【7月31日海外市況】
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*週末31日のNY外国為替市場では、最近の円買い・ドル売りの流れに歯止めがかかり、105円台後半に反発した。105円87~97銭。新型コロナウイルス感染再拡大の影響で米経済活動の再開が遅れるとの見方を受け、東京市場では一時104円17銭付近まで下落した。その後は週末や月末絡みの持ち高調整で流れが反転した。市場が特に注目していた6月米個人消費支出(PCE)が前月比5.6%増と2カ月連続のプラスとなったことからドルを買い戻す動きが加速した。また、7月シカゴ景況指数も1年2カ月ぶりの高水準となり、一時106円05銭まで上昇する場面もあった。ドル円の大幅上昇は、ファンダメンタルズ面での買い材料は乏しく、もっぱら月末要因の調整的な買い戻しが主体だったと見られている。


6月米個人消費支出(PCE)は前月比5.6%増と2カ月連続で伸びた。新型コロナウイルス感染防止策の緩和に伴う経済活動の再開が押し上げた。ただ6月中旬からの感染再拡大が7月以降の消費を下押しする可能性がある。個人所得は1.1%減と2カ月連続のマイナス。コロナ経済対策の一時的な現金給付が終了したことが要因とみられる。7月末には失業給付の上乗せ措置が終わるため、景気回復が遠のく懸念が強まっている。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目するPCE物価指数は、前年同月比0.8%上昇。食料品とエネルギーを除いたコア指数も0.9%上昇と、いずれもFRBが目標としている2%を大幅に下回った。景気悪化で物価上昇圧力の弱さが目立っている。

7月シカゴ景況指数(シカゴPMI、季節調整済み)は51.9と、前月の36.6から上昇した。市場予想(43.9)を上回り、2019年5月以来1年2カ月ぶりの高水準となった。好不況の分岐点とされる50を上回ったのは19年8月以来。

7月ミシガン大学消費者景況感指数(確報値)は72.5となり、先に発表された暫定値73.2から下方修正され、市場予想の73.0も下回った。前月の確報値は78.1だった。

格付け会社フィッチ・レーティングスは31日、米国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。格付けは「AAA」を維持した。格付け見通しの引き下げについて、公的財政の悪化などを指摘。「新型コロナウイルス感染拡大による衝撃の収束後、公的債務の安定化に向け十分な財政緊縮が実施されないリスクが増大している」とした。

*3日の東京外国為替市場のドル円相場は、前週末の海外時間に急伸した後を受けた戻り売りで105円台後半で上値の重い展開が見込まれる。
予想レンジは105円60~106円10銭。

本日は、東京時間は1~3月期GDP2次速報改定値、7月財新・中国製造業PMI、欧米時間は7月米ISM製造業景況指数、6月米建設支出など。


*ポンペオ米国務長官は2日、中国共産党の影響を受けている動画や通信のアプリに対して、トランプ大統領が「広範囲にわたる安全保障のリスクに関して、数日内に行動を取る」と述べた。中国企業が提供するソーシャルメディアのうち、「TikTok(ティックトック)」以外にも規制対象を広げる可能性に含みを持たせた。ポンペオ氏は、短編動画投稿アプリのティックトックや中国版LINE「微信(ウィーチャット)」を例に挙げ、米国民の情報を集める道具になっていると指摘した。米メディアは、安保上の重大な脅威に対処する制裁を定めた「国際緊急経済権限法」を発動すれば、大統領権限で幅広い外国製アプリの利用を制限できると伝えている。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は1日、ティックトックの米国事業を米マイクロソフトへ売却する交渉が中断していると報じた。トランプ氏がより厳しい「利用禁止」に言及したためで、近く正式発表される具体策に注目が集まっている。


