【トルコリラ円今週の予想(2月8日)】
*予想レンジ:14.50円~15.50円。
*トルコリラ円は、堅調に推移しそうだ。

先週のトルコリラは急上昇した。2020年11月に記録した過去最安値から2割高となった。トルコ中央銀行の金融引き締め策がとトルコリラを押し上げている。昨年11月にトルコ中銀に就任したアーバル氏は、インフレ率の引き下げを優先課題に掲げ、引き締めへの転換姿勢を鮮明にした。主要な政策金利である1週間物レポ金利は現在17%で、アーバル氏の就任以来、計6.75%引き上げられた。直近のインフレ率(消費者物価指数)が年率14.97%だったので、実質金利(名目金利―インフレ率)はプラスに転じており、これがリラ上昇の主要因となっている。

トルコ中銀はインフレ率を2023年までに年5.0%へ引き下げる計画で、アーバル総裁はエルドアン政権あての1日付の公開書簡で「それまでは引き締め策を断固として維持すべきだ」と明言した。景気浮揚のためトルコ中銀に利下げ圧力をかけていたエルドアン大統領も、中銀の現実路線を足元では容認しているようだ。ただ、今後、選挙が近づくにつれてエルドアン大統領が再び利下げ圧力を中銀にかけてくる可能性もあり、市場も警戒している。

トルコのエルドアン大統領は1日、閣議後のテレビ演説で、新憲法策定に意欲を示し、与党と連合を組む極右民族主義政党と協議すると述べた。新憲法の詳細は不明だが、軍事政権下に制定された現行憲法には「どれだけ改正しても消すことができないクーデターの痕跡がある」と主張した。

トルコ政府系ファンド(SWF)は、エネルギーや石油化学、金鉱などの産業に150億ドル(約1兆5800億円)を投資する計画。経済の脆弱性を減らすことを目的としている。たトルコ・ウェルス・ファンド(TWF)の優先課題は、通貨下落や一連の難局に続く新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の後、経済秩序の要としてTWFが担う役割を浮かび上がらせる。TWFは昨年にトルコ最大の通信事業者、タークセルの経営権を取得することで合意したほか、国営保険会社数社の統合を行った。シンガポールのテマセク・ホールディングスやマレーシアのカザナ・ナショナルをモデルにして創設されたTWFは政策当局者の極めて重要なツールとなっており、現在は金融、エネルギー、不動産関連企業の支配権を有している。

トルコの学生による抗議集会で、イスラム教の聖地とLGBT(性的少数者)を象徴する虹色の旗「レインボーフラッグ」を並べて描いた絵が掲げられたことを受け、エルドアン大統領は1日、トルコのLGBT運動は「破壊行為」だと非難した。先週末、イスタンブールにあるボアジチ大学で行われた学生集会では、イスラム教の聖地とレインボーフラッグを一緒に描いたとして4人が逮捕された。


【トルコ経済指標】
2月10日水曜日
16:00トルコ11月失業率前回12.7%

2月12日金曜日
16:00トルコ12月鉱工業生産前年比前回+11.0%、予想+8.0%
16:00トルコ12月経常収支前回-40.6億USD、予想-37.0億USD

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