【メキシコペソ円今週の予想(2月22日)】
*予想レンジ:5.00円~5.50円。
*メキシコペソ円はもち合いで推移しそうだ。

新興国通貨の動向を見る際に重要なポイントの一つは「実質金利」だろう。
「実質金利」=「名目金利(政策金利)」-「物価上昇率(インフレ率)」
メキシコペソに関して言えば、政策金利4.0%-物価上昇率3.54%=実質金利+0.46%。

メキシコ銀行(中央銀行)は11日、金融政策決定会合を開き、政策金利を0.25%引き下げて4.0%に決定した。利下げは3会合ぶり。足元でインフレが落ち着いたと判断し、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む経済の下支えを優先した。金利は2016年6月以来の低い水準となった。公表した声明で、2020年「第4四半期に経済は改善したものの、パンデミック(世界的大流行)前の水準を下回っている」と懸念を示し、年内の追加利下げを示唆した。農産物の価格高騰で、物価上昇率が中銀の政策目標の上限である4.0%を上回ったが、11月以降は3.0%台で推移している。メキシコ中銀が民間機関の見通しをまとめたところ、21年の物価上昇率は3.65%、22年は3.55%と見込まれている。

先週のメキシコペソは、米国での記録的な寒波に影響された電力不足を受けて軟調だった。米国の石油・天然ガスのパイプライン閉鎖で、メキシコの電力公社CFEは米国からの燃料受け取りが減少し、北部を中心に停電がおき、工場の稼働が止まった。多くの工場が加盟している全国マキラドーラ産業評議会(INDEX)は、2600社が影響を受け、影響額は27億ドル(約2800億円)に及ぶとの試算を示した。鉄鋼の生産量が1万5千トン減少すると見込み。

メキシコでは天然ガスの生産量は減少傾向で、米国への依存が強まっていた。米国からメキシコへの16日のパイプライ経由の輸出量は過去1カ月の平均より約3割少ない水準にとどまった。メキシコでの自動車生産も滞り、製造業全般に停滞が強まったようだ。

ただ、米国の寒波もピークを過ぎたようで、今週は混乱が徐々に落ち着いてくるのではないか。それに連れてメキシコペソも下げ止まりからもち合いへ移行しよう。今週は25日に、第4四半期国内総生産(GDP)が発表される。予想は-4.5%で、前回の-8.6%より大幅に改善する見込み。この予想に沿った内容であればメキシコペソは反発に転じよう。


【メキシコ経済指標】
2月24日水曜日
21:00メキシコ2月隔週消費者物価指数前年比前回3.33%、予想3.3%

2月25日木曜日
21:00メキシコ第4四半期GDP前回-8.6%、予想-4.5%
24:00メキシコ中銀金融政策決定会合議事録

2月26日金曜日
21:00メキシコ1月貿易収支
前回62.62億ドル

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