テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2014年09月

【東京金テクニカル分析】

東京金週足を使って、2013年以降の展開を分析してみる。20132月の高値5081円(上場来の最高値)とそれ以降の最安値3750円(20136月の安値)にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=4575円、0.5倍(半値)押し=4415円、0.62倍押し=4256円となる。現在、0.62倍押しの水準は維持しているので上昇相場に発展する可能性はある。一目均衡表を見ると、雲の下側にあるものの、転換線と基準線を上回っており、9月最終週にねじれの時間帯を迎える。


MACDはゼロライン付近で横ばいに推移しており、方向性がまだ出ていない。RSI(相対力指数14週)は51.7%でほぼ中立状態にある。9月から10月にかけて方向性が出てくる可能性が高い。雲のねじれの時間帯に上方にブレイクすれば、半値押し=4415円、0.38倍押し=4575円を目安に上昇していくだろう。4575円を超えれば今年の高値4545円を上回るため、チャートパターン的にも上昇相場となるだろう。逆に、下落に転じた場合、今年の安値4075円と昨年12月の安値4001円が目安になるため4000円を目安にした下落相場になりそうだ。



*東京金週足
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情報提供:(株)インベステック
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【9月26日 国内市況終値】
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*金は反発。25日のNY金相場が、8月の米耐久材受注の悪化やNY株の下落を受けて小反発した流れを引き継ぎ買いが先行。その後は、NY時間外高や為替相場の円の軟化を受けて高値圏で終了した。白金も円軟化を受けて反発。

*25日のNY金相場は、米経済指標の悪化を受けたドル下落や株安、長期金利低下を眺め、リスク資産としての金に買いが入り小反発した。8月の耐久財受注額は、前月比18.2%減の2454億3300万ドルと、市場予想の18.0%減よりも悪かった。来週は重要な経済指標が発表されるため、それぞれに反応しながら、10月3日の9月米雇用統計を待つ展開になるだろう。来週は、ユーロ圏の消費者物価指数やECB理事会、米ISM製造業景況感指数、米雇用統計などが発表される。

*中東産原油は小幅続伸。円がドルに対して軟化したのを眺めて買い戻しが優勢となった。製品は、ガソリン、灯油共に堅調。石油製品の新甫2015年4月先限は、ガソリンが2015年3月限と比べ、1060円上ざやの8万0240円で発会し、灯油は1340円下ざやの7万9820円で発会した。新甫限月では、ガソリンが需要期に入っていく一方、灯油は需要期明けとなる。ガソリン価格の現況は、足元の海上スポットの上値が重い。資源エネルギー庁が25日発表したレギュラーガソリンの店頭価格(22日時点、1リットル当たり)が前週比0.4円安の166.7円と、10週連続で値下がりしている。灯油に関しても、需要が増え始める11~12月までにはまだ時間がかかる上、暖冬となれば買い意欲も弱まるため、方向性はまだ出にくい状況にある。

*ゴムは円安と上海相場高を眺めて上昇した。先限は一時前日比4円60銭高の185円50銭をつけた。上海ゴム1月限は一時トン当たり570元高の1万2545元をつけている。

*トウモロコシ、大豆ともに反落。シカゴ相場のハーベストプレッシャーを受けて売りが継続した。米中西部の穀物産地の天候は、おおむね乾燥した状態が続く見通し。畑のぬかるみなどの障害がなく、収穫が早まることが予想されている。農家は今シーズン、収穫した作物の貯蔵施設に余裕がないとされ、市場への供給圧力が強まるとの見方が優勢。ただトウモロコシは、採算の限界や農家の売り渋りにより、下げ止まる可能性も指摘されている。
 
*東京外国為替市場のドル円相場は、前日の海外市場からの109円前後でもみ合い。朝は108円台半ばから後半で推移していたが、塩崎厚労相が「法律がなくてもできるGPIFのガバナンス改革は早くやる」と発言したことからドル円は急速に買われて109円台を回復し、午後は109円前後を挟んだレンジ取引となった。今夜の米国時間には4-6月の国内総生産(GDP)確定値が発表される。市場予想中央値は4.6%と、改定値の4.2%から上方修正が見込まれている。

*日経平均株価はNYダウの下落を受けて反落するも、押し目買い意欲が強く、1万6000円を割り込まずに安値からは引き戻した。


926日(金)

 

