「白金は中国要因を背景に上昇基調を強めそう」
NY金が8営業日続伸し史上最高値を3営業日連続で更新した。1944.60ドル(+13.60)で終え、一時1974.70ドルまで上昇した。心理的な節目の2000っドルを目指しているようだ。

金上昇の要因としては、
①.欧州復興基金が欧州連合(EU)27カ国で合意されユーロが対ドルで大幅上昇し、ドル建て金に割安感が強まった。

②.米景気の先行き不透明感からNYダウが下落した。

③.新型コロナウィルスの感染拡大で米国の感染者数は400万人を超え世界最多。

④.米中双方が総領事館を閉鎖させ、“地経学”リスクが意識された。

金の上昇の影響を受けて白金も連れ高し、28日のNY白金は一時1002ドルの高値をつけ、2月20日以来の1000ドルをつけた。終値は986.2ドルと高値を維持した。

大阪白金も3000円の上値抵抗線をブレイクし、3100円台に水準を切り上げた。白金は、金が割高で買いにくくなった時に、出遅れ感を理由に買われることがよくあるが、上昇基調が強まったことで、白金独自の材料にも注目しておきたい。

国際調査機関のワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、中国の上海黄金交易所で白金の取引が急増しているという。

今年6月までのの中国の輸入量および上海黄金交易所の取引量は、過去5年間の平均を大きく上回ったとのことで、中国の宝飾品メーカーや産業用需要家は、価格が安い今年の4月以降に購入量を増やしたようだ。

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背景には、中国経済は製造業や消費市場の回復傾向が続いており、主要インフラプロジェクトも加速するなど経済状況全体も改善が続いていることがある。

6月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は50.9と5月の50.6から上昇した。6月の中国非製造業PMIは54.4と予想の53.6を上回った。新型コロナウイルス感染拡大による落ち込みからの段階的な持ち直しが続いていることが示唆された。

今年4~6月期の中国国内総生産(GDP)は前年同期比3.2%増加した。新型コロナウイルスの影響でマイナス成長となった前期から急回復し、2四半期ぶりに拡大に転じた。

中国自動車工業協会(CAAM)が7月10日に発表した6月の自動車販売台数は230万台と、前年同月比で11.6%増になった。4月以降、3カ月連続で前年同月比増加となり、特に直近2カ月は2桁の増加で堅調だった。

不動産、インフラ投資はほぼ前年水準を上回っており、経済のV字回復が視野に入ってきた。鉱工業生産は4月が前年比3.9%増、5月同4.4%増、6月も同4.8%増とすでに前年水準以上を回復している。

中国では、新型コロナの感染状況が落ち着き、経済活動の正常化が進む中、世界に先駆けて成長軌道へ戻ったことを裏付けた。

このため産業用貴金属である白金の出遅れ感が意識されているようだ。
経済回復の継続性にはまだ懐疑的な見方も強いが、ドル安がドル建て貴金属をサポートしよう。

米連邦準備制度理事会(FRB)は6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で2022年末までゼロ金利政策を維持することを決定し、必要があれば追加緩和措置を講ずるとした。新型コロナの感染拡大に歯止めがかからないことに加え大統領選挙を控えて緩和政策は拡大されそうでドル安基調は強まる可能性が高い。

また最大の生産国である南アフリカでの供給リスクも意識されてる。
世界保健機関(WHO)は、アフリカで新型コロナウイルスが広がり続けるなか、特に南アフリカでの感染者が急増しているとして警戒を呼びかけた。25日時点でアフリカ大陸全体でのウイルスの感染者はおよそ83万人で、死者は1万7500人に上った。最も深刻なのが南アフリカで、感染者は45万2000人、死者は7000人を超えている。経済活動を早期再開させたことで感染が拡大し、感染者、死者ともにアフリカ大陸で最多となっている。

これに加え、電力不足が経済活動の重石になっている。南ア政府は国民に節電を呼び掛けている。特に鉱山操業は大量の電力を必要とし、狭い場所で密集して作業をするためクラスター最も懸念されている。そのため、市場は金や白金、パラジウム等の貴金属生産に支障が出る可能性が高いと懸念している。CFTC建玉でファンドの買い越しが2万枚を越えたのもこうした背景がありそうだ。

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以上から、NY白金は1000ドルの節目を超えて1000ドル台が定着する可能性が強まったと予想する。大阪白金も2500~3000円のレンジから3000~3500円のレンジに上昇したと予想する。


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