【メキシコペソ円今週の予想(2月8日)】
*予想レンジ:5.00円~5.50円。
*メキシコペソ円はもち合いで推移しそうだ。今週は11日にメキシコ中銀理事会が開催される。政策金利は現状維持との見通しだが、4月の会合で金利引き下げ予想もある。メキシコ銀行(中央銀行)のジョナタン・ヒース副総裁は、中銀が追加利下げを検討するのは4月より後になる公算が大きいとの見通しを示した。

金融政策委員会メンバー5人の中でハト派寄りのヒース副総裁は11月と12月の会合で0.25ポイントの利下げを主張したが、中銀は両会合とも政策金利を4.25%に据え置いた。9月の会合までは11会合連続で利下げを実施していた。1-3月(第1四半期)に追加利下げが行われるにはヒース氏の票が必要となる可能性がある。今月11日に行われる次回会合では、「緩和的なサイクル継続への機会が再び訪れるのか、それともインフレ率が再び上昇し始めているため緩和サイクルの停止を続ける必要があるのかが議論の焦点になる」とヒース氏は述べた。

ヒース氏によると、中銀はインフレ率が4月に加速し、年末にかけて3%近くまで鈍化すると見込んでいる。同氏は4月を「最も危険な」月と呼ぶ。メキシコ中銀が設定するインフレ率の目標は2%~4%。昨年の経済成長率はマイナス8.3%程度に落ち込んだが、ヒース氏はインフレ率が中銀の目標中央値を「数ポイント上回る」見通しについては「それほど心配していない」と述べた。

2020年のメキシコ実質国内総生産(GDP)は、前年比で8.5%減少(速報値)した。世界恐慌時の1932年(14.8%減少)以来の大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で、主力の製造業が振るわなかった。マイナス成長は2年連続。農業などの第1次産業は2%増だったが、鉱業や製造業などの第2次産業が10.2%減、金融・サービス業などの第3次産業は7.9%減となった。

メキシコ中央銀行が2日に公表した民間アナリストらによる月次の2021年経済予測集計は、国内総生産(GDP)成長率が前回を0.2ポイント上回る3.74%となった。貿易収支は24億4200万ドル上方修正して80億5000万ドルの黒字、経常収支は30億1100万ドル上乗せして33億6000万ドルの黒字にそれぞれ引き上げた。

対内直接投資は4億8500万ドル上方修正し、262億4300万ドルとした。インフレ率は0.08ポイント引き上げて3.65%。年末為替相場は1ドル=20.65ペソから20.18ペソへとドル安に振れた。

原油価格の上昇は産油国であえうメキシコ経済にはプラス要因になる。

今後の景気動向はやはりワクチンの普及に依るところが大きいだろう。メキシコの人口は日本に近い1億2700万人だが、死者数は16万人弱と世界で3番目に多い。糖尿病や肥満の国民が相対的に多く、致死率が高くなっている。昨年12月23日に米国ファイザー製の新型コロナウイルス感染症用のワクチン141万7,659回分のうちの3,000回分が到着し、翌24日から医療従事者に接種が実施された。1月31日までに残り分が入荷された。メキシコ市とコアウイラ州などで医療従事者を対象に接種が開始され、メキシコ国内にいる誰もが無料で接種可能となった。現在、新型コロナウイルス感染患者の治療に当たる医療従事者や60歳以上の者が接種を受けており、4月以降は年齢順の順次、接種が行われる。


【メキシコ経済指標】
2月9日火曜日
21:00メキシコ1月消費者物価指数前年比前回3.15%、予想3.3%

2月11日木曜日
21:00メキシコ12月鉱工業生産前年比前回-3.7%、予想-3.9%
28:00メキシコ中銀政策金利前回4.25%、予想4.25%


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