925日 海外相場および市況】

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*NY金は米株価の下落を受けてリスク回避資産として買われ、小反発した。8月の米耐久財受注額は、前月比18.2%減少。予想の18.0%減よりも悪化した。前日発表された米新築住宅販売統計が予想を大幅に上回る増加となるなど米経済の堅調さを裏付ける経済指標が相次いでいただけに、リスク警戒感が広がり、米株価が下げ幅を拡大した一方、金が買われた。ただ、外為市場ではドル高・ユーロ安が継続、ユーロは一時約2年ぶりに1.26ドル台まで下落したため、ドル建て金価格の割高感が強く、伸び悩んだ。

 

*米欧石油市場では、北海ブレントが横ばい、WTIは小反落した。中東地域の緊張による生産混乱への懸念があったものの、供給増やドル高が相場を圧迫した。リビア国営石油会社(NOC)当局者は25日、同国の産油量が日量925000バレルに増加したと述べた。

 

*コーンは反落。過去最高の豊作が見込まれる米国産の収穫が進んでいることや、ドル高に圧迫された。農家は相場上昇期待から、可能な限り売却を先延ばししようとしている。大豆は大幅反落。過去最高の豊作が見込まれる米国産の収穫が進んでいることや、現物相場の下落に圧迫され、11月限は4年半ぶりの安値を更新した。今後数日間、農家はコーンよりも大豆を優先的に収穫する見通し。

 

*NY外国為替市場の円相場は、米株価の下落や米長期金利の低下を背景に反発した。9月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)速報値が58.5と、市場予想の59.0を下回った。これをきっかけに、円買い・ドル売りが活発化。また、米株式相場が大幅に下落したことや、米債券買いに伴う長期金利の低下も、円買い・ドル売りを促した。さらに、塩崎恭久厚生労働相がテレビ番組で、公的年金を運用する年金積立金管理独立行政法人(GPIF)の運用改革にてついて「年金で株を買って株価を上げる事は考えていない」と強調したため、市場ではGPIFの運用改革が遅れるとの思惑が広がって、円は一時10851銭まで上伸した。ユーロは、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和観測を背景に終日軟調に推移した。また、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)のカーニー総裁が利上げ開始時期について強気な発言したことからユーロは対ポンドで売られ、ユーロ・ドル相場にも波及し、一時1年10カ月ぶりに1.26ドル台まで下落した。

 

26日には4-6月の米GDPが発表される。成長率は828日に発表された改定値(4.2%)から4.6%に上方修正されるとみられている。

 

*NY株式市場は、早期利上げへの懸念など全般的なリスクの高まりを嫌気した売りで大幅下落となり、約1カ月半ぶりの安値で終了した。下落幅は約2カ月ぶりの大きさ。 米ダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、来春の米利上げの可能性を指摘。利上げ時期が予想以上に早まるかもしれないと懸念が高まった。ロシア議会では、国内の外国資産を接収することを容認する法案が浮上したと報じられたことで、米欧とロシアとの対立が激化すると受け止められた。イラクのアバディ首相が、イスラム過激派「イスラム国」が米国の地下鉄を狙ったテロを計画している情報があると明らかにしたことも売りの圧力となった。

 

【本日の主な経済指標およびイベント】

  8:30() 8月全国消費者物価指数 [前年比] +3.4 +3.3

21:30 () 2四半期GDP・確報値 [前期比年率] +4.2 +4.6

22:55 () 9月ミシガン大消費者信頼感指数確報値 84.6 84.7

*数値は順に、前回、予想。

925日 国内市況終値】

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*
金は下落。24日のNY金相場が対ユーロでのドル高を受けて下落したことから、手じまい売りに安寄りした。その後も時間外安を受けて下落幅を広げた。白金は大幅下落。安寄り後、NY時間外安を背景とした手じまいや弱気売りに下げ幅を広げた。

 

*24日のNY金相場は、堅調な米住宅関連指標を受けたドル高・ユーロ安や米長期金利上昇などを映して小反落。時間外取引も弱地合いを引き継いで続落し、1210ドル台で推移している。米8月の新築一戸建て住宅販売件数は、前月比18.0%増の50万4000戸(年換算)となった。件数は2008年5月以来の高水準で、改めて米景気の底堅さが示された。10月3日公表の9月の雇用統計などで好調な内容が続けば、ドル高基調が強まり、NY金には弱材料になりそうだ。

 

