テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2015年03月

【3月31日 国内市況と終値】
tk0331

*金は続落。NY金時間外相場の軟化を受けて弱気売りが優勢となり、マイナスサイドへ落ち込んだ。RSI(14日)=44.9%。30日のNY金は、米国の利上げ実施観測を背景としたドルが主要通貨に対し上昇したため、続落した。米株高も圧迫要因となり、終値は1週間ぶりに1180ドル台で終えた。市場では、年内の金利引き上げが意識されており、金には売り圧力がかかるようだ。白金も続落。プラスサイドに一時浮上したが、戻りは売られた。RSI(14日)=36.8%。

*中東産原油は3日ぶりに反発。ただ、軟調なNY原油時間外相場を受けて上げ幅を削った。RSI(14日)=45.6%。石油製品は原油に追随し、3日ぶりに反発。ガソリンのRSI(14日)=43.7%。灯油のRSI(14日)=50.1%。主要6カ国とイランは、イランの核兵器開発疑惑を解決するため、3月31日までに合意の枠組みをまとめ、6月末までに最終合意することを申し合わせている。30日は、スイス・ローザンヌで外相級全体会合などを重ねたが、イランの核開発制限や期間、対イラン制裁の解除などをめぐる隔たりが埋められず、「枠組み合意」への進展はなかった。市場では「何らかの合意を得られる」、「今回の協議での合意は難しい」と見方は分かれている。

*東京ゴムは、上海安受けて3営業日続落。RSI(14日)=40.3%。先限が30日に、210円の下値支持線を割り込んだため、損切の売りや弱気の売りが膨らみ、205円台まで下落した。

*トウモロコシは反発。RSI(14日)=45.1%。一般大豆は軟調。RSI(14日)=51.8%。米農務省の作付け意向面積と四半期在庫が31日に発表される。最新のロイター通信の予想では、大豆は前年比220万エーカー増の8590万エーカー、トウモロコシは190万エーカー減の8870万エーカーとなっている。大豆が増えトウモロコシが減るとの見方が有力。

*東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価の下落を受けて120円台前半で上値の重い展開。輸入企業のドル買いを背景に、仲値後には120円35銭前後まで値を上げた。ただ、勢いは続かず、その後は120円10銭前後で弱含んでいる。期末を迎え国内銀行や機関投資家は手控えており、動意薄い展開となった。

*日経平均株価は、前日の欧米株高の流れを受け買いが先行したが、年度末の利益確定売りに押され、値を下げた。朝方は前日の欧米市場の株高や円安基調を背景に買い優勢となり、午前中に1万9600円台に乗せたが、その後は年度末による利益確定売りが広がって反落に転じた。市場は、4月1日発表の日銀短観や3日発表の3月の米雇用統計など重要指標を見極めたいようだ。


3月31日(火)
【3月30日の海外相場および市況】
ny0330

*週明け30日のNY金は、ドルの上昇を受けて売りが優勢となり続落した。終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=47.8%。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日の講演で、利上げに慎重な姿勢を強調したが、市場では年内の利上げ開始の見方が根強く、為替市場では、ドルが対ユーロで強含む展開となり、ドル建て金は割高感が強まり売りが強まった。ただ、中東情勢の緊迫化が地政学的リスクとして引き続き意識され、下値を支えたようだ。ギリシャの改革案をめぐり交渉が難航するとの不安も支援要因。ギリシャ政府は先週末、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)に対し、支援融資を受ける条件となる改革案を提出した。白金は続落。終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=38.6%。

*週明け30日のNY原油は、需給緩和懸念が広がる中で売られ続落した。RSI(14日)=50.5%。主要6カ国とイランは、31日の交渉期限に向けて、イランの核開発問題をめぐる協議を続けている。イランへの制裁が解除されれば、同国産の原油輸出が再開し、需給が一段と緩和するとの懸念が広がった。また、為替市場では、ドルが対ユーロで上昇し、ドル建て原油に割高感が生じ、売られた。ただ、世界的な株高を受けて下げ幅は限定的だった。北海ブレント原油も反落。

*シカゴトウモロコシは、小麦相場の急伸受けて続伸。RSI(14日)=57.5%。31日の米農務省の作付け意向面積報告を控え、ポジション調整が入った。トウモロコシの作付け意向面積は減少するとみられている。シカゴ大豆は、作付意向面積の発表を控えてポジション調整から小反発。RSI(14日)=42.6%。

