【南アランド円、今週の予想(10月26日)】
*予想レンジ:6.20円~6.60円
*南アランド円は堅調に推移しそうだ。南アフリカ経済は、新型コロナウイルスが世界的に流行する中、大きく縮小した。4~6月期実質GDP(国内総生産)は季節調整済みの年率換算で前期比マイナス51.0%と大幅減となった。昨年7~9月期から4四半期連続で前期比マイナスとなった。南アフリカ中央銀行は9月、今年通年の成長率見通しを従来予想のマイナス7.3%からマイナス8.2%に下方修正。ただ、来年については3.7%から3.9%に引き上げた。

ラマポーザ大統領は今月15日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の復興計画を公表した。学校現場での補助的業務や国・自治体の公共工事などで80万人分の雇用を創出するというもの。南アフリカでは4~6月だけで200万人以上が仕事を失った。ラマポーザ氏は、10月までとしていた失業者に対する月350ランド(約2200円)の給付金を3カ月延長することも明らかにしたが、厳しい財政状況のため、恒久化や増額は難しいとの認識を示した。

南アフリカ中央銀行は2020年の実質国内総生産(GDP)成長率がマイナス8%を下回る可能性があるとみている。ラマポーザ大統領はエネルギー、通信、港などのインフラ建設を加速し、今後4年間で1兆ランドの民間投資を集める考えも示した。

ただ、南アフリカの財政は急速に悪化しており、民間資本が主だとしても財源を疑問視する声は多い。5年前に50%だった公的債務の対GDP比は20年に8割を超えるともみられている。一方、ラマポーザ大統領は政府による景気浮揚策を通じ、今後10年間に平均して年3%の成長が可能になるとの見通しも述べた。

南アフリカ最大の貿易相手国である中国は、新型コロナウイルス感染を抑え込んでいち早く経済活動を再開させた。そのため、中国の第3四半期(7~9月期)GDPは5.2%が予想されているが、これは南アランドをサポートしよう。


今週は28日に予定されている中間予算(ミニバジェット)の発表がもっとも注目される。ムボウェニ南ア財務相が発表するミニバジェットは、ラマポーザ南ア大統領が先週打ち上げた経済復興計画案をどのように配分するか注目される。経済指標としては28日に9月消費者物価指数(CPI)、29日に9月生産者物価指数(PPI)、30日には9月貿易収支が発表される。



【南アフリカ経済指標】
28日水曜日
時間未定:南アフリカ中間予算
17:00南アフリカ9月消費者物価指数前年比前回+3.1%、予想+3.0%

29日木曜日
15:00南アフリカ9月マネーサプライM3前年比前回+10.86%
15:00南アフリカ9月民間部門信用前年比前回+3.87%、予想+3.90%
18:30南アフリカ9月生産者物価指数前年比前回+2.4%、予想+2.6%

30日金曜日
21:00南アフリカ9月貿易収支前回+389億ZAR
21:00南アフリカ9月財政収支前回-637億ZAR

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