*中東産原油は反発。24日の米欧原油相場が、米原油在庫の減少や米株式の上昇を眺めて値を上げたことから、買戻しに堅調。ただ、買い一巡後は、利益確定売りが出て、伸び悩んだ。製品は、ガソリンが期近高、期先安のまちまち、灯油が堅調。10月当限は本日納会で、納会値はガソリンが130円高の8万0380円、灯油が180円安の7万9670円だった。

 

*石油連盟が25日発表した原油・石油製品供給統計週報(14~20日)によると、元売りや商社が保有する週末在庫は3油種がそろって増加。ガソリンは前週比1.2%増の174万8183キロリットル、灯油は7.5%増の267万0058キロリットルだった。週間原油処理量は2.4%増の373万0707キロリットル。出荷量は、ガソリンが6.1%減の88万8388キロリットル、灯油が2.7%減の14万1727キロリットルと、いずれも減少した。

 

*WTI原油に比べて北海ブレントの上値が重い。WTIは米原油在庫の減少、中東情勢の緊張の高まり、株高を背景に買いが先行し、1.4%高の92.80ドルだったが、ブレントはわずか0.1%高の96.95ドルにとどまっている。リビアの産油量が日量90万バレルに回復し、ドイツIFO経済研究所が発表した9月のドイツ企業景況感指数は、前月比1.6ポイント低下の104.7となり、5カ月連続で悪化している事が嫌気されているようだ。欧州の景気悪化に伴った原油需要減少が予想され、先行きの需給は一段と緩和するとの見方が強まっている。

 

*ゴムは5日続落。円安・ドル高を受けて反発して始まったが、その後は、上海相場の下落を受けて売りが優勢となった。本日の上海ゴムは一時トン当たり1万1710元と、前日比595元下落して一代の安値を追っている。供用期限切れの近い荷物が9月限の納会で消化されず、11月限に持ち越されたことが売り要因。23日に発表された中国の9月のHSBC製造業購買担当者景況指数(PMI)は改善していたものの、ゴム相場には影響せず下落基調はまだ続きそうだ。

 

*コーンはシカゴ相場高と円安を受けて買い戻しに反発、一般大豆は小安い。今年の米国穀物はいずれも大豊作が見込まれているが、貯蔵・物流施設の混雑によるコストの上昇が下値を支える可能性もあるという。

 

*東京外国為替市場では、ユーロが対ドルで14カ月ぶりの安値を更新。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「非伝統的手段」を用いる用意があると発言したとの報道を受け、ユーロ売りが強まった。ユーロは対ドルで一時1.2766ドルと昨年7月以来の水準まで下落した。ドラギ総裁はユーロ圏経済の回復の勢いが最近失われているとの認識を示し、低インフレが長期化するリスクにさらに対処する上で必要であれば、ECBは追加的な非伝統的手段を用いる用意があるとインタビューで語った。

 

ドル円相場は10920銭前後で推移。米国の景気回復を背景としたドル買いの流れが続き、一時は10934銭と19日に付けた20088月以来のドル高値(10946銭)に接近した。

 

ニュージーランド(NZ)ドルは対ドルで一時1NZドル=0.8000米ドルを割り込み、1年ぶりの安値を更新。NZ準備銀行(中央銀行)が、為替レートの水準は正当化されず持続不能だと声明で指摘したことで売られた。

 

*日経平均株価は米景気の改善期待や円安を背景に主力株を中心に買われ、終値で年初来高値を更新し、2007年11月以来ほぼ6年10カ月ぶりの高値となった。

 

 

【ニュージーランド円テクニカル分析】
ニュージーランド(NZ)ドルが午後に入り、急落している。対ドルで一時0.8000米ドルを割り込み、1年ぶりの安値を更新。対円では9時の高値88円18銭から87円26銭(午後1時15分)まで1.04%も下落している。NZ準備銀行(中央銀行)が、為替レートの水準は正当化されず持続不能だと声明で指摘したことが売り要因になったようだ。日足で見ると、大陰線が入って一目均衡表の転換線と基準線を割り込み、雲の中に突入している。RSI(相対力指数14日)は50%を割り込み、地合いは悪化していると言えるだろう。