*4~6月期ユーロ圏実質GDP(域内総生産)速報値は、季節調整済みで前期比12.1%減だった。下げ幅は1995年の現統計開始後で最大だった1~3月期(3.6%減)からさらに拡大した。新型コロナウイルス感染抑制のため各国が3月に導入した制限措置に伴う経済活動の低迷が鮮明となった。EU27カ国全体では11.9%減(前期は3.2%減)。いずれも2四半期連続のマイナス成長。制限措置は5月以降、段階的に緩和が進んだが、大幅な景気悪化は免れなかった。7~9月期のユーロ圏経済は持ち直しが見込まれる。ただ、足元では一時落ち着いていたコロナの新規感染者数が再び増加傾向に転じつつある。制限措置の一部再導入の動きも出ており、今後の回復ペースには不透明感もある。欧州各国が独自に打ち出している経済対策に加え、EU全体では7500億ユーロ(約93兆円)規模の経済再建策にも合意したが、執行は来年初めからになる予定。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、新型コロナウイルス流行後に導入した大規模な金融緩和策について、少なくとも2021年6月まで維持する必要があると説明した。世界経済の先行きの不透明感が払拭されない中、異例の緩和策を長期間継続する姿勢を改めて示した。ECBはコロナ危機対応で3月に新設した7500億ユーロの資産購入枠を、6月に1兆3500億ユーロに増額。実施期間を少なくとも21年6月までと延長し、購入した債券の満期償還資金を22年末まで再投資すると決めた。ラガルド総裁は「ユーロ圏経済を安定させ、金融市場の断片化を回避する狙いがある」と強調した。
31日の外国為替市場で南アフリカ・ランドは下落し、3週間ぶりの安値を更新した。米経済の大幅縮小を受け、世界経済の回復に対する市場の期待が後退し、7月8日以来の低水準に下落した。新型コロナウイルス感染は世界的に再拡大しており、ランドの重しになっている。南アでは新型コロナの感染者が48万2000人を超えている。経済の基礎的な弱さへの懸念から、投資家は米国債と金に逃避しており、新興国市場から投資資金が流出している。
 
*週末31日のNY金は、世界的な景気回復の遅れなどを懸念して買われ、反発した。1985.90ドル(+19.10)。6営業日連続で史上最高値を塗り替えた。週間では4.66%高、月間では10.30%高。月間ベースで2016年2月以来の上げ幅になる。一方、ドルは月間ベースで、約10年ぶりの下げ幅になる。30日夜の外国為替市場で、ドルがユーロに対して軟化したため、ドル建て金に割安感が生じ、金相場はプラス圏に切り返した。31日未明には心理的な節目の2000ドルを突破して一時2005.40ドルの高値を付けた。その後も、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気不透明感の強まりを背景に、金は最高値圏で推移した。31日に発表された4~6月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)速報値は前期比12.1%減と、米国に続いて過去最大の下げを記録。景気回復が想定よりも遅れるとの懸念が広がる中、金は「質への逃避先」として選好されやすく、上昇基調が続いている。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは自社の見解として、政策金利が既にゼロかそれを下回り推移する中、金塊価格を支えるには物価上昇の高まりが必要となると指摘。その上で、今後18カ月で1オンス当たり3000ドルを付けるとの予測を示した。

31日時点の金ETFは、1241.96トン(変わらず)。

NY白金は反発。918.90ドル(-6.30)。
パラジウムも高い。2145.30ドル(+10.40)。

*週末31日のNY原油は、国内生産の減少や為替要因などを受けて反発した。40.27ドル(+0.35)。月間ベースでもプラス圏で引けた。NYダウの下落を眺めてリスク回避の動きから原油が売られ、一時マイナス圏に沈んだが、この春の価格急落を受けた米産油量の減少が示されたことを手掛かりに安値圏では買い戻しが入った。米エネルギー情報局(EIA)が31日発表した月報では、5月の米原油生産は日量200万バレル減少し、同1000万バレルとなった。このところのドル安基調の中も、ドル建てで取引される原油の下支え要因。月間ベースでもプラス圏で引ける方向となった。5月の米国の減産量が過去最大だったとの報が市場で好感された。

