【トルコリラ円今週の予想(8月3日)】
*じり安の展開か。予想レンジ:14.00円~16.00円。
*トルコ中央銀行は23日、主要政策金利の1週間物レポ金利を8.25%に据え置くことを決めた。据え置きは市場の予想通り。声明で中銀は、今年後半には需要主導のディスインフレ効果が広がるものの、年末にかけてインフレ高進リスクが考えられると指摘した。トルコ中銀のインフレ目標レンジは3~7%。政策金利を据え置いたのはエルドアン大統領の意向を反映してのことだろう。同大統領はかねてより金利引き下げを主張しているが、インフレ上昇のもと政策金利を据え置いたのは苦肉の策ともいえる。新型コロナの影響でトルコ経済は苦境にある。国際通貨基金(IMF)は2020年の実質国内総生産(GDP)成長率をマイナス5.0%と予測した。こうした背景からリラ売りが強まっているが、トルコ中銀はリラ買い介入を行いリラ安を阻止している。エルドアン政権はリラ防衛に注力している。トルコリラ買い支えの原資は中銀の外貨準備だが、金を除く純外貨準備は7月10日時点で496億ドル(約5兆3千億円)と2019年末から4割減った。リラ防衛に使った外貨は19年以降で約1千億ドルで同国の国内総生産(GDP)のほぼ8分の1に相当する。トルコ中銀はじきに通貨を支えきれなくなるとの見方は多い。投機筋はリラ安を虎視眈々と狙っている可能性があり、8月相場の急落が注意が必要だろう。コロナウィルスの感染拡大による景気低迷でエルドアン大統領の支持率は低下しているが、支持率回復のために対外的に無謀な行動に出ることも懸念されている。トルコがキプロス沖のガス田を掘削していたが、フランスのマクロン大統領等が欧州連合(EU)にトルコへの制裁を呼び掛けたが、経済制裁を回避するため、東地中海沖の海洋掘削を一旦停止するとした。リビアではエジプトとの対立が深化している。トルコはリビア国民軍と対立する国民合意内閣(GNA)を支援し軍を支援しているが、エジプトもシリアに軍を派遣し、トルコに圧力をかけている。地政学的な対立要因もトルコリラの重石になろう。


<強材料>
1.トルコ中銀がリラ防衛で買い支え。
2.観光業を再開し国外からの観光客の受け入れが可能になった。

<弱材料>
1.新型コロナウィルス感染拡大による景気悪化。
2.リビアを巡る地政学リスク。リビア内戦を巡り、隣国エジプトの国会は20日、非公開会合を開き、エジプト軍によるリビアへの部隊派遣を承認した。リビアでは、エジプトやロシアが支える有力軍事組織リビア国民軍(LNA)が、トルコが支援するシラージュ暫定政権と戦闘、暫定政権側が巻き返している。LNAの勢力下にある中部シルトでの攻防が焦点で、シシ氏はシルトなどを「レッドライン(越えてはならない一線)」と見なすとしている。
3.米国との関係が悪化。トルコがロシア製地対空ミサイルS-400を購入したことを受けて、制裁導入を可能にする法案が米議会で提出された。
4.米連邦準備理事会(FRB)は外貨不足に直面した海外の中銀に対し、米ドルを供給するスワップ協定の対象国を3月に拡充したが、トルコは含まれなかった。トルコはいざという時に米ドルに頼れない。

【トルコ経済指標】
4日火曜日
16:00トルコ7月製造業PMI前回53.9
16:00トルコ7月消費者物価指数前年比前回+12.62%、予想+12.10%
16:00トルコ7月生産者物価指数前年比前回+6.17%



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