「NY原油、レンジの上限45ドルにトライへ」
*米エネルギー情報局(EIA)が15日に発表した週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は230万バレルの減少予想を超える前週比749万バレルの減少だった。前回の同565万バレル増から減少に転じた。ガソリン在庫も200万バレル減少の予想に対し315万バレル減少。暖房油も150万バレル増加予想に対し45万バレル減少だった。原油、石油製品共に予想を超える減少となったことが好感されて昨日のNY原油は41.4ドルと4カ月ぶりの高値をつけた。

eia0716

*国際エネルギー機関(IEA)は10日公表した月報で、2020年の世界石油需要見通しを日量9210万バレルと、前月予想から同40万バレル引き上げた。第2四半期(4~6月)の需要が予想より小幅な減少だったことを理由に挙げた。その一方で、新型コロナウイルスの感染拡大がこの見通しへのリスクになっていると警告した。IEAは、多くの国々でのロックダウン(都市封鎖)措置の緩和が5、6月に燃料供給の力強い増加をもたらしたと指摘。7月もこの傾向が続く公算が大きいとした。2020年の石油精製活動は航空移動の減少による灯油やジェット燃料の需要低迷により大幅に減少する見込み。

*石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は15日、テレビ会議で会合を開き、5月から続けてきた日量970万バレルの減産を7月末で終了とし、8月1日から770万バレルに縮小することを決定した。770万バレルは新型コロナ流行前の世界需要の約8%に相当する。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月以降、多くの国が都市封鎖(ロックダウン)に踏み切ったが、その後は経済活動が再開され、石油需要も回復しつつあることを踏まえての措置。
*新型コロナウィルス「第二波」の拡大により需要懸念が高まる一方で、ワクチン開発の期待が下値をサポートしている。

*米バイオ医薬品企業モデルナは、同社が開発する新型コロナウイルスのワクチン候補について、初期段階の臨床試験(治験)で良好な結果が出たと発表。ワクチン開発への期待が高まっている。


nyoil0716

*NY原油は200日移動平均線が45ドルにあり、50日と100日の移動平均線が35ドルにある。
*35~45ドルのレンジを構成しているが、40ドルを上回ってきたことでレンジの上限45ドルをトライする展開になりそうだ。