【メキシコペソ円今週の予想(4月19日)】
*予想レンジ:5.20円~5.70円。
*メキシコペソ円は政策金利の据え置きにより緩和サイクルへの見方が別れる中、もち合いで推移しそうだ。

「実質金利」=「名目金利(政策金利)」-「物価上昇率(インフレ率)」
メキシコペソ:政策金利4.0%-物価上昇率4.12%=実質金利-0.12%。

今週22日に、4月隔週消費者物価指数が発表される。前年比で4.3%が予想されており、この通りであれば、実質金利のマイナスがさらに拡大してしまう。メキシコ中銀が緩和策の方針を変更する可能性がある。

国際通貨基金(IMF)が発表した世界経済見通しで、2021年の世界全体の成長率について6.0%と、1月時点の予測から0.5%引き上げた。新興国全体については予測を0.4%引き上げた。インドやロシア、メキシコなどの上方修正幅が新興国全体を上回るものとなったことが要因。好調な米景気を背景に、メキシコの景気も回復する見込み。

米国は隣国であり新NAFTA協定締結国であるカナダとメキシコに、コロナワクチンを供与する。これにより、メキシコのワクチン普及拡大が進む見通し。

原油価格の上昇も産油国であるメキシコにはプラス要因。2021年の石油需要見通しをめぐっては、国際エネルギー機関(IEA)が日量570万バレル、石油輸出国機構(OPEC)は日量595万バレルにそれぞれ上方修正した。

2月のメキシコ鉱工業生産活動指数(IMAI、13年=100、季節調整値)が98.3になった。新型コロナウイルスの感染が広がる前の3月以降では最高の水準。新型コロナウイルス禍による落ち込みが5月に底を打って以降、9カ月連続の伸びとなった。

3月のメキシコ国内新車販売台数は前年同月比9%増となった。新型コロナウイルスの感染拡大による販売への影響は2020年3月から出始めており、13カ月ぶりに前年同月の水準を上回った。

*メキシコ下院は14日、燃料市場の規制を強化し、国営企業への優遇を強める改正法案を可決した。ロペスオブラドール大統領が目標としてきた国営企業によるエネルギー市場独占の復活に向け一歩近づいた。メキシコでは数年前にガソリンの小売価格が自由化され、ロイヤル・ダッチ・シェルやBP、シェブロン、エクソンモービルなど石油大手からの投資を呼び込んだ。大統領の炭化水素法改正案は、燃料市場で国営メキシコ石油公社(ペメックス)の支配力を強めることになりそうだ。

ロペスオブラドール大統領は、インフラの老朽化で競争力が低下しているペメックスやメキシコ電力公社(CFE)など国営企業の復権を図ろうとしている。2018年に就任して以降、エネルギー産業の民間開放など市場の改革に反対の立場をとってきた。この政策は外資離れを招く可能性がある。


【メキシコ経済指標】
4月22日木曜日
20:00メキシコ4月隔週消費者物価指数前年比前回4.12%、予想4.3%
21:00メキシコ失業率 (3月)前回4.50%

4月23日金曜日
21:00メキシコ2月小売売上高前年比(2月)前回-8.3%、予想-7.6%

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