【ハリケーン「サリー」は一過性、原油相場の上値は限定的か】
16日のNY原油は、米国の大幅な在庫減少とハリケーンに伴う供給混乱見通しを受けて今月4日以来の40ドル台に上昇した。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計によると、11日時点の米国内の原油在庫は前週比440万バレル減少と市場予想の130万バレル増に反して大幅な取り崩しとなっていた。ガソリン在庫は40万バレル減で、減少幅は市場予想の2倍を超えていた。

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また、南部のアラバマ州にハリケーン「サリー」が早朝に上陸したが、周辺地域では洪水や高潮が発生しており、石油供給網が混乱するとの警戒感が広がっているという。

メキシコ湾では「サリー」の影響で、おおよそ日量50万バレルの原油生産が停止したとのことで、これは8月のハリケーン「ローラ」接近時の約3分の1に相当する。

経済協力開発機構(OECD)が2020年の世界経済成長率見通しについて、6月時点のマイナス6.0%からマイナス4.5%に上方修正したこともエネルギー需要の回復につながるとの見方から支援要因となった。

こうした強材料がそろって大台を回復したが、今後の上値は限定的と見る。

8月末の大型ハリケーン「ローラ」の時もそうだったが、ハリケーン要因は一過性で終わることが多い。これは2005年8月に襲来した超大型ハリケーン「カトリーナ」での経験が生かされているため、被害を最小化にするノウハウが蓄積されている。

そのため、ハリケーンによるリスクプレミアムはいずれ剥落するだろう。

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」は、17日に共同閣僚監視委員会(JMMC)を開き、協調減産の状況を点検する。原油相場は低迷しているが、追加減産を発表する可能性は低いとのことで供給面での大きな変化はなさそうだ。

新型コロナの影響でエネルギー需要の盛り上がりが期待できないうえ、季節的にも9月から10月上旬頃までは、ガソリン需要が減少し、暖房油需要も増えない時期にある。

CFTC建玉を見ると、ファンドの買い越しは減少しており、相場を押し上げる力はさほど期待できないだろう。

原油相場は、ここから上昇しても上値はせいぜい45~46ドル程度だろう。

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