【東京金は上場来最高値更新、NY金は1800ドル定着へ】
*新型コロナウィルスの感染拡大による世界経済への打撃が懸念され安全資産である金が上昇している。世界中銀の度重なる緩和策を背景に、NY金はインフレと通貨下落に対するヘッジとして買われている。NY金は7日に1810.8ドルで引けた。年初来からは18%超の上昇となった。

*ファンドの買越しは年初に30~33万枚だったが、相場の上昇に連れて減少し(利益確定売り)、6月9日には20万8600枚まで減少した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2022年末までのゼロ金利政策維持を決定し、必要があればさらなる緩和を実行すると言明したことを受けて、再び買越しは増加し、30日時点では26万6670枚まで増加した。NY金が1700~1800ドルの水準で新規に金を買っているわけで、ファンドは一段の高値を見込んでいると言えよう。

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*金融大手シティグループは1日、2020年7~9月期の金の価格見通しを1825ドルに引き上げた。シティグループは「短中期には、われわれの強気見通しはリスクを伴う」としている。価格押し下げ要因としては、①デフレショック②ドル高③米金融政策のタカ派転換―を挙げた。
*金融大手ゴールドマン・サックスは19日、金相場見通しを上方修正している。新型コロナウイルス感染拡大による経済の先行き不安と通貨安懸念を理由に、金相場の上昇傾向は続くと予想。3カ月見通しは1800ドル(従来予想1600ドル)、6カ月見通しは1900ドル(従来予想1650ドル)、12カ月見通しは2000ドル(従来予想1800ドル)と、それぞれ引き上げた。2000ドルと一段の高値を予想しているところが注目される。

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*NY金が1800ドルを超えてきたことで上場来の最高値1911.6ドル(2011年9月)が視野に入ってきて。心理的には2000ドルがターゲットになりそうだ。高水準の価格帯であるにもかかわらず、金現物投資需要は金相場の動向に関係なく増えている。4月13日に1009.7トンと1000トンの大台を回復し、7月7日時点には1199.36トンと年初最大となった。わずか3カ月足らず19%も増加し、年初来の893.3トンからは34%の増加となった。

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*リーマン・ショック後の金融緩和を受けてNY金は2011年9月に1911.6ドルに上昇したが、金ETFがピークを迎えたのはそれより1年余り後の2012年12月だった。FRBは2022年末まで、実質ゼロ金利を継続する意向で、経済状況次第では追加の緩和策も想定される。金投資の増勢傾向は今後も続くと見ていいだろう。また、それに伴いNY金は1800ドルで値を固め、1900~2000ドルのレンジにトライしていくと予想する。

*NY金が1800ドル台に上昇したことで、東京金も8日に6212円の上場来最高値を更新した。「新型コロナ第二波の拡大懸念」、香港問題を巡る「米中関係の悪化」、米大統領選挙を巡る「米国の分裂騒動」等からNYダウは調整局面を迎えたようで、市場のリスク回避姿勢の強まりからNY金は押し目買いが優勢な状況が続いている。何よりも、世界の中銀が緩和策を続け、実質金利(「名目金利」-「インフレ率」)が長期に渡って低下していくと予想されることが、利子を産まない金には追い風となっている。東京金は500円幅でレンジを形成する事が多く、今後は6000~6500円のレンジを形成していくと予想する。

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