【ドル円、今週の予想(8月3日)】
*戻り売り継続か。予想レンジ:104.50~107.50円。
*今週のドル円は戻り売りとなりそうだ。米景気の先行き不安などを背景にドル安基調が継続しよう。米連邦準備制度理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.00-0.25%で据え置くことを決定。事実上のゼロ金利政策と米国債などを月額1200億ドル(約12兆6000億円)程度買い入れる量的緩和の維持も全会一致で決めた。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う景気回復の失速を警戒し、「経済を支えるためあらゆる手段を使う」と、9月の追加策決定に含みを残した。FRBは景気回復の長期化を想定し、ゼロ金利が少なくとも2022年末まで続くとみている。利下げ余地がない環境で、金融緩和の効果を強める追加策を検討している。景気動向をにらみ、早ければ次回の9月会合で追加策を決める可能性がある。また、利上げについてパウエルFRB議長は、「考えることすら考えていない」とした。2020年4~6月期米実質GDP(国内総生産、季節調整済み)速報値は、年率換算で前期比32.9%減となった。下げ幅は四半期で統計を取り始めた1947年以降最大。大恐慌時に最も縮小した32年の12.9%(年間ベース)を超える歴史的な落ち込みとなり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急激な景気悪化を裏付けた。マイナス成長は2期連続。議会予算局(CBO)は、7~9月期は大きく落ち込んだ4~6月期の反動から前期比17.0%増と急速な回復を予測している。しかし、南部や西部の各州で感染者が急増した6月中旬以降、消費などの回復ペースが衰えており、トランプ政権が3月に決定した失業給付の上乗せ措置の期限が7月末で切れたため、景気が再び失速する恐れがある。格付け会社フィッチ・レーティングスは31日、米国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。格付けは「AAA」を維持した。格付け見通しの引き下げについて、公的財政の悪化などを指摘。「新型コロナウイルス感染拡大による衝撃の収束後、公的債務の安定化に向け十分な財政緊縮が実施されないリスクが増大している」とした。米景気の後退懸念に加え、米中の対立激化や新型コロナウイルスの感染拡大がリスクオフ要因。米中の対立は香港問題に始まり、双方の総領事館閉鎖に加え、米国がTikTokを禁止した。中国側も何らかの報復措置に出る可能性があり、予断を許さない状態が続きそうだ。リスクオン要因としてはワクチンや治療薬開発が考えられるが可能性は小さいだろう。今週は月初で重要な経済指標が多い。3日の中国財新7月の製造業購買担当者景況指数(PMI)、7月米ISM製造業景況指数、5日の7月米ISM非製造業景況指数、ADP7月全米雇用報告、7日の7月米雇用統計など。雇用統計は、失業率10.3%、非農業部門雇用者数が前月比+226万人と予想されている。

<強材料>
1.6月米耐久財受注額(季節調整後、半導体を除く)は前月比7.3%増加し、2カ月連続でプラスとなった。市場予想の7.2%増を上回った。

2.6月米中古住宅販売仮契約指数は、前月比16.6%上昇となった。市場予想は15%上昇だった。

3.6月米個人消費支出(PCE)は前月比5.6%増と2カ月連続で伸びた。新型コロナウイルス感染防止策の緩和に伴う経済活動の再開が押し上げた。

4.7月シカゴ景況指数(シカゴPMI、季節調整済み)は51.9と、前月の36.6から上昇した。市場予想43.9を上回り、2019年5月以来1年2カ月ぶりの高水準となった。好不況の分岐点とされる50を上回ったのは19年8月以来。


<弱材料>
1.7月米消費者景気信頼感指数(1985年=100)は92.6と、前月の98.3(改定値)から低下した。市場予想の94.5も下回った。

2.新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、25日までの1週間で143万4000件と、前週を1万2000件上回った。

3.6月中旬からの感染再拡大が7月以降の消費を下押しする可能性がある。6月個人所得は1.1%減と2カ月連続のマイナス。

4.米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目するPCE物価指数は、前年同月比0.8%上昇。食料品とエネルギーを除いたコア指数も0.9%上昇と、いずれもFRBが目標としている2%を大幅に下回った。景気悪化で物価上昇圧力は弱い。

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