4月3日(金)
【4月2日の海外相場および市況】
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*2日のNY外国為替市場では、原油相場の急伸などを手掛かりにドルを買って円を売る動きが優勢となり、ドル円は107円台後半に上昇した。107円86〜96銭。最新週の新規失業保険申請は664万8000件と、前週に続き過去最多を更新した。市場予想の350万件を大幅に上回り、新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用悪化の深刻さが浮き彫りになった。これを受けて一時107円02銭付近まで下落した。その後、トランプ米大統領がツイッターに「サウジアラビアとロシアは、日量約1000万バレルの原油生産を減らすと予測、期待している」と投稿。主要産油国による減産期待から原油相場が急反発した。原油高を背景にNYダウも上昇したため、リスク回避姿勢が後退し、ドル買い・円売りが進行した。
*2日のNY金は、米雇用関連指標の悪化などを背景に買いが先行し、反発した。1637.70ドル(+46.30)。3月28日までの1週間の新規失業保険申請は、季節調整済みで664万8000件(市場予想350万件)と、前週比334万1000件増加。前週(330万7000件)に続き、過去最多を更新した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が米雇用環境の悪化につながっている形で、景気減速懸念が一段と強まった。このため、安全資産とされる金は買いが強まった。
NY白金は反発。730.0ドル(+12.20)。
パラジウムは続落。2121.70ドル(-19.10)。
*2日のNY原油は、主要産油国による減産期待から急反発した。25.32ドル(+5.01)。1日の上昇率としては過去最大となった。サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子は2日、トランプ大統領と電話会談した。トランプ大統領は会談後にツイッターで「サウジとロシアは、日量約1000万バレルを削減すると私は予測、期待している。削減は1500万バレルになるかもしれない」と表明。主要産油国による減産合意の可能性が高まり、過剰供給が解消されるとの見方が強まった。サウジ国営通信によると、同国は石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の緊急会合の開催を呼び掛けた。サウジは4月1日から最大限の増産となる日量1230万バレルを生産する方針。ロシアも大幅増産の構えを示し、市場に供給過剰懸念が強まっていたが、一転して相場の安定に期待感が広がった。原油相場が低迷する中、産油量の削減を協議する方針。トランプ大統領が前日、原油相場の急落で打撃を受けている米石油各社のトップと3日に会い、経営支援策を協議すると明らかにしたことも支援材料となった。ただ、ロシアとサウジが大幅減産で実際に合意する可能性について疑問が浮上したことから、相場は上げ幅を縮小した。石油輸出国機構(OPEC)非加盟国のロシアと、場合によっては米国やカナダが協調減産に加わらない限り、サウジが減産する可能性は小さいとの認識を示した。北海ブレント原油は、29.94ドル(+5.20)。
*ロシアのノバク・エネルギー相は2日、石油市場の供給過剰を踏まえ、同国としては増産する計画はないとの見解を示した。また、石油市場についてサウジと協議していないが、その可能性は除外出来ないと語った。

*2日のシカゴトウモロコシは5日続落。333.50セント(-1.25)。序盤は原油価格急伸が相場を支援したが、その後は新型コロナウイルスの世界的流行を背景とした穀物需要への根強い懸念に圧迫された。トランプ大統領が、主要産油国のロシアとサウジアラビアとの間の減産合意を仲介したと表明したことを受けて原油価格が上昇、トウモロコシも連れ高となった。これまでの原油価格急落はエタノール業界に打撃を与えていた。米国産トウモロコシの3分の1超を消費するエタノール・プラントは、エネルギー価格安を背景に生産を縮小または停止している。新型コロナ危機で米国の失業者が増加し、世界経済が景気後退に陥る中、穀物トレーダーの間では需要減退懸念が根強い。
シカゴ大豆は続落。858.75セント(-4.00)。トランプ大統領が、主要産油国のロシアとサウジアラビアとの間に立って、原油を減産して価格急落に歯止めをかける合意をまとめたと表明したことを受けて、原油価格が上昇。これを追い風に大豆も取引時間中の高値に上伸した。しかし、大豆ミールの値下がりが弱材料となってマイナス圏に沈んだ。
*2日のNYダウは、原油相場の急伸を好感してエネルギー株を中心に買いが入り、3日ぶりに反発した。2万1413.44ドル(+469.93)。トランプ大統領のツイッター投稿をきっかけに、主要産油国サウジアラビアとロシアが減産で合意するとの期待が高まり、原油相場が急伸した。NY原油は一時、前日比で約35%上昇した。トランプ大統領は、サウジのムハンマド皇太子と電話会談したと投稿。サウジとロシアによる減産規模が「1500万バレルになるかもしれない」との期待を示した。一方ダウは、米新規失業保険申請の急増を嫌気し、一時マイナス圏に沈んだ。3月28日までの週間新規失業保険申請は664万8000件と、前週に続き過去最多を更新。市場予想の350万件を大幅に上回り、新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用環境の急速な悪化が示された。

【3日の経済指標】
09:30 (豪) 2月 小売売上高 [前月比] -0.3% 0.4%
10:45 (中) 3月 Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI) 26.5 39.5
16:00 (トルコ) 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 12.37% 11.85%
16:55 (独) 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 34.5 34.3
17:00 (欧) 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 28.4 28.2
17:30 (英) 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 35.7 34.8
18:00 (欧) 2月 小売売上高  [前年同月比] 1.7% 1.6%
21:30 (米) 3月 非農業部門雇用者数変化 [前月比] 27.3万人 -10.0万人
21:30 (米) 3月 失業率 3.5% 3.8%
21:30 (米) 3月 平均時給 [前年同月比] 3.0% 3.0%
22:45 (米) 3月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 39.1 38.5
22:45 (米) 3月 総合購買担当者景気指数(PMI、改定値) 40.5
23:00 (米) 3月 ISM非製造業景況指数(総合) 57.3 44.7

*第243回
『おしえて陳さん』 
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*ストックボイス「FXフォーカス」出演
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*マーケットスクランブル出演
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