【5月10日海外市況】
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*週明け10日のNY外国為替市場は、108円台後半で小動きだった。108円78~88銭。前週末7日に発表された4月米雇用統計は、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数の増加が3月実績を大幅に下回ったほか、失業率も市場予想に反して上昇。これをきっかけにドル売りが活発化したが、週明けは一服した。この日は米経済指標の発表などの取引材料不足で、株価や長期金利も比較的落ち着いた値動き。このため、円ドル相場に方向感は出ず、終日にわたって狭いレンジで浮動した。

*週明け10日のNYダウは、高値警戒感からハイテク株が売られ、6営業日ぶりに反落した。3万4742.82ドル(-34.94)。先週発表の米雇用統計で、非農業部門就業者数が市場予想を大きく下回ったことで、米金融緩和の長期化観測が台頭。新型コロナウイルスのワクチン普及を背景にした経済活動の再開への期待も根強く、景気変動の影響が大きい銘柄を中心に買われ、前週末からの上げ幅は、一時300ドル超となった。ただ、高値への警戒感からハイテク銘柄が売られ、ダウはマイナス圏に沈んだ。


*週明け10日のNY金は、前週末の米雇用統計を受けた買いの流れが継続し、4営業日続伸となった。1837.60ドル(+6.30)。弱い雇用統計の内容を受けて、米金融緩和の長期化観測が高まったことは金利を生まない金塊にとっては買い要因。予想を下回る就業者数の伸びで、米国の景気回復期待や米連邦準備制度理事会(FRB)が予想よりも早く金融引き締めに動くかもしれないとの観測が後退した。中国や最近のロックダウン(都市封鎖)前のインドでの堅調な金現物需要を指摘する向きもあった。ただこの日の市場は全般に新規の手掛かりに乏しく、金相場は終日、方向感を欠き、狭いレンジでの値動きとなった。

金ETFは、1025.15トン(変わらず)。

NY白金は反落。1265.50ドル(+11.00)。
パラジウムは5日ぶり反発。2968.20ドル(+43.10)。

*週明け10日のNY原油は、米主要パイプラインの稼働停止に関する報に注目が集まる中、売り買いが交錯し、ほぼ横ばいとなった。64.92ドル(+0.02)。米最大規模の石油パイプラインを運営するコロニアル・パイプラインは7日、「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型コンピューターウイルスの被害を確認。メキシコ湾岸の製油所から東部沿岸をつなぐ全長5500マイル超の送油管の稼働を全て停止したと発表した。これを受け、ガソリンやディーゼルなどの供給が滞るとの懸念が強まり、相場は一時65ドル台後半で取引された。しかし、世界3位の石油輸入国であるインドでは、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、9日朝時点の新規感染者数は4日連続で40万人超を記録。首都ニューデリーでは3度目のロックダウン(都市封鎖)延長が決まり、需要回復の遅れに対する警戒感がくすぶった。急速に売りが膨らみ、64ドルを割り込む場面もあったが、その後はパイプライン再開に関する報道に注目が集まる中、横ばい圏でのもみ合いが続いた。

*週明け10日のシカゴトウモロコシは反落。711.75セント(-20.50)。米国産地では、トウモロコシにとって良好な天候となり、新穀の作付けを促進したことが弱材料。米農務省の農産物需給報告を控えて利益確定売りが出た。ブラジルの調査会社アグルーラルは、同国の二期作トウモロコシの収穫量は6960万トンとなり、前年の7510万トンから減少するとの見通しを示した。同国中南部で長期に及ぶ干ばつが要因だという。

シカゴ大豆は反落。1587.50セント(-2.25)。12日発表の需給報告を控え、利益確定売りが出た。市場予想では、21~22年度の米国産大豆の期末在庫は1億3800万ブッシェル。20~21年度在庫は、前月(1億2000万ブッシェル)から1億1700万ブッシェルに下方修正されるとみられている。


【11日】
10:30   (中) 4月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比]  0.4%  
10:30   (中) 4月 生産者物価指数(PPI) [前年同月比]  4.4%  
16:00   (トルコ) 3月 経常収支  -26.1億ドル    
16:00   (トルコ) 3月 鉱工業生産 [前月比]  0.1%   
18:00   (独) 5月 ZEW景況感調査(期待指数)  70.7   
18:00   (欧) 5月 ZEW景況感調査  66.3