米エネルギー情報局(EIA)の月間リポートによれば、米国の原油生産は5月に急減。記録的な日量200万バレル減となり、同1000万バレルだった。2020年4~6月期の米国内総生産(GDP)が年率換算で前期比32.9%減となったことが嫌気され、ドル安基調が強まっている。投資家はドル安になれば、ドル建てコモディティー(商品先物)を安全資産として捉えて購入するのが通常だ。また、歴史的に原油はインフレの回避手段としてみなされるため、世界中の主要中銀による緩和的な金融政策も原油相場を下支えしている。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが7月31日公表した統計によると、同日までの1週間の国内石油の掘削リグ稼働数は、前週比1基減の180基だった。石油相場上昇を受けてエネルギー企業はリグの削減ペースを緩めるとの見通し。

米エネルギー情報局(EIA)は31日付の月報で、5月の国内石油生産は日量200万バレル減の同1000万バレルだったと明らかにした。月間の減産幅としては、2005年以来で過去最大。供給過剰で、今春の原油価格が急落したことや、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要減少が背景にある。

石油輸出国機構(OPEC)の7月の石油生産は、前月比で日量97万バレル増の2332万バレルとなった。7月の増加幅は、4月以来で最大。サウジアラビアなどの湾岸諸国が自主的に追加減産をやめたことや、一部加盟国の減産がうまく進まなかったことが背景。6月の石油生産は、1991年以来の低水準だった。OPECとロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、5月1日から日量970万バレル(世界全体の産油量の10%)減産することで合意した。7月のOPEC減産幅は日量574万3000バレルで、減産順守率は94%。6月の順守率は111%(改定値)だった。 7月の産油量が最も多く増加したのはサウジアラビアで、前月比で日量85万バレル増の840万バレル。このほか、アラブ首長国連邦(UAE)やクウェートも目標水準近くまで産油量を引き上げた。イラクとナイジェリアは7月に追加減産せず、イランとリビアの産油量は横ばい。

*週末31日のシカゴ・トウモロコシは小幅続伸。327.00セント(+0.25)。月間ベースでは約7%安(31日)。米中西部で天候が改善したことを受け、収穫量が増えるとの観測が強まった。気象情報会社マクサーはリポートで、米中西部の一部で来週初めまで降雨が予想されており、湿度や作物の生育環境がさらに改善するとの見方を示した。

シカゴ大豆は続伸。892.50セント(+4.25)。大豆油相場の大幅上昇に追随した。米国でのバイオ燃料需要が背景。月間では2カ月連続での上昇になった。米エネルギー情報局(EIA)が、バイオ燃料に使われた大豆油は5月、7億7800万ポンドに増加したと公表したことが大豆油相場を支援した。前月は6億7200万ポンドだった。

*末31日のNYダウは、アップルなどハイテク大手が上昇を主導し反発した。2万6428.32ドル(+114.67)。前日夕に発表された「GAFA」と呼ばれるハイテク大手4社の決算は、グーグル親会社アルファベットを除く3社が増収増益。時価総額が大きいこれらの銘柄が、相場をけん引した。一方、エネルギー株の下落は重石となった。シェブロンは純損益が赤字に転落し、調整後1株当たり損益が市場予想を下回った。新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策をめぐり、米政権や議会与野党の協議が難航していることも、株価の上値を抑えた。数千万人が受け取っているとされる失業給付の上乗せ分がこの日期限切れを迎えるため、消費の冷え込みが懸念されている。

【3日】
 豪、トルコ、カナダ 休場 
08:50   (日) 1-3月期 四半期実質GDP改定値 [年率換算]  -2.2%  -2.8%  
10:45   (中) 7月 Caixin製造PMI  51.2  51.2  
16:55   (独) 7月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)  50.0   
17:00   (欧) 7月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)  51.1   
17:30   (英) 7月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)  53.6  
22:45   (米) 7月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)  51.3   
23:00   (米) 6月 建設支出 [前月比]  -2.1%  1.0%  
23:00   (米) 7月 ISM製造業景況指数  52.6  53.6  


*マーケットスクランブル出演
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*ストックボイス「FXフォーカス」出演
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