【3月26日海外市況】
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*週末26日のNY外国為替市場では、米景気の先行きに対する楽観的な見方からドル円は109円台後半に上昇した。109円63~73銭。新型コロナウイルスワクチンの接種拡大で経済正常化が進むとの期待を背景に、米長期金利の指標である10年物国債の利回りはこの日、一時1.68%近くに上昇したため、円売り・ドル買いが優勢となった。米疾病対策センター(CDC)によると、これまでに延べ約1億3700万回、成人の約35%が少なくとも1回のワクチン接種を終了。バイデン大統領は25日、4月末までに従来の2倍に当たる2億回の接種を目指すとした。また、直近の週間新規失業保険申請件数が約1年前の水準に減少したこともドル買いを誘い、一時109円84銭まで上昇。ただ、足元の米感染者数が微増傾向にあり、その後は上げ幅を幾分縮小した。2月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比1.6%上昇した。伸びは前月の1.4%から加速し、2020年2月の1.8%以来1年ぶりの大きさとなった。

*週末26日のNYダウは、景気回復期待を支えに続伸した。3万3072.88ドル(+453.40)。終値の史上最高値を7営業日ぶりに更新した。新型コロナウイルスの流行で悪化した経済の回復持続を見込み、幅広い銘柄に買いが入った。バイデン政権のインフラ投資計画は3兆ドルに上る可能性があり、期待感からインフラ関連株などが買われた。コロナワクチン配布加速への期待も相場を下支えした。米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、コロナ禍を受けて一時的に制限していた大手銀の配当や自社株買いについて、今年のストレステスト(健全性審査)合格行を対象に6月末で撤廃すると発表。金融株の買い材料となった。米長期金利の上昇が今週に入り落ち着いていることも支援要因。また、米ミシガン大発表の3月の消費者景況感指数(確報値)が暫定値から上方修正され、市場予想も上回るなど、経済指標がおおむね強い内容だったことも好感された。

*週末26日のNY金は、米長期金利やドルの動向を眺めたレンジ内取引が続く中、反発した。1732.30ドル(+7.20)。バイデン大統領が前日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの普及加速に加え、インフラ整備などのテーマに取り組む方針を表明したことを受け、リスク選好ムードが拡大。米長期金利やドルの上昇に押され、横ばいで推移した。しかし、その後に金利上昇が一服すると、ドルも対ユーロで軟調となり、割高感の薄れた金に買いが入った。2月米個人消費・所得、ミシガン大調査の3月の消費者景況感などの米経済指標が発表されたが、いずれも想定の範囲内と受け止められた。

金ETFは、1036.62トン(-6.41)。

NY白金は反発。1177.90ドル(+23.70)。
パラジウムも反発。2676.10ドル(+60.70)。

*週末26日のNY原油は、スエズ運河での大型船座礁事故の影響長期化で供給が逼迫するとの懸念が再燃する中、大幅反発した。60.97ドル(+2.41)。23日に発生した大型コンテナ船の座礁事故により、スエズ運河の通航は停止。事故の影響を受ける大半の船の行き先は、エネルギー需要が低迷する欧州とされ、当初は供給遅延による混乱は限定的との見方が多かった。27日の離礁を目指して作業が続けられているものの、市場では運航正常化には時間を要し、供給への影響は避けられないとの警戒感が台頭。原油や石油製品の国際的な供給が数週間にわたって停滞すると懸念され、一時61.36ドルまで上昇した。エジプトのスエズ運河庁は26日、87%まで進んでいる砂の除去作業が完了すれば、座礁した船のけん引作業が再開できると説明した。米調査会社クプラーによると、26日時点で運河の入り口には10隻、約1000万バレル相当が滞留している。

*週末26日のシカゴトウモロコシは反発。552.50セント(+6.00)。米農務省による2021年の作付け意向面積の発表を31日に控え、トウモロコシの作付面積のアナリスト予想は9320万8000エーカーとなった。

シカゴ大豆は続落。1400.50セント(-13.75)。2週間半ぶりの安値に沈んだ大豆油に追随した。米農務省による2021年の作付け意向面積の発表を31日に控え、大豆の作付面積のアナリスト予想は8999万6000エーカーとなった。

【29日】
*特になし


*ストックボイス「FXフォーカス」出演
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