【メキシコペソ円今週の予想(9月7日)】
*予想レンジ:4.60円~5.30円。
*メキシコペソ円は底堅く推移しそうだ。新型コロナウィルスの感染拡大により中南米経済が記録的に落ち込んでいる。主要国の4~6月期の実質経済成長率は前年同期比で軒並み2ケタのマイナスとなった。経済規模で域内2位のメキシコは18.7%減だった。1981年以降で最悪となった。

主力の自動車など鉱工業が低迷した。ロペスオブラドール政権は新型コロナの経済対策に消極的で、国際通貨基金(IMF)は財政措置が「20カ国・地域(G20)で最も少ない」と分析している。

このような状況にもかかわらずメキシコペソが堅調に推移してきたのは、主に米国へ労働移民となった人たちの送金が背景にある。

メキシコ銀行(中央銀行)は、外国からメキシコへの7月の送金額が35億3185万ドル(約3700億円)だったと発表した。前年同月比で7%増えた。前年同月を上回るのは3カ月連続。過去最高だった3月(40億ドル)、6月に次ぐ過去3番目の水準だった。

新型コロナウイルスの感染拡大により、主要な就労先である米国の雇用情勢は悪化したが、米国での失業給付の上乗せやメキシコの親族の厳しい生活環境を背景に、送金額が増えているようだ。

1~7月の累計では228億2151万ドルと、前年同期を10%上回った。ロペスオブラドール大統領は同日、米国で働くメキシコ人に感謝を示して、「20年通年の送金額は400億ドルに到達する」との見通しを示した。

メキシコ銀行(中央銀行)のディアスデレオン総裁は、9月24日予定の次回の金融政策決定会合で11会合連続の利下げに踏み切る可能性を示唆した。メキシコ中銀は、2020年の実質成長率が最悪でマイナス12.8%に落ち込むとの見通しを示した。現実になれば、世界恐慌の影響を受けた1932年のマイナス14.8%に迫る大幅な景気悪化となる。

9月の次回会合が「難しい会合になる」とし、「インフレ率など多くの要素を検討して金融政策にどの程度の余地があるかをみてから決断する」と述べ、利下げを否定しなかった。中銀は2020年の実質成長率を5月時点でマイナス4.6~マイナス8.8%と予想していたが、新型コロナによる需要減が想定以上に広がり、大幅に下方修正した。

【メキシコ経済指標】
7日月曜日
20:00メキシコ6月設備投資前年比前回-39.70%、予想-39.50% 

9日水曜日
20:00メキシコ8月消費者物価指数前年比前回3.62%、予想3.61%

11日金曜日
20:00メキシコ鉱工業生産前年比前回-16.7%、予想-17.8% 

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