2014年の年初来安値の81円41銭(2月4日)と年初来高値の89円92銭(4月1日)にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=86円70銭、0.5倍押し=85円67銭、0.62倍押し=84円65銭となる。81円41銭と8月8日の安値85円73銭を結ぶ上昇トレンドラインは、現時点では0.38倍押しの水準より少し上に位置し、なおかつ雲の下限の下にある。このため、0.38倍押し当たりの水準は強力なサポートゾーンになりそうだ。仮に、0.38押しを割り込めば0.5倍押し水準である85円67銭レベルでサポートされるだろう。5月29日の安値85円85銭、8月8日の安値85円73銭はいずれもここで下げ止まっている。また、今年のボトムはRSIが33%を割り込んだ時に形成されており、今回も30%前半まで下落した時は下げ止まる可能性があり、注目しておきたい。


*ニュージーランドドル円日足
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【東京白金テクニカル分析】

白金が4700円のサポートラインを割り込み、一時4637円の安値を付けた。これは4月24日以来、5か月ぶりの安値になる。ここ1年の高値4994円(7月3日)と安値4458円(12月20日)にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=4790円、0.5倍(半値)押し=4723円、0.62倍押し=4662円となり、3月の安値と4月の安値は0.62倍押しの水準でサポートされたことがわかる。

現在、4650円前後の水準で推移しているが、ほぼ0.62倍押しの水準まで下落してきたことに加え、RSI(相対力指数14日)が28.3%まで低下し、自律反発の可能性が強まる状況である事を考慮すると、間もなく下げ止まって反発に転じる可能性があるだろう。ただ、3月28日の安値4632円を終値で下回った場合、サポートラインが機能しなかった可能性があり、その場合は全値戻しの可能性が強まるだろう。


*東京白金日足
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【豪ドル円テクニカル分析】
豪州は資源国で中国と経済的な結びつきが強い。同国の通貨豪ドルは資源輸出国通貨の代表格であり、高金利通貨でも知られていた。しかし、中国の経済成長が頭打ちとなり、資源の需要減退観測が強まって素材価格は5年ぶりの低水準に下落している。中国の楼継偉財政相は21日、中国経済が下振れ圧力に直面しているとの認識を示した。中国の景気減速を受けて豪州の2015年の経済成長率は2%にとどまる可能性があるという。こうした背景から、豪州経済の低迷が予想され、豪ドルは対米ドルで7カ月ぶりの安値を付けている。しかし、豪ドル円に関しては、円が対ドルで109円台まで下落している影響から、対ドルとは異なる様相を見せている。

年初来安値の88円225銭と8月8日の安値93円92銭を結ぶ上昇トレンドラインと、96円50銭(4月4日の高値96円535銭と7月1日の高値96円52銭)の上値抵抗線で形成されていた三角保ち合いを上方にブレイクして、9月5日に年初来高値98円765銭を付けた。21日の報道を受けて24日には96円07銭まで下落したが、その後、96円70銭台に戻している。96円50銭のサポートラインが機能したといえるだろう。また、年初来高値98円765銭(9月5日)と年初来安値88円225銭(2月3日)にフィボナッチリトレースメントを当てはめると、高値から0.38倍押し=94円76銭、0.5倍(半値)押し=93円50銭、0.62倍押し=92円23銭となるが、現時点ではまだ0.38倍押しのレベルより上に位置しており、上昇基調は崩れていない。

現況は、MACDがデッドクロスし、RSI(相対力指数14日)も50%を下回っていることから、上昇のモメンタムは弱まっており、売り圧力が継続する可能性がある。その場合、96円50銭を下回る可能性もあるが、95円20銭レベルには上昇トレンドラインがあり、一目均衡表の雲がある。さr6あには0.38倍押しのラインが94円76銭にあるため、このレベルで下げ止まると予想される。

*豪ドル円日足
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9月25日(木)

【9月24日 海外相場および市況】
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*NY金相場は対ユーロでドル高が進行したことから小反落した。外為市場で、ユーロ安・ドル高が進行し、ドル建て金の割高感が強まった。また、米商務省が発表した新築一戸建て住宅販売件数が年換算で50万4000戸と、市場予想の43万戸を大きく上回ったことも、金の圧迫材料になった。さらに、NYダウが大幅に反発したため、株式に資金が流入する一方で、安全資産とされる金市場から資金が逃避した。

