【ドル円相場、今週の予想】
*今週のドル円は上寝の重い展開になりそうだ。中国における新型コロナウイルスの感染被害は日に日に拡大している。中国国家衛生健康委員会の10日の発表によれば、同国での感染症例は累計で4万件を越え、死者は908人に上った。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国への渡航歴がない人々から新型ウイルスが広がった懸念されるケースがあると指摘した。2020年における中国経済の減速は避けられないとの見方が強まっており、リスクオンにはなりにくい。米国経済は中国程には影響を受けなさそうだ。英調査会社オックスフォート・エコノミクスは7日、中国で発生した新型肺炎の感染拡大を受け、2020年の米経済成長率が0.1~0.2%押し下げられるとの試算を公表した。要因として、旅行業界への打撃、製造業のサプライチェーン(部品共有網)の混乱、マインドの悪化を挙げた。

ただ、「米経済への影響は限定的」との見解を示した。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長も7日、中国を震源とする新型コロナウイルスの感染拡大が米経済に大きな打撃をもたらすとは想定していないと語った。米政権はこれまでの情報に基づき、「国内総生産(GDP)は0.2%ポイント程度押し下げられる可能性があると試算している」と明らかにした。いずれも米国経済の大きな落ち込みを想定していないが、投資マインドが改善するには時間がかかるだろう。2月11、12日に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB))議長の議会証言が注目されよう。新型ウイルスの米国経済への影響を考慮し、景気見通しや利上げについて慎重な姿勢が改めて示されればドルの重石になりそうだ。

今週発表される1月消費者物価指数(CPI)や1月小売売上高が市場予想を下回った場合、リスクオフモードが強まり、ドルの重石になるだろう。1月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+2.2%と、インフレ率は12月実績を下回る見込み。1月小売売上高は前月比+0.3%と、伸び率は12月と同水準と予想される。1月米雇用統計は、非農業部門就業者数が22万5000人増加と市場予想の16万5000人増を大きく上回った。失業率は3.5%から3.6%に上昇した。平均賃金は前年同月比3.1%増と前回の3.0%から緩やかながら上昇が見られた。良好な雇用ながらインフレ率を押し上げる状況にはなく、現状の金融政策を変更するものではないだろう。

CMEのFEDWATCHによると、今年7月以降の利下げ見通しが高まっている。大統領選の年には金融政策の変更はないというジンクスがあるものの、トランプ大統領はドル安。利下げを志向している。新型肺炎によるマイナスの影響が見受けられた場合、利下げ見通しが高まり、ドルを押し下げていく可能性が高まるだろう。

*CFTC建玉2月4日時点:ファンドのドル買い・円売りは2万1898枚(前週比-1万4127枚)と減少。総取組高は19万0079枚と前週比5160枚の増加。

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*予想レンジ:107.50円~110.50円

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