【メキシコペソ円今週の予想(7月14日)】
*もち合い継続か。予想レンジ:4.60円~5.20円。
*メキシコの政策金利に下げ余地が出てきた。6月メキシコ消費者物価指数(INPC)上昇率は3.33%と前月から0.55%加速した。コアインフレ指数の上昇率は3.71%(前月比0.37%)。メキシコ中銀は6月25日、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が著しく停滞していることを受け、主要政策金利を0.50%引き下げて5.00%に決定。利下げは9会合連続で、金利は2016年9月(4.75%)以降、最低水準となっている。メキシコ中銀金融政策決定会合議事録によると、さらに0.5%利下げを訴えているメンバーがいる。現在、政策金利が5%、インフレ率が3.33%なので、現在の実質金利は、5%-3.33%=1.67%。更に0.5%利下げすると、実質金利は1.67%-0.5%=1.17%まで低下する見込み。米国とメキシコは8日、首脳会談を開き、7月1日に発効したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が大きな経済効果を生むとアピールした。米政権が鉄鋼とアルミニウムへの関税再発動も示唆するなか、カナダは欠席した。トランプ大統領とロベスオブラドール大統領は成果を誇示するための共同宣言も作成し署名した。
新型コロナウィルスの感染拡大が懸念されている。10日のメキシコの感染者は1日当たり7000人と同国の最多を更新した。第1波を収束させないまま経済再開を急いだことが裏目に出たと見られている。


<強材料>
1.7月1日に発効したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が大きな経済効果を生むと期待。

2.6月のメキシコ消費者物価指数(INPC)上昇率は3.33%だった。前月から0.55%加速した。コアインフレ指数の上昇率は3.71%(前月比0.37%)。

3.メキシコの自動車生産が回復してきた。7日発表した6月のメキシコ自動車生産台数は23万8946台と、5月に比べて11倍に増えた。依然として前年同月比では29%減の水準だが、生産体制の復旧が進んでいる。6月の輸出台数は19万6173台と、5月実績(1万5088台)に比べると13倍に増えた。米国の経済再開が後押ししたとみられる。

4.原油価格が堅調に推移。


<弱材料>
1.政策金利に低下余地が広がった。

2.オブラドール大統領の支持率が56%と、政権発足後で最低となった。新型コロナの感染拡大や経済低迷、治安悪化が重荷となっている。

3.5月メキシコ鉱工業生産活動指数(2013年=100、季節調整値)が71.8になった。生産レベルは67.4と1995年11月以降、最低水準となった。前年同月比で29.7%低下し、2カ月連続で過去最大の落ち込み幅を記録。前年割れは20カ月連続となった。

4.新型コロナウィルスの感染第二波への懸念。

【メキシコ経済指標】
*特になし

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