*米欧石油市場では、ブレント原油、WTIがいずれも上昇。米原油在庫が予想に反して減少した事が強材料。中東地域の緊張の高まりに加え、予想を上回る中国の成長見通しがブレント原油の強気要因。 米エネルギー情報局(EIA)が24日発表した9月19日までの1週間の原油在庫は430万バレル減の3億5800万バレルとなった。予想は38万6000バレル増。イラク南部の石油ターミナルからの原油輸出量は平均日量258万バレル。これは8月の平均238万バレルを上回る水準。また、ナイジェリアによる原油輸出は11月には1年2カ月ぶりの高水準に達する見通し。国際通貨基金(IMF)は24日、中国の2015年の経済成長率について、「7%を大幅に上回る」との見通しを示している。

*米軍とサウジアラビア軍、アラブ首長国連邦(UAE)軍は現地時間の24日、シリア東部でイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の製油施設12カ所に空爆を加えた。イスラム国は石油売却で活動資金を得ており、爆撃には、収入源に打撃を与える狙いがある。

*コーンは6日ぶりに反発。テクニカル的に売られ過ぎにあり、安値拾いの買いに4年ぶりの安値から回復した。ただ、米国産トウモロコシの生産高が過去最高を記録すると見込まれるほか、米国産以外のトウモロコシに対する世界的な需要が限られており、上値を抑えているという。米国産地の天候は、収穫にとり良好で、週末にかけ温暖で乾燥した天候が続くと見込まれている。大豆は5営業日ぶり反発。4年超ぶりの安値水準に値下がりしていたことで買戻しが入った。ただ、収穫高が過去最高になるとの見通しにより上値は重い。

*NY外国為替市場の円相場は、調整的な円買い・ドル売りが一服し、109円台に戻した。米商務省が発表した8月の米新築一戸建て住宅販売件数は前月比18.0%増の50万4000戸と市場予想を大幅に上回る水準。住宅市場が急改善したとの見方から、円売り・ドル買いに反転した。クリーブランド連銀のメスター総裁が講演で事実上のゼロ金利を「相当の間」維持する方針に変更が必要との見解を表明した。ユーロはドル、円に対して下落。独IFO景況感指数の悪化や欧州中央銀行(ECB)による追加金融緩和観測が圧迫材料となり、ユーロは1年2カ月ぶりに一時1.27ドル台を付けた。

*NY株式相場は、米住宅指標の堅調な内容を受けて景気の先行き期待が高まり、3営業日ぶりに反発した。8月の新築住宅販売件数が季節調整済み年換算で前月比18.0%増の50万4000戸と、2008年5月に並ぶ高水準を記録。米景気の底堅さが改めて示され、買い安心感が広がった。市場では、10月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、FOMC声明の文言が変更されるとの見方が広がっているが、市場は織り込みつつあるという。


【本日の主な経済指標およびイベント】
21:30 (米) 週次新規失業保険申請件数(28.0万件、29.8万件)
21:30 (米) 8月耐久財受注(前月比 +22.6%、-18.0%)
*カッコ内の数字は前から順に、前回、予想。

【9月24日 国内市況終値】
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*金は反発。23日のNY金が米軍によるシリア領内空爆を受けて上昇した地合いを引き継ぎ、水準を切り上げた。白金は反発。手じまい売りに小安く始まった後、NY時間外高を反映して切り返した。23日のNY金先物相場は、シリア情勢に対する地政学的リスクへの懸念から続伸し、一時1237ドルまで上昇して1222ドルで引けた。NY金融市場は、米軍によるシリア領内での「イスラム国」に対する空爆を受けて、ドル下落や長期金利低下、株安で反応。NY金は安全資産としての買いが優勢となった。24日の時間外取引も堅調に推移し、1224ドル台で推移した。

*南アフリカの白金大手ロンミンは23日の声明で、資金を海外に移転し、租税回避を図っているとの一部報道を否定し、「全操業管轄区において適切で完全な納税を行っている」と反論した。同社は白金生産で世界3位。現地の週刊新聞では先週、ロンミンが資金を海外に移し、労働者らの賃上げ要求や労働契約などに対応できないようにしたり、課税所得を回避したりしていると報道していた。

