【南アランド円、今週の予想(6月29日)】
*上値の重い展開になりそう。
*予想レンジ:6.00円~6.50円
4月消費者物価指数は前年比+3.0%、予想+3.0%、前回+4.1%だった。コロナの影響で需要が減っているようで、前回より大きく下げた。原油安の影響でガソリン価格が下げたことも大きな要因。インフレ率の低下を受けて、次の南ア中銀会合(7月23日)で政策金利は引き下げられる可能性がある。現在の政策金利3.75%とインフレ率3.00%をかんげると、利下げ幅は3.75%-3.0%=0.75%のゆとりがある。今年の南アフリカGDPは大きくマイナスとなる見込みなので利下げの可能性は高いだろう。1-3月期失業率は30.1%まで上昇し、2002年の7-9月期に記録した30.4%以来の結果となっている。4-6月期の失業率は50%に達するとの見方も出ている。国民の半数が失業という悲惨な現実になりそうで、南アランド円の上値は重いだろう。今週は1-3月期国内総生産(GDP)、5月貿易収支などが発表される。5月はロックダウンの最中だったこともあり、ロックダウンの影響がどれほど出ているか注目される。

<強材料>
1.4月、新型コロナ流行が引き起こした経済の落ち込みに対応するため、同国GDPの10%に相当する5000億ランド(288億6000万ドル)規模の景気対策を発表。
2.ラマポーザ大統領は国内総生産(GDP)の10%に相当する経済対策を発表した。その一環として、国際通貨基金(IMF)に初めて融資を要請する。
3.南アの白金大手インパラ・プラチナム(インプラッツ)は、3月に顧客への白金供給契約に発動した不可抗力条項を撤回した。6月中旬には生産能力が85%まで回復したため、2020年度の白金生産量見通しを4月時点の260万~290万オンスから277万~279.5万オンスに上方修正した。

<弱材料>
1.4月消費者物価指数は前年比+3.0%、前回+4.1%。インフレ率の低下で利下げ予想。
2.1-3月期失業率は30.1%まで上昇し、4-6月期の失業率は50%に達するとの見方。
3.南アの総負債が2020年末に会計年度末までにGDPの81.8%になる見込み。海外から70億ドルの融資を確保し、そのうち10億ドルは新開発銀行から調達する計画。
4.南ア財務省は、2020~21年度の財政赤字が新型コロナウイルス感染拡大を受けた景気対策で、国内総生産(GDP)比14.6%に拡大する見通し。アパルトヘイト(人種隔離)政策終結以降では最高水準となる。

zar


【南アフリカ経済指標】
30日火曜日
15:00南ア5月マネーサプライ
15:00南ア5月民間部門信用
18:30南ア第1四半期GDP前期比年率前回-1.4%、予想-4.0%  
18:30南ア第1四半期GDP前年比前回-0.5%、予想-0.8%
21:00南ア5月貿易収支前回-350億ZAR、予想-60億ZAR  
21:00南アフリカ5月財政収支前回-512億ZAR、予想-364億ZAR
1日水曜日
18:00南ア6月製造業PMI前回50.2、予想49.8
2日木曜日
18:00南ア第1四半期経常収支前回-680億ZAR、予想-120億ZAR  
18:00南ア第1四半期経常収支[対GDP比] 前回-1.3%、予想-0.2%

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