【ドル円、今週の予想(6月29日)】
*堅調。
*予想レンジ:106.50~108.50円。
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、「有事のドル買い」が優勢になりそうだ。
ユーロ圏の経済指標改善を受けたユーロ買い・ドル売りがドル円にも影響し、23日には106円割れ近くまで下落する場面があった。リスクオフ局面でドルが買われ、リスクオン局面でドルが売られるという動きも見られた。世界的にロックダウン(都市封鎖)が解除され経済活動の活性化が期待される反面、人やモノの往来の活発化に伴う新型コロナ「第二波」が懸念されている。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の新型コロナウイルスの累計死者数は29日に50万人を超えた。経済活動の再開を急ぐあまり再び感染が広がる国もあり、依然として感染者・死者数ともに拡大ペースは続いている。国・地域別の累計者数では米国が12万5千人超と最も多く、世界全体の4分の1を占めている。ブラジル(約5万7千人)やメキシコ、(約2万6千人)、インド(約1万6千人)、イラン(1万人超)等新興国でも死者数は拡大しているが、米国内の新規感染者が過去最多を更新したことが憂慮されている。テキサス州では、新型コロナウイルス感染者の急増を受け、バーを閉鎖し、レストランの入店者数も50%に制限する知事令を出した。フロリダ州もバーでの酒類消費が停止になった。景気回復への阻害要因が大きくなっている事を背景に週末26日のNYダウは前日比730ドルも下落し、2万5015.55ドルで引けた。米中関係悪化も懸念される。米上院は25日、香港の自治侵害に関わった中国当局者らに制裁を科す「香港自治法案」を可決した。こうした不安要因が「有事のドル買い」を後押ししよう。今週末は独立記念日に伴う3連休に入るためドル需要は強まりそうだ。

<強材料>
1.米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、物価安定の目標としている2%のインフレ率について、「引き下げを検討することさえも考えていない」と明確に否定。
2.シカゴ連邦準備銀行が発表した5月全米活動指数(CFNAI)はプラス2.61となり、前月のマイナス17.89(改定値)から大幅改善した。
3.5月米耐久財受注額(季節調整後、半導体を除く)は、前月比15.8%増の1944億1900万ドルとなった。伸びは2014年7月(23.2%増)以来5年10カ月ぶりの大きさ。
4.5月米個人消費支出(PCE)は前月比8.2%増と、1959年に集計を始めて以来最大の伸びとなった。4月は最大の下落幅だったが、新型コロナウイルス対策で政府が講じた世帯現金給付、失業手当拡充などを背景に急回復した。
5.ロス商務長官は日、新型コロナウイルスの感染者増加を受けてテキサス州が経済活動の再開を抑制したものの、米国の景気は今年下半期に引き続き力強い回復軌道を維持するとの見通しを示した。
6.米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は、米中通商合意は無傷であるばかりか、数々の分野で建設的に前進しているという考えを示した。ナ

<弱材料>
1.国際通貨基金(IMF)は24日、最新の世界経済見通しで、2020年の成長率をマイナス4.9%と4月時点の予測(マイナス3.0%)から下方修正した。新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、景気回復が想定より鈍いと分析した。1930年代に深刻化した大恐慌以来の不況に陥り、米国の20年成長率はマイナス8.0%と予想。
2.米国では州間で失業率の格差が広がっている。中西部「ラストベルト」(さび付いた工業地帯)では高止まりしている。
3.経済再開を急いだ州では感染が再拡大している。1日当たりの新規感染者数の調査によると、アリゾナ、テキサス、フロリダは最近、過去最多を更新した。
4.ミネアポリス連邦準備銀行のカシュカリ総裁は、新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した景気の回復は「2~3カ月前に想定していたよりも長引くだろう」と語った。さらに、回復持ち直しが鈍いとの見方を示した。
5.5月米中古住宅販売件数(季節調整済み)は年換算で391万戸と、2010年10月(383万戸)以来9年7カ月ぶりの低水準となった。前月比は9.7%減と3カ月連続のマイナス。
6.6月第1~3週の米国小売売上高は季節調整済みで前月同期比1.4%減少。前年同期比では8.0%の減少。IHSマークイットが発表した6月のユーロ圏製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想を上回る一方、米製造業PMI速報値がさえない内容だった。
7.2020年1~3月期の税引き後企業利益(在庫評価・資本減耗調整済み)改定値は、季節調整後の年換算で前期比12.4%減の1兆6723億ドルとなった。前年同期比では6.6%減。

yen0629

*CFTC建玉6月23日時点:ファンドのドル売り・円買いは2万7458枚(前週比+5348枚)と増加。総取組高は14万4549枚と前週比1万7262枚の増加。


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