方、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は6日に合同専門委員会(JTC)を開催した。JTCは同会合で、現行の減産協定の延長と日量60万バレルの臨時減産を提言したものの、ロシアのノバク・エネルギー相が7日、これらの判断を下すには時間が必要と述べたと報じられ、需給不均衡の緩和期待が後退し、相場はじりじりと下げ幅を拡大した。


*週明け10日のシカゴトウモロコシは反落。381.75セント(-1.75)。利益確定の売りが出て、前営業日の上昇分を削った。

シカゴ大豆は6日続伸。884.25セント(+2.25)。中国が米中貿易協議「第1段階合意」に基づく米国産品の購入目標を達成するとの見方が背景。ただ中国での新型コロナウイルスによる肺炎の拡大をめぐる懸念が上値を抑えた。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長によると、中国の習近平国家主席はトランプ米大統領との電話会談で、新型肺炎の影響で米国産品の輸入が遅れる可能性があるものの、購入目標は達成されると説明したという。


*週明け10日のNYダウは、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への懸念が続く中、ハイテク関連株が買われ、反発した。2万9276.82ドル(+174.31)。中国で10日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休業していた多くの企業が業務を再開した。ただ、移動制限などが続いているため、従業員の確保などが進まず、低調な状態が続く見通し。再開が遅れている工場も目立っている。市場では、新型肺炎の感染拡大が実体経済に与える影響を見極めたいとの思惑から、積極的な取引が控えられた。一時マイナスになる局面もあったが、比較的中国との関係が薄いアマゾン・ドット・コムやグーグルの持ち株会社アルファベット、マイクロソフトなどに押し目買いが入り、相場を押し上げた。