【南アランド円、今週の予想(7月28日)】
*底堅く推移するも上値は限定的か。予想レンジ:6.20円~6.70円
*南アランドはコロナ感染拡大前の水準を依然として下回っているが、底堅く推移している。世界的な金融緩和を背景に株価が堅調に推移していることに加え、主要な輸出品である金や白金等の貴金属価格が上昇していることが要因だろう。先週、世界保健機関(WHO)はアフリカの感染拡大に懸念を示し、とりわけ南アフリカが危惧されるとした。南アは7月12日、新型コロナウイルスの感染急増を受けて夜間の外出制限や、アルコール飲料の販売を禁止した。6月から制限緩和を進めてきたが、感染拡大を前に再び経済活動の制限に追い込まれた。南アフリカ中央銀行は23日、主要政策金利を3.75%から0.25%引き下げて3.50%とすることを決めた。0.25%の利下げは市場の予想通り。新型コロナウイルスの影響で景気後退が加速していることを受けた措置。新レートは24日から適用される。南ア中銀は声明で「経済の縮小と緩やかな回復」により、インフレが低水準で推移すると予想した。今年通年の成長見通しは従来の―7.0%から―7.3%に下方修正。来年については3.8%増から3.7%増に、再来年は2.9%増から2.8%増に改定した。今年の消費者物価指数(CPI)上昇率は3.4%に据え置き。来年と再来年はそれぞれ4.4%から4.3%に修正した。南アは昨年7~9月期以降、3四半期連続でマイナス成長となっている。なお、1980年代以来となる国際通貨基金(IMF)からの融資を受ける可能性が高い。比較的融資条件が緩やかとされるラピッド・ファイナンシング・インストルメントによる調達が計画されており、南アの市場からの資金調達圧力を減らす可能性がある。

<強材料>
1.5月の南ア消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.1%にまで低下したため、政策金利の引き下げによる景気下支え効果が期待される。

2.主要輸出品である金、白金、パラジウム価格が上昇。


<弱材料>
1.3大格付け会社(ムーディーズ、S&P、フィッチ)全てから投資適格級の格付けを失った。

2.フィッチは、南アフリカの各付けについて、公的債務の削減が進まなければ、投機的(ジャンク)でさらに引き下げる可能性があると指摘した。新型コロナウィルス対策の財政出動で南アフリカの債務は2021年に、対GDP比で80%を突破する見通し。

3..電力不足による産業活動が停滞。

【南アフリカ経済指標】
29日水曜日
17:00南ア6月消費者物価指数前年比前回+2.1%、予想+2.2%

30日木曜日
18:30南ア6月生産者物価指数前年比前回+0.4%、予想+0.8%
21:00南ア6月財政収支前回-524億ZAR、予想-200億ZAR

31日金曜日
21:00南ア6月貿易収支前回+159億ZAR、予想+96億ZAR

zar0728


情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。