*週明け30日のNY外国為替市場のドル円相場は、年内の米利上げ観測を背景としたドルの買い戻しが優勢となり、120円台前半に上昇した。中国人民銀行(中央銀行)による追加緩和の噂をきっかけに、ドル円は海外市場で上昇基調に転じた。2月の米個人消費支出は前月から0.1%増加。市場予想平均の0.2%増には届かなかったものの、3カ月ぶりにプラスに転じた。また、NYダウの上昇もドル買い・円売りを後押しした。ユーロは、ギリシャ金融支援をめぐる協議への不安を背景に弱含んだ。

*週明け30日のNYダウは、海外株高を好感して大幅続伸。中国で金融緩和の観測が高まったことを受けて、アジアや欧州の株式が上昇。米国株も買いが先行した。企業の買収・合併(M&A)が相次いだことも、再編期待につながり、買い要因になった。一時、300ドル近く上昇し、1万8000ドルの大台を回復したが、引けにかけて伸び悩んだ。


【本日以降の主な経済指標およびイベント】
15:00 (独) 2月小売売上高指数 [前月比] +2.9%(+2.3%) -0.7%
   (独) 2月小売売上高指数 [前年比] +5.3% +3.4% 
16:55 (独) 3月失業者数 -2.0万人 -1.2万人
16:55 (独) 3月失業率 6.5% 6.5%
17:30 (英) 第4四半期GDP・確報値 [前期比] +0.5% +0.5%
   (英) 第4四半期GDP・確報値 [前年比] +2.7% +2.7%
18:00 (ユーロ圏) 2月失業率 11.2% 11.2%
18:00 (ユーロ圏) 3月消費者物価指数・速報 [前年比] -0.3% -0.1%
21:00 (南ア) 2月貿易収支 -242億ZAR -57億ZAR
21:30 (加) 1月GDP [前月比] +0.3% -0.2%
22:00 (米) 1月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 [前年比] +4.46% +4.60%
22:45 (米) 3月シカゴ購買部協会景気指数 45.8 51.7 --
23:00 (米) 3月消費者信頼感指数 96.4 96.4 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果


【3月30日 国内市況と終値】
tk0330

*金は反落。前週末のNY金が軟調だったことを受けて売りが先行、NY金時間外相場も軟調に推移したことから、下げ幅を拡大した。RSI(14日)=46.3%。27日に発表された米経済指標は、3月のミシガン大学消費者景況感指数の確報値が93.0と暫定値から上方修正された上、市場予想を上回った。一方、2014年10~12月期の実質GDP確定値は年率で前期比2.2%増と市場予想を下回った。NY金は8営業日ぶりに反落した。利益確定売りが出たためとみられている。白金は大幅下落。NY白金相場の下落を受けて下値探りとなった。RSI(14日)=37.1%。

*中東産原油は大幅続落。前週末の欧米原油相場では、イエメン情勢を手掛かりとした上昇が一服し、利益確定売りに反落したことことから、手じまい売りが先行した。終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=43.0%。石油製品は原油安になびき大幅続落した。ガソリン終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=41.5%。灯油終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=47.7%。週末27日、イエメン情勢の悪化を背景とした26日の騰勢が一服して急落となった。週明けのNY原油時間外相場も48ドル台前半に続落している。イエメンの原油生産量は少なく、今回のイエメンでの緊張が原油供給に与える影響はほとんどないとの見方が有力になっている。イランの核協議をめぐり、市場の一部で「合意に近づいている」との観測が高まっていることも、原油相場を圧迫している。ただ、イエメン情勢、イラン核協議ともに完全に解決されたわけではなく、突発的な情勢変化には注意が必要だろう。

*ゴムは続落。上海相場安や、中東産原油の下落が嫌気された。終値は10日、25日、50日の移動平均線を下回った。RSI(14日)=42.8%。

*トウモロコシは続落。前週末のシカゴトウモロコシ相場の下落を受けて売りが優勢となった。RSI(14日)=37.7%。一般大豆は反発。RSI(14日)=52.0%。シカゴ穀物市場は、31日に発表される四半期在庫と作付け意向面積を控えて様子見状態。

*東京外国為替市場のドル円相場は、119円台前半で保ち合い状態。日経平均株価はプラスで推移したが、ドル円の反応は鈍く、動きは鈍かった。年度末を控えて、積極的には動きにくいようだ。

*日経平均株価は、前週末までの下落を受け、押し目買いが入り、3営業日ぶりに反発した。為替市場が落ち着いた動きになり、日経平均は一時190円近く上昇する場面もあった。一方、2月の鉱工業生産は市場予想を下回る低調な内容で、相場の重しとなった。市場は、4月1日に発表される3月の日銀短観(企業短期経済観測調査)で、景況感の改善を確認したいようだ。

