【9月17日海外市況】
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*17日のNY外国為替市場は、さえない米経済指標や米株安を手掛かりにリスク回避の円買い・ドル売りが進み、ドル円は104円台後半に下落した。104円68~78銭。一時7月下旬以来、約1カ月半ぶりの円高水準となる104円50銭付近まで下落した。その後は株安を眺めて、104円台後半で小動きとなった。最新週の新規失業保険申請が86万件と前週から減少。市場予想の85万件とほぼ同水準だった。8月米住宅着工件数やフィラデルフィア連銀発表の9月米製造業景況指数は、前月を下回った。また、前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言から、米景気の先行き不透明感や財政政策の必要性が意識されたことも、ドル売り要因となった。

日銀は16、17日の金融政策決定会合で、長短金利操作を柱とする大規模な金融緩和策の維持を賛成多数で決めた。会合後に発表した声明で、景気判断について「引き続き厳しい状態にあるが、経済活動が徐々に再開する下で持ち直しつつある」と指摘し、改善方向に修正した。

*17日のNY金は、ドルの上昇に伴う割高感などに圧迫され、4営業日ぶりに反落した。1949.90ドル(-20.60)。
前日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明と最新の経済・金利見通しを受け、金相場はいったん上昇。しかし、その後は売りが優勢となった。米連邦準備制度理事会(FRB)によるゼロ金利と量的緩和の据え置き決定は大方の予想通り。ただ、この発表について、FRBは、物価上昇率が2%を超えて推移するまで、当面は利上げせず、事実上のゼロ金利政策を続ける方針を示したものの、フォワードガイダンスの一段の強化や、国債買い入れ計画を変更する緊急性がないことを示唆する内容との受け止め方も広がり、外国為替市場ではドル買いが先行し、ドル建て金を圧迫した。また、17日には日銀と英イングランド銀行(中央銀行)がそれぞれ金融緩和策の維持を決定。世界的な低金利環境が長期的には金塊相場を支えるとみられることから、売り一巡後は1950ドル近辺で下げ渋る展開だった。

金ETFは1246.99トン(-0.58)。

NY白金は続落。930.90ドル(-42.60)。
パラジウムは3日ぶり反落。2335.30ドル(-82.30)。


*17日のNY原油は、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が減産順守の姿勢を改めて強調したことなどを受けて3日続伸した。41.22ドル(+0.81)。OPECプラスが17日に開催した共同閣僚監視委員会(JMMC)は、イラクやナイジェリア、アラブ首長国連邦(UAE)などに対し、5~7月の過剰生産を相殺するための減産強化を要求。また、原油相場が一段と下落すれば10月に臨時会合を行う構えも示した。こうした動きを受けて、需給の緩みに対する警戒感が後退し、原油が買われた。米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した週間在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して取り崩しとなったことも引き続き相場の支援材料となった。前日に約2週間ぶり高値を付けたことで追随買いも入ったようだ。


*17日のシカゴトウモロコシは続伸。375.25セント(+3.50)。一時377.25セントまで上昇し、今年3月13日以来の高値を付けた。好調な輸出データや、大豆相場高が支援要因。米農務省によると、同国産トウモロコシ12万トンが仕向け地不明で2020年~21年度納入分として売却された。

シカゴ大豆は続伸。1028.50セント(+17.25)。一時は1032.25セントまで上昇し、2018年5月以来の高値を付けた。世界最大の大豆輸入国である中国が米国産の購入を拡大したことが要因。米農務省によると、同国産大豆の中国への売却が直近10営業日連続であった。17日には26万4000トンの売却に加え、仕向け地不明で36万0500トンが売却された。


*17日のNYダウは、低調な米雇用関連統計などが嫌気されて反落した。2万7901.98ドル(-130.40)最新週の新規失業保険申請件数は86万件と、市場予想の85万件を上回った。前週から減少したものの、申請件数は高止まりしており、雇用をめぐる懸念を高める内容となった。8月米住宅着工件数は年率換算で前月比5.1%減と、4カ月ぶりにマイナスだったほか、フィラデルフィア連銀が発表した9月の製造業景況指数は15.0と、前月(17.2)から低下した。低調な経済指標も景気をめぐる警戒感を強める要因となった。

【18日】
17:00   (欧) 7月 経常収支(季調済)  207億ユーロ    
17:00   (欧) 7月 経常収支(季調前)  173億ユーロ    
21:30   (米) 4-6月期 四半期経常収支  -1042億ドル  -1627億ドル  4
23:00   (米) 8月 景気先行指標総合指数 [前月比]  1.4%  1.3%  
23:00   (米) 9月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値  74.1  74.5 


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