環境問題を背景にプラチナ価格は上昇へ】
1月20日、第46台米国大統領に民主党のバイデン氏が就任する。
バイデン次期大統領は選挙戦の時から最優先課題の1つに気候変動対策を掲げていた。

トランプ大統領は昨年11月4日に地球温暖化防止のための国際協定である「パリ協定」からの離脱を決定したが、バイデン氏は就任後に、「パリ協定」に再び参加し、各国との協調のもとに米国がリーダーシップを取るとしている。

さらに政権発足100日以内に気候変動サミットを主催し、各国に国別排出目標(NDC:Nationally Determined Contribution)の引き上げを働きかけ、緑の気候基金への出資、海外における石炭関連融資の停止等を提言するという。

選挙演説では2050年までに米国の温室効果ガス(GHG)排出量をネットベースでゼロにまで削減することを表明し、1期目の最終年に当たる2025年までに、目標達成に向けた一定のターゲットを設定すると発表した。同時に、クリーンエネルギーの研究などに対し、10年間で4000億ドルを投資すると述べた。

この政策変更では、米国のGHG排出量の2割以上を占める自動車産業が受ける影響は大きいものがあろう。

バイデン氏は、自動車産業に関して、電気自動車(EV)の普及を加速するため、2030年末までに50万台を超える新しい公共の充電器を設置するすると発表。

現在一定の販売台数に限られているEVの税額控除制度を見直し、購買者の裾野を中産階級にまで広げることを目指すと述べた。さらに、政府が所有する300万台の車両を全てEVにすることも報じられている。

GHG排出規制に関しては、トランプ政権が緩和した規制内容を見直し、オバマ政権下で制定された基準値を上回る基準の制定に取り組むと述べた。


バイデン氏の環境政策に最も影響を受けたコモディティの一つは明らかにプラチナだろう。
NYプラチナは昨年11月の850~900ドルの水準から、わずか2カ月余りで22%を超えて上昇し、1100ドル水準に浮上している。

プラチナはディーゼル車の排ガス触媒の原料として使われるが、パラジウムはガソリン車の排ガス触媒で使用される。

欧州でディーゼル車の販売が伸び悩む中で、米国や中国ではガソリン車売れ行きが好調で需要増加からパラジウム価格は上昇の一途を辿った。

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パラジウムを採掘すると副産物としてプラチナも産出されるため、プラチナの需給は緩和され、価格も上値の重い展開が続いていた。

しかし、バイデン政権の環境政策を背景に、プラチナへの見直し買いが入り上昇基調に転じた。

パラジウムとプラチナの比価(パラジウム価格÷プラチナ価格)を見ると、プラチナの割安感が解消に向かっていることがわかる。

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CFTC建玉のファンドの買いポジション(ネット)は、昨年10月20日をボトムに増加に転じており、現在は2万7459枚だが、昨年同時期の6万枚越えにはまだまだ買い余力が残っている。買いが本格化するのもこれからだろう。

将来の環境銘柄の一つとしてプラチナは物色され、NYプラチナは1200ドルを超える水準に上昇すると予想する。


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