【南アランド円、今週の予想(9月14日)】
*予想レンジ:6.20円~6.70円
*南アランド円は、もち合いで推移しそうだ。                   
南アフリカ統計局が8日発表した第2四半期(4-6月)国内総生産(GDP)は、季節調整済みの年率換算で前期比51.0%減と、市場予想の47.3%減を下回った。マイナス成長は4四半期連続。

新型コロナウイルス感染抑制で厳しいロックダウン(都市封鎖)を実施したことが影響した。前年比では17.1%減だった。第1四半期のGDPは前期比1.8%減、前年比0.1%増に上方修正された。速報値はそれぞれ2.0%減、0.1%減だった。南アフリカで4四半期連続のマイナス成長は史上初めて。インフレ調整後の経済規模はおおむね2007年第1四半期と同程度になった。

新型コロナの感染拡大に加え、国営電力会社エスコムによる計画停電が景気回復を阻害する恐れがあり、経済がコロナ前の水準に回復するまでかなりの時間がかかると見られている。南アフリカ政府は、今年の経済成長が最低でも7%は落ち込むと予想している。ロックダウンの影響が大きく響き、GDPの要である製造業が75%、建設業が77%減少し、個人消費も50%に落ち込んだことが響いている。

南ア準備銀行(南ア中銀)は7月、20年通期の成長率がマイナス7.3%になるとの見通しを示した。国連開発計画(UNDP)は8月、南ア経済が19年以前の水準に戻るのは「少なくとも5年以上かかる」との報告を公表した。4万~8万人が正規の職を失い、人口の約2割を占める中産階級の34%が貧困に転じる可能性が高いと指摘した。

電力や航空といった国営企業への政府支援により財政は大幅に悪化している。総額5000億ランドの新型コロナ対策も加わり、財務省は5年前に50%だったGDP比の公的債務が、20年には80%に達する可能性があると見込んでいる。

第3四半期(7-9月)にか改善が見込まれているものの、足元のGDP悪化を受けて、今週17日の南アフリカ中銀会合で、利上げは難しくなったようだ。現時点では据え置き予想が優勢。16日には7月小売売上高が発表される。


【南アフリカ経済指標】
16日水曜日
20:00南ア7月小売売上高前年比前回-7.5%、予想-5.0%

17日木曜日
時間未定:南ア中銀政策金利前回3.50%、予想3.25%~3.5%

zar0914

情報提供:㈱ミンカブジインフォノイド
*チャートの著作権は、㈱ミンカブジインフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、㈱ミンカブジインフォノイドは一切の責任を負いません。