【プラチナは短期弱気、長期強気】
*世界的な半導体不足により自動車生産が停滞する中、新車不足から中古車の売買が活発化していることから、プラチナのリサイクル供給が減少するため、需給が当初の予想より引き締まるとの見方が強まり、NYプラチナ(21年1月限)は15日に1113.1ドルの高値を付けた。

その後、反落に転じ、再び1000ドルの大台を下回ったが、供給過剰が改めて確認されたことが要因のようだ。

ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は24日、2021年の世界白金市場が予想より大幅な供給過剰となり、22年もこうした状況が続くとの見通しを示した。WPICは、年間約800万トンの白金市場について、21年は76万9000トンの供給過剰となると予想。過剰供給分は、13年の統計開始以来で最大になるという。また、22年についても63万7000トンの供給過剰になるとみている。

南アフリカで製錬所の稼働停止中に積み上がった白金在庫が予想より早く消費され、供給量が増加していることが要因という。また、自動車メーカーは半導体チップ不足で減産を余儀なくされ、需要が減少。ニューヨーク取引所の保管施設で在庫が積み上がっているほか、上場投資信託(ETF)の投資も縮小している。WPICは、来年も白金供給量は高水準になると見通している。


一方、長期的には水素エネルギーの需要増加がプラチナの需要に大きな影響を与えそうだ。WPICによると、水素の年間需要は現在の9000万トンから2030年には1億4000万トンになり、そのうち20%はグリーン水素が占めると予想されている。

グリーン水素とは、水を電気分解し水素と酸素に還元することで生産される水素のこと。この水素を利用し、酸素を大気中に放出することで、環境への悪影響を与えずに水素を利用することができます。電気分解を実現するためには電気が必要で、プラチナは触媒として使用される。

将来のグリーン水素の需要増加は、プラチナの需要増加に直結するといえる。

半導体不足が解消されるのは時の問題であり、いずれプラチナの潜在的な需要が注目されよう。


JPXプラチナ日足は、一目均衡表の転換線と基準線を下回ったが、雲の上限まで下落してきた。それでも9月の急落前の水準を維持しており、地合いは弱いとは言えないだろう。3500~3700円のゾーンで下げ止まり、値固めに入ると予想する。

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