3月30日(月)
【3月27日の海外相場および市況】
ny0327

*週末27日のNY金は、利益確定の売りに8営業日ぶりに反落した。終値は1200ドルを割り込んだ。RSI(14日)=55.5%。金相場は、ドル安・ユーロ高の進行やサウジアラビアなどアラブ諸国によるイエメン攻撃を受けたリスク回避の動きから、前日までは上伸基調で推移した。このため、週末は利益確定売り圧力が強まった。イエメンでイスラム系武装組織「フーシ派」に対する空爆が2日目に入り、地政学的リスクに対する警戒感が強まる一方で、ドルが対ユーロで値を下げたこともあって、1200ドルを挟んで売り買いが交錯した。CFTC建玉3月24日時点:ファンドの金買い越しは5万4281枚(前週比+1188枚)と買い越し幅は増加。総取組高は43万3767枚と前週比4029枚の増加。ファンドは売り、買い共に増やしている。

*白金は反落。RSI(14日)=46.7%。CFTC建玉3月24日時点:ファンドの白金買い越しは2万2160枚(前週比+1226枚)と買い越し幅は増加。総取組高は7万2949枚と前週比929枚の増加。ファンドは売りを減らし、買いを増やしている。

*27日のNY原油は、イエメン情勢の悪化を背景とした前日の騰勢が一服し、利食い売りに反落した。RSI(14日)=51.0%。前日は、サウジアラビア主導のアラブ各国部隊による空爆開始の報を受け、相場は急伸したが、イエメンの産油量は多くないほか、バブ・エル・マンデブ海峡を通過する輸送ルートも迂回可能との見方が浮上し、中東産原油の供給混乱懸念が後退した。加えて、今週末開催のイラン核問題をめぐる協議も投資家心理を圧迫。イランと米欧など6カ国は、イランの原油禁輸制裁解除につながる可能性がある3月末の「政治的枠組み合意」を目指し、詰めの交渉を行っているが、「政治的な枠組み合意」がまとまれば、原油輸出を制限する制裁措置が解かれ、供給量が一段と増加する公算が大きいとの観測が強まった。このため、相場は50ドルの節目を割り込み一段安となった。イランは、2012年に日量250万バレルを輸出していたが、欧米主導の経済制裁で同100万バレル程度まで落ち込んでいる。このため同国は、制裁で失った原油市場のシェア回復に強い意欲を示している。CFTC建玉3月24日時点:ファンドの原油買い越しは20万6887枚(前週比-3万6601枚)と買い越し幅は減少。総取組高は174万8067枚と前週比1万2654枚の減少。ファンドは売りを増やし、買いを減らしている。北海ブレント原油も地政学的リスクの剥落を受けて急落。

*シカゴトウモロコシは、来週31日の米農務省の作付け意向面積報告を控え、売りが先行し、反落した。
RSI(14日)=54.5%。CFTC建玉3月24日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは9万6386枚(前週比+3万3506枚)と買い越し幅は増加。総取組高は133万3440枚と前週比2473枚の増加。ファンドは売り、買い共に減らしているが、商業筋が売りを増やしている。

*シカゴ大豆は、南米産大豆の収穫拡大や、米国での大規模な作付け観測が圧迫材料となり、1週間ぶりの安値を付けて4営業日続落となった。RSI(14日)=42.3%。CFTC建玉3月24日時点:ファンドの大豆売り越しは8576枚(前週比-1949枚)と売り越し幅は減少。総取組高は72万8285枚と前週比1万2268枚の増加。ファンドは売り、買い共に増やしている。

*週末27日のNY外国為替市場のドル円相場は、119円付近で小動きにとどまった。2014年10~12月の実質GDP(国内総生産)確定値は、前期比2.2%増と改定値と同水準だった。増加幅は市場予想の2.4%を下回ったため、ドル売り圧力が掛かり、一時は118円台後半に下落したが、週末要因でドルが買戻され、引けにかけて119円台に浮上した。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日の講演で、景気回復が続けば年内の利上げが正当化されると発言。ただ、判断は経済指標次第と改めて強調し、利上げは緩やかなペースを想定しているとの考えを示すにとどまり、相場への影響は限られた。

