【10月31日 国内市況終値】
*金は下落。夜間取引では一時4197円と4200円を割り込んだ。30日のNY金相場が堅調な米経済指標やドル高・ユーロ安を背景に大幅続落し、時間外取引も続落したことから売りが優勢となった。日中、日銀がこの日の金融政策決定会合で追加緩和を決定し、為替が111円台と大きく円安に振れたことから、4250円まで反発したが、引けにかけては上値を削り、マイナス圏に沈んだ。白金は続落。NY安を受けた手じまい売りに安寄りした後、円の急落を眺めて安値から引き戻した。30日に発表された7~9月期の米GDPは、年率換算で前期比3.5%増と市場予想の3.0%増を上回り、米国経済の堅調さが示される内容となった。29日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、回復基調にある米景気を映し、量的緩和の終了を決定。好調な米GDPはこれを裏付ける形となった。NY金融市場は、米GDPを受け、米株やドルに投機資金が流入する一方、リスク回避資産とされる金は売られた。
*中東産原油は3日続伸。30日の米欧原油相場が対ユーロでのドル高を背景に下落したことから、売りが先行したが、午後に入って、日銀が金融政策決定会合で追加緩和を決定し、為替が111円台の大幅円安に振れたことから、買いが集まり、プラスサイドへ切り返した。石油製品も続伸。30日発表された2014年7~9月期の米実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比3.5%の増加となり、市場予想の3.0%増を上回った。これを受け、外国為替市場でドル高が進行したことから、30日の海外原油相場は売られた。
*ゴムは先限を除き反落。中東産原油の下落を受けた利益確定の売りが先行し、安寄りした。しかし、その後は為替相場の大幅円安・ドル高を受けて引き戻した。
*コーンは4営業日続伸。シカゴ相場が4日ぶりに下落したことから売りが先行し反落したが、日銀の追加緩和を受け、円相場が大幅に下落したのを受けて切り返し、プラスサイドで終えた。一般大豆は期近安の期先高。時間外相場は反発しており、大豆の上げ幅が大きいが、中国の積極的な買い付けや、収穫の遅れによる需給引き締まり、ファンド資金の流入などが背景にあるようだ。
*東京外国為替市場のドル円相場は、日銀が追加金融緩和を決定したのを受けて急速に円売り・ドル買いが進み、一時111円台まで急伸した。午後1時40分すぎ、日銀金融政策決定会合で追加緩和が決定したことが伝わるとドル円は急騰。110円を抜けた後も買いが続き、一時は2008年1月2日以来となる111円台を付けた。追加緩和について、市場は、予想外のサプライズと見ている。日銀は、原油などの資源価格が下落し、物価目標の達成のために先手を打ったようだ。
*日本銀行は31日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切ることを5対4で決めた。長期国債の買い入れを「保有残高が年間約80兆円に相当するペース」に増やすほか、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の買い入れも「それぞれ年間約3兆円、年間約900億円に相当するペース」に拡大する。
*日経平均株価は、日銀の追加金融緩和の決定を受けて急騰した。公的年金の運用改革に伴う先高期待感も追い風となった。日経平均株価は前日比755円56銭高の1万6413円76銭と、リーマン・ショックによる株価急落前の2007年11月以来、約7年ぶりの高値を付けた。
*東京金1時間足
昨夜は下落基調が強まり4197円まで下落し、サポートラインの4200円を割り込んだ。東京時間には円安を受けて反発し、18本、36本、54本の3つの移動平均線を次々にブレイクして、一時4250円まで上昇したものの、54本移動平均線の抵抗を受けて押し返されたが、18本移動平均線にサポートされて引けた。54本移動平均線は下向きだが、MACDはゴールデンクロスしており、強弱材料が入り混じっている。レンジの上下どちらをブレイクするか注目されるが、移動平均線の方向からは下落する可能性が高いだろう。
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