【南アランド円、今週の予想(11月24日)】
*予想レンジ:6.50円~7.00円
*南アランド円は堅調に推移しそうだ。新型コロナウィルスのワクチン開発の報と米国でバイデン政権への移行がスムーズに進展するとの見方が好材料になっている。

*南アフリカ準備銀行(中央銀行)は19日の政策決定会合で、主要政策金利であるレポレートを3.50%に据え置いた。ハニャホ総裁は、物価上昇が引き続き緩やかで、新型コロナウイルス禍の先行きは不透明だという見解を示した。南ア中銀は新型コロナ流行を受けた景気後退(リセッション)に対応するため、今年これまでに300ベーシスポイント(bp)の利下げを実施したが、据え置きは2会合連続となった。

ムボウェニ財務相は先月の予算演説で、財政赤字と債務総額がさらに拡大すると表明。経済成長は弱さが続くとの見通しを示した。保守的な姿勢を取る南ア中銀は、さらなる金利引き下げや赤字を埋めるための通貨発行には抵抗した。この日は、金利決定は経済指標に依存し、「見通しに対するリスクバランスに注視する」と繰り返し主張した。

ハニャホ総裁は「経済・金融情勢は当面不安定な状態が続くと予想される」とし、新型コロナ感染は波があると予想。経済がいつ成長に戻るかを判断するのは難しいと述べた。経済成長とインフレの見通しは依然低調だが、来年の利上げを示唆した。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングスは20日、ジャンク級(投機的水準)にあった南アフリカ共和国の発行体格付けをさらに引き下げた。 ムーディーズは南アの外貨建ておよび自国通貨建て格付けを「Ba1」から「Ba2」に引き下げ、格付け見通しを「ネガティブ」に据え置いた。フィッチは同格付けを「BB」から「BB-」に引き下げて格付け見通しを「ネガティブ」とした。

ムーディーズは「南アの財政状況が中期的に一段と悪化すると見込まれることがBa2への格下げの主な理由」と説明した。一方でフィッチは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴い、「南アの経済成長は深刻な打撃を受け、国内総生産(GDP)は2022年になっても19年の水準を下回ったままと予想される」とコメントした。

25日に10月消費者物価指数(CPI)、25日に10-12月期BER企業信頼感、26日に10月生産者物価指数(PPI)が発表される。南ア準備銀行(SARB)は先週の中銀理事会で、「金融政策は引き続き緩和的だが、今後の決定はデータ次第」として利上げを示唆する声明を発表していたこともあり注目される。


【南アフリカ経済指標】
24日火曜日
16:00南ア9月景気先行指数前回103.5

25日水曜日
17:00南ア10月消費者物価指数前年比前回+3.0%、予想+3.0%

26日木曜日
18:30南ア10月生産者物価指数前年比前回+2.5%、予想+2.5%

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