【NY金は1800ドルを目指す可能性】
市場では米連邦準備制度理事会(FRB)利上げペースが鈍化するとの見方が強まっていたが、先週は複数の米連邦公開市場委員会(FOMC)高官から、先行きを過度に楽観しないよう市場を牽制する発言が相次いだ。今週に入ってからも、ブラード・セントルイス連銀総裁は政策金利7%の可能性に言及した。

今週は、30日にパウエルFRB議長の講演、1日に10月米個人消費支出(PCEデフレーター、PCEコア・デフレーター)、2日に11月米雇用統計等、重要なイベントや経済指標が公表される。

doru1130


30日の講演でパウエルFRB議長は、経済見通し・物価・労働市場に関する講演を行う。11月FOMC議事要旨では、大半の参加者が近く利上げ幅の縮小を見込んでいることが判明し、10月消費者物価指数(CPI)の弱い結果を受けて、インフレ減速の兆しが見え始めている中で、パウエル議長が今後の金融政策についてどのような見解を示すのか注目される。

パウエル議長がさらにタカ派的な発言を行うようであればドル買いが強まり、NY金は下落する可能性が高まるだろう。
逆に、今後の利上げペース鈍化を改めて示唆するようであればドル売りが強まり、NY金は反発する展開が予想される。

短期的にはパウエルFRB議長の発言、インフレ指標と雇用統計の結果に影響される金相場ではあるが、インフレがピークを付けた可能性もある状況で、ターミナルレートも次第に焦点が絞られてくるだろう。また、米債券市場では、長短利回りが大幅に逆転しており、長期間にわたる景気後退(リセッション)が予期されているようだ。安全資産である金相場が注目される時期はそう遠くないだろう。

NY金先物市場のファンドの買い越しもボトムを打ったのではないか。内部要因的にはまだ軽い状態にあり、安値圏で取り組みが増えることが予想され、今後の上昇要因となろう。節目の1750ドルをブレイクしたため、次の節目である1800ドルに向かって上昇しそうだ。

nyg1129


情報提供:株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド
※上記ロゴのチャートの著作権は、ミンカブ・ジ・インフォノイドに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。 提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、ミンカブ・ジ・インフォノイドは一切の責任を負いません。