*週末27日のNY株式相場は、5営業日ぶりに小反発した。中東情勢の悪化を背景に前日急騰した原油価格が利益確定の売りで下落すると、NYダウもこれに追随した。その後は予想を上回るミシガン大消費者景況感指数を好感して再びプラス圏に転じたものの、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演を終盤に控えて、次第に買い戻された。イエレン議長は講演で、利上げは経済データ次第だと改めて強調したが、相場への影響は限定的だった。米企業がドル高の進行した1~3月期の決算シーズンを4月に迎えるほか、4月3日には3月の米雇用統計を控えており、様子見姿勢が強まっている。

【本日以降の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 2月鉱工業生産・速報 [前月比] +3.7% -1.9%
          (日) 2月鉱工業生産・速報 [前年比] -2.8% -0.6%
21:00 (独) 3月消費者物価指数・速報 [前月比] +0.9% +0.4%
          (独) 3月消費者物価指数・速報 [前年比] +0.1% +0.3%
21:30 (米) 2月個人所得 [前月比] +0.3% +0.3%
21:30 (米) 2月個人支出 [前月比] -0.2% +0.2%
21:30 (米) 2月PCEデフレーター [前年比] +0.2% +0.3%
21:30 (米) 2月PCEコア・デフレーター [前月比] +0.1% +0.1% 
          (米) 2月PCEコア・デフレーター [前年比] +1.3% +1.3% 
23:00 (米) 2月中古住宅販売成約 [前月比] +1.7% +0.4% 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果

【3月27日 国内市況と終値】
tk0327

*金は5営業日続伸。イエメン情勢など地政学リスクに対する警戒感からNY金が上昇し、買いが先行。利食い売りに押されて伸び悩んだが、NY金時間外相場の堅調を眺め、4600円台で引けた。RSI(14日)=53.5%。白金も堅調。RSI(14日)=45.5%。26日のNY金は、イエメン情勢に対する懸念から7営業日続伸。終値が心理的な節目の1200ドルを上抜いたことで、買い戻しが優勢になった。サウジアラビアなどがイエメンへ軍事介入したことを契機に原油価格が急伸、為替市場ではドル安が進んだ。NY金は、一時1219.50ドルの高値を付けたが、その後押し戻された。市場は、今夜(日本時間28日午前4時45分)に予定されているイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演に注目している。イエレン議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、ドル高がもたらす悪影響について懸念を示してたが、ドル高に対する牽制発言が出れば、金には追い風となるだろう。

*中東産原油は反落。イエメン情勢の緊迫を背景に26日の欧米原油相場が上昇したことを受け、高寄りしたが、その後は、NY原油時間外相場の上値の重さを眺めた利益確定の売りに反落に転じた。RSI(14日)=48.9%。石油製品も反落。ガソリンのRSI(14日)=48.9%。灯油のRSI(14日)=54.5%。NY原油時間外相場は、でじりじりと上値を削っている。サウジアラビア主導のアラブ各国部隊によるイエメンでの空爆作戦で地政学的リスクが意識され、26日の取引では買いが殺到したが、週末を控え、利益確定売りが出ているようだ。ただ、サウジ軍主体のアラブ各国部隊は26日夜もイエメンでの空爆作戦を続行したもようで、展開次第では相場が大きく吹き上がる可能性は残っている。一方、米国の需給は緩和している。米エネルギー情報局(EIA)の最新の週報では、原油在庫は4億6670万バレルと、過去最高に積み上がっている。ただ、最新週の生産は前週比3000バレル増にとどまり、1月30日までの1週間(3万6000バレル減)以来の低調な状況だったが、市場は、減少傾向に転じたかどうか、今後数週間は見る必要があるとしている。

*東京ゴムは、上海ゴム相場が中国の景気減速懸念から下げたことを受けて大幅安。RSI(14日)=40.9%。

*トウモロコシは続落。RSI(14日)=40.9%。一般大豆は上伸。RSI(14日)=51.4%。シカゴ市場では、大豆に関して31日に米農務省が発表する作付け意向面積が、2月に同省が示した8350万エーカーを上回るとの見方が浮上し、圧迫材料となっている。週間成約高によると、今年度の中国向け累計は前年同期比6.9%増の2866万500トンとなり、伸び率は鈍化傾向が続いている。中国経済の減速に加えて、ドル高が南米産大豆との競争上の足かせになっている。

*東京外国為替市場のドル円相場は、株価の急落になびいて119円台前半で上値重い展開となった。ただ、株価の下げほどには、ドル円は下落しなかった。

*日経平均株価は大幅続落。株価指数先物への仕掛け的な売りを受けて裁定解消売りが広がり、日経平均は下落幅を広げた。欧米株安に引きずられる形で下落して始まった後に切り返し、前日比100円超も値上がりする場面があった。しかし、午後になると、株価指数先物に売りがかさみ、マイナス圏に転落し、一時は400円近く値下がりした。