*中東産原油は続落。東京休場中の欧米原油の下げや、円相場の反発を受けて安寄りし、その後も下げ幅が拡大した。石油製品も、中東産原油の下げに追随して下落。

*NYWTI時間外相場は上値が重かった。米軍はサウジアラビアなどの中東5カ国とともに、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を標的としてシリア領内での空爆を実施。23日の相場ではリスク懸念が強まって原油相場は反発した。23日に発表された9月のHSBC中国製造業購買担当者(PMI)景況指数速報値が前月比0.3ポイント高の50.5に上昇したことも、中国の先行き需要増加観測につながり、相場を押し上げた。ただ、24日の時間外では次第に弱含む展開となった。中国製造業PMIは改善したが、23日に発表されたユーロ圏総合PMIは52.3と、9カ月ぶりの低水準だった。一方、リビアの原油生産量は足元で日量80万バレルにまで回復しており、世界的に原油は先行きの需給の緩みが予想され、相場の先安観は払拭されていないため、上値を重くしているようだ。

*東京ゴムは当限が前営業日比10円安の158円と継続足で09年6月以来の安値で寄り付き、一時5年3カ月ぶりの安値をつけたが、その後は現物に比べた割安感から買い戻されて切り返した。タイでは、現物価格の下落で農園から労働者が流出し、生産が落ち込んでいる。天然ゴム生産国連合(ANRPC)が先週、加盟生産国の在庫の合計が昨年末の約120万トンから、7月末現在で80数万トンに減少したと発表しており、ファンダメンタルズが好転する可能性もあるようだ。

*トウモロコシは下押す。シカゴ相場が産地の好天を背景に下落したことを受け、弱気の売りが先行し、時間外取引が弱含みとなったことや、円相場の下げ渋りを受けて売り優勢の状態が続いた。一般大豆もシカゴ時間外相場の下落を眺めた売りに軟調推移した。一般大豆は先限が一時4万7500円まで下げ、2012年11月以来、継続足で約1年10カ月ぶりの安値を付けた。シカゴ大豆は9月中旬にはシーズン終盤の霜害への懸念から、970セント付近で下げ止まる気配を見せる局面もあったが、収穫の進展とともに再び売りが強まっている。産地の現物市場ではハーベストプレッシャーが強まっている。

*東京外国為替市場のドル円相場は、108円台後半で推移。中東の地政学的リスクを背景に世界の株価が軟調となり、ドルの上値が抑えられた。テクニカル的にも、ドル円相場のRSI(相対力指数14日)は8月29日以降、買われ過ぎを示す70を上回る水準が続いているため、利益確定売りが出やすくなっている。

*東京株式相場は続落。中東での地政学リスクの高まりや欧州景気の悪化、為替の円高進行に警戒感が広がり、売られた。

*23日、セントルイス連銀のブラード総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)は10月の会合で量的緩和の終了を発表するのに伴い、声明から低金利維持の文言を削除する必要があろうとの認識を示した。 9月のFOMC会合では、量的緩和はまだ終了していなかったため、声明から『相当な期間』の文言の削除を試みることは時期尚早だと私は考えた」とした上で、「より妥当な時期は量的緩和の終了が予定されている10月の会合だろう」と述べた。同総裁は、FOMCはよりデータに依存した方針に移行してほしいと述べ、米経済が力強く成長するとの予測に基づき、最初の利上げは来年1-3月(第1四半期)末に行われる可能性があるとの見通しをあらためて示した。FOMCは9月会合の声明で、現行の資産購入プログラムを次回10月の会合で終了させるとの見通しを示した上で、プログラムが終了した後も政策金利を「相当な期間」ゼロ付近で据え置くとの方針を改めて示している。

【ドル円テクニカル分析】
ドル円は短期的に調整局面を迎える可能性がある。日足ベースでは上昇トレンドは維持されているため、あくまで4時間足で見た場合の話だが。4時間チャートに一目均衡表を入れると、24日午後1時時点で、転換線が基準線を下回っている。また、直近の安値を見ると、安値は基準線にサポートされていることがわかるが、ろうそく足がサポートラインとして機能してきた基準線を割り込んできている。MACDはデッドクロスして下落しており、上昇のモメンタムが弱まっている。ストキャスティックス(スロー12本)は60%レベルでデッドクロスしており、これは戻り高値を示唆している可能性がある。

以上から、早急に109円台を回復しなければ売り圧力が強まり、調整安場面を迎える可能性が高いだろう。その場合のサポートの目安は、雲の上限である107円80銭が想定される。ここを下回った場合、急上昇前に保ち合っていた107円が考えられる。107円を割り込めば、雲の下限である106円半ばから後半の水準になるだろう。この時、ストキャスティックスが再び20%台まで下落していれば、押し目のポイントになる可能性があるだろう。

*ドル円4時間足
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