【メキシコペソ円今週の予想(8月3日)】
*上値重くもち合い継続か。予想レンジ:4.50円~4.90円。
*メキシコの2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、第1四半期に比べ17.3%減となった。1994年以降で最も悪い水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大で主要輸出先の米国への輸出が落ち込んだ。マイナス成長は5四半期連続。前年同期比では18.9%減だった。7~9月期は、4~6月期比で4~5%程度のプラス成長になるとの見方が多い。主力の鉱工業の落ち込みが目立った。今年4~6月の自動車輸出台数は前年同期比で74%減となった。5月下旬から生産体制は徐々に戻っているものの、国内外の販売は不透明。インフラ投資も減っている。CFE(電力公社)は今月半ば、発電所4カ所の建設を取りやめた。本来は今後3年間で235億ペソ(1100億円)を投資する計画だった。ロペスオブラドール大統領は30日、経済動向について「7月からは良くなる兆候はある。最悪期は終わった」と指摘したものの市場は懐疑的に見ている。新型コロナの感染者と死者は増加傾向にあり、経済復興には重石になっている。国際通貨基金(IMF)は20年通年の実質経済成長率を10.5%減と予測している。19年(0.3%減)に続き2年連続のマイナス成長となる。この予測通りであれば世界大恐慌時の1932年(マイナス14.8%)以来の悪い水準となる。メキシコ銀行(中央銀行)のエスキベル副総裁は、新型コロナの感染拡大前の水準には「2022年より前には戻らない」との見方を示した。今週は、7日に発表されるメキシコ消費者物価指数が注目される。利下げの可能性が高まっており、結果が予想より低ければ利下げの可能性が更に高まるだろう。メキシコのメガバンク、シティバナメックスが、今月13日のメキシコ中銀政策金利で0.5%の利下げを予想した。

<強材料>
1.原油価格が堅調。

2.ペスオブラドール大統領は29日、経営難に陥っている国営石油会社ペメックスや電力公社の経営を強化するため、憲法改正を発議する可能性を示唆した。

<弱材料>
1.メキシコの今年上半期の輸出は1830億5330万ドル、輸入は1803億9420万ドルで、ともに前年同期比19.5%減となった。貿易収支は17.8%減の26億5910万ドルの黒字。

2.13日の中銀会合では利下げが予想されている。

3.格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、メキシコのソブリン格付けについて、国営石油会社ペメックスや国営電力公社(CFE)の債務が増加し続ければ、投資適格級を維持できない恐れがあると発表した。ペメックスの金融負債は3月時点で1050億ドル。S&Pは3月、メキシコの格付けを「BBBプラス」から「BBB」に引き下げ、見通しは「ネガティブ」とした。


【メキシコ経済指標】
3日月曜日
23:30メキシコ4月製造業PMI前回38.60、予想38.3

7日金曜日
20:00メキシコ消費者物価指数前年比前回3.33%、予想3.6%

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