【10日、欧州中央銀行(ECB)理事会、ユーロの動向に注意】

ドルの先安観がユーロ高をサポートしているが、欧州中央銀行(ECB)当局者からはユーロ高を牽制する発言も出ており、1.2ドルに達したことで短期的な達成感が出ている。

10日の欧州中央銀行(ECB)理事会で、インフレ予測を引き下げた場合、金融緩和が連想され、ユーロ売り・ドル買いとなるだろう。

8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年同月比-0.2%となり、4年ぶりのマイナスとなった。

レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事は、「ECBはインフレ目標達成の遅延をこれ以上は容認できないため、必要に応じて全ての政策措置を調整する用意がある」と述べている。

さらに3日発表の8月総合購買担当者指数(PMI)改定値が51.9と、7月の54.9から低下。製造業の生産は大きく改善したものの、サービス業がわずかな成長にとどまり、7月のユーロ圏小売売上高も予想外の減少だったことから、10日のECB理事会で追加緩和策が発表される可能性がある。

レーンECB専務理事はユーロドルが1.20ドル台に乗せたことに対しても、「ユーロドルのレートは問題」とユーロ高を牽制した。

「ECB、ユーロ高が物価を押し下げると懸念」とも報道されており市場にはユーロ高を警戒する見方が強まっている。

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英国とEUが8日から開始した自由貿易協定(FTA)締結交渉が難航していることもユーロ安要因。英国が欧州連合(EU)との通商交渉の期限を10月15日に設定したほか、ジョンソン英首相は交渉が停滞すればEUとの自由貿易協定(FTA)の合意を断念すると表明したことで、ポンド安ユーロ高が進行したが、欧米株安を背景にドル高が進み、ユーロは対ドル、対円でそれぞれ下落した。

英政府はEUと結んだ離脱協定の主要部分を無効にする新たな法案を9日に公表すると報じられていることもユーロの重石。

CFTC建玉ではファンドのユーロ買い越しが8月25日時点で過去最高の21万枚に達し、9月1日時点には19万6700枚まで減少したものの、依然として高水準にある。ユーロ売り要因がクローズアップされると高値買い玉の整理が一気に進む可能性がある。

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