【1月11日海外市況】
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*週明け11日のNY外国為替市場のドル円相場は、米長期金利の上昇を背景に円売り・ドル買いが優勢となり、104円台前半に上昇した。104円19~29銭。米債券市場では、10年物債利回りが1%を上回り、昨年3月以来の高水準で推移。これを受けて、ドルは対主要通貨で全面高となった。円売り・ドル買いも活発になり、円は一時104円40銭まで買われた。米民主党が上下両院を制し、バイデン次期政権が公約する大型財政出動実現への期待が一段と高まり、債券売りが活発化している。ただ、この日は東京市場が祝日休場だったため、米欧市場でも積極的な商いは手控えられたもよう。

先週末8日に発表された2020年12月の雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比14万人減少。秋以降の新型コロナウイルス感染再拡大が響き、4月以来8カ月ぶりにマイナスに転じた。

*週明け11日のNY金は、前週末に約1カ月ぶりの安値となった後を受けて、小反発した。1850.80ドル(+15.40)。前週末8日に、1835.40ドルと、昨年12月14日以来の安値を付けた。ドル高・ユーロ安に伴う割高感がドル建て金の売りを強めた。次期米政権による大型財政出動への期待から米長期金利が上昇し、金利を生まない資産である金を圧迫した。週明けは下げ一服となり、持ち高調整の買いが入ったが、上げ幅は限定的。金利上昇基調の継続が上値を抑え、取引レンジは狭かった。金は最近まで、大型財政出動の影響によるインフレやドル下落に対するヘッジ手段として買われていたが、長期金利が上昇する中で金利を生まない金を保有するのは機会損失になるとの見方が強まってきているという。

金ETFは、1181.71トン(-0.40)。

NY白金は続落。1044.60ドル(-26.70)。
パラジウムは4日ぶり反発。2378.80ドル(+13.80)。


*週明け11日のNY原油場は、往って来いでほぼ横這い。52.25ドル(+0.01)。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、新型コロナの世界感染者数がこの週末に累計9000万人を突破。既に40カ国・地域以上でワクチン接種が行われているものの、欧米で普及は遅れ、新たに中国の一部でも厳しい規制が敷かれる中、エネルギー需要の鈍化懸念が強まっている。また、米民主党主導で大型財政出動が実現するとの観測を背景に、外国為替市場ではドル高・ユーロ安基調が継続し、ドル建て原油の割高感も意識され、売りが優勢となった。一方、需給不均衡に対する警戒感の後退が引き続き相場を下支え。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は5日の会合で、ロシアとカザフスタンが2月以降に段階的な増産に踏み切ることを容認したものの、サウジアラビアが自主的に日量100万バレルの追加減産を行う方針を表明したため、全体的な需給は引き締まる可能性が高いとみられている。

*週明け11日のシカゴトウモロコシは反落。492.25セント(-4.00)。利益確定売りのほか、米農務省の需給報告を控えたポジション調整や、南米での想定を上回る降雨により、最近の乾燥天候への懸念が幾分和らいだ。アルゼンチンが最近発表したトウモロコシの輸出制限を緩和するとの報道も、相場の重しとなった。

シカゴ大豆は反落。1372.50セント(-2.25)。一時、2014年6月以来の高値となる1388.75セントを付けた。想定を上回る南米での降雨や、米需給報告を12日に控えたポジションの手じまいが相場を圧迫した。アルゼンチンおよびブラジルの一部における週末の降雨は予想を上回った。乾燥に伴う収穫量減少への懸念から、6年半ぶりの高値を付けた。

*週明け11日のNYダウは、トランプ大統領支持者が議会に乱入した事件をめぐる政治的混乱が重しとなり、反落した。3万1008.69ドル(-89.28)。野党民主党は、トランプ大統領への弾劾訴追決議案を下院に提出。議会では、議会乱入事件をめぐる責任追及の動きが本格化し、民主党を中心にトランプ氏罷免を求める声が強まっている。一方、ツイッターは、暴力を扇動する危険があるとして、トランプ氏のアカウントを永久停止。アップルやグーグルなどは、トランプ氏支持の右派が多く利用する交流サイト(SNS)のアプリ配信を止めた。ただ、こうした措置には、巨大IT企業による「検閲」との批判も根強い。ダウ平均は、政治的混乱を嫌気し、反落した。

【12日】
08:50   (日) 11月 国際収支・経常収支(季調済)  1兆9833億円  
08:50   (日) 11月 国際収支・貿易収支  9711億円