【金は材料待ちでもち合い続くか】
NY金は1800~1850ドルのレンジでもち合いが続いている。

10日は対ユーロでのドル下落に伴う割安感に支えられて1842.70ドルで終えた。

しかし、11日は利益確定売りに押されて反落し、1826.80ドルで終えた。


10日に発表された1月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は横ばい、前年同月比では1.5%上昇となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を大きく下回った。


インフレ懸念が後退し、金融緩和が長期間継続するとの観測が強まったことは金のサポート要因だが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日の講演で、「金融緩和を忍耐強く続けることが重要だ」と強調。金融緩和を継続する姿勢を改めて示した。

ただ、これも言い尽くされていることで材料に新味はなかった。

市場ではバイデン大統領と民主党が1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス救済法案を実施し、制限措置解除後に事業が再開されることでインフレ率が上昇するとの見方が広がっているが、物価上昇率が顕著にならない以上は、金相場への影響は小さいだろう。

外国為替市場では、イタリア政局安定化への期待感から進んでいたユーロ高・ドル安が一服し、金の割安感が薄れていることも金の上値を重くしている。

11日からはアジア圏が春節(旧正月)に入り金の取引も低下している。

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金現物投資も低迷している。金ETFは、11日時点で1142.22トン。
年初の1187.95トンからは3.3%の減少。

テクニカル的には、昨年の高値2107.6ドル(8月7日)と安値1467.0ドル(3月16日)にフィボナッチ比率を当てはめると、高値からの0.38倍=1864ドル、0.5倍=1787ドル、0.62倍=1710ドルが算定されるが、現時点は0.5倍押しと0.38倍押しの水準に位置しており、次の材料待ちといったところ。

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