3月27日(金)
【3月26日の海外相場および市況】
ny0326

*26日のNY金は、サウジアラビア主導の対イエメン空爆開始を受けてリスク回避の買いが入り、6営業日続伸した。終値が1200ドル台を回復したのは3月4日(1200.90ドル)以来約3週間半ぶり。サウジと湾岸アラブ諸国が、イエメン南部の都市アデンを掌握したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」に対する空爆を開始したとの報を受け、投資家のリスク警戒感が強まった。空爆は、サウジが地上部隊を投入した攻撃を視野に入れた準備との見方もあり、先行き不透明感が強まった。市場では、投資資金を相対的に安全とされる金やドイツ債に振り向ける動きが活発化した。さらに、為替市場で対ユーロでのドル下落が重なり、ドル建て金の割安感が強まって買い意欲が高まった。一時1219.50ドルまで上伸したが、NY市場に入ると、ドル安の流れが反転したため、徐々に上昇幅を縮小した。終値は50日移動平均線を上回った。RSI(14日)=58.5%。白金は続伸。終値は25日移動平均線を上回った。RSI(14日)=50.8%

*26日のNY原油は、イエメンの空爆開始を受けて中東地域の地政学的リスクが高まり続伸した。サウジアラビアとその同盟国がイエメンのイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」への空爆を開始したことを受け、中東のエネルギー輸送が危険にさらされる恐れがあるとの懸念が高まった。イエメンは産油国としては重要性が低いものの、スエズ運河に向けた原油輸送ルートの主要通過点となるバブ・エル・マンデブ海峡に面していることから、供給への影響が懸念されている。終値は50日移動平均線を上回った。RSI(14日)=58.8%。北海ブレント原油も地政学的リスクを受けて一時60ドルに迫るなど急伸した。

*シカゴトウモロコシは、5営業日ぶりに反落。一時2月20日以来の高値まで上伸したが、ドル高を受けた利食い売りに圧迫され、下落に転じた。RSI(14日)=54.8%。シカゴ大豆は3日続落。ドル高や、米政府が来週発表するリポートで、農家が大規模な作付けを計画
していることが示されるとの観測に圧迫された。RSI(14日)=45.3%。

*26日のNY外国為替市場のドル円相場は、サウジアラビアによるイエメンへの軍事介入をきっかけにリスク回避からドル売り・円買いとなり反落した。サウジ軍はこの日、周辺アラブ国の支持を背景にイスラム教シーア派系武装勢力が攻勢を強めるイエメンの首都サヌアで空爆を実施。地上部隊の投入を準備しているとも伝えられる中、安全通貨とされる円やスイス・フランが買われた。円は、欧州時間に一時118円30銭近辺まで上伸。しかし、NY市場に入ると反発した。米労働省が朝方発表した週間新規失業保険申請件数は、9000件減の28万2000件。市場予想の29万件に比べ少なく、ドル買いが強まり119円台を回復した。

*26日のNY株式市場は、中東情勢の悪化を受けて4営業日連続で下落。サウジアラビア主導の部隊によるイエメン空爆を嫌気して売りが先行。ギリシャの債務問題をめぐる不透明感も相場を圧迫し、ダウは一時、約140ドル安まで売られた。この日発表された新規失業保険申請件数は、予想よりも良好な内容。売り一巡後には買いが入り、株価は一時プラス圏まで戻す場面があったが、結局再び売られた。米主要企業の1~3月期決算は減益の見通しで、ドル高の影響もあって買いが入りにくいようだ。


【本日以降の主な経済指標およびイベント】
08:30 (日) 2月全国消費者物価指数 [前年比] +2.4% +2.3% 
   (日) 2月全国消費者物価指数 [前年比:除生鮮] +2.2% +2.1% 
08:30 (日) 2月失業率 3.6% 3.5% 
21:30 (米) 第4四半期GDP・確報値 [前期比年率] +2.2% +2.4% 
23:00 (米) 3月ミシガン大消費者信頼感指数・確報値 91.2 92.0 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

【3月26日 国内市況と終値】

tk0326

*金は4日続伸。25日のNY金は、ハト派的なシカゴ連銀総裁発言やさえない米指標を映し、6営業日続伸した。東京市場も、NY高になびいて上昇し、堅調なNY時間外相場を受けて一時4598円と9日以来の高値を付けた。終値は25日移動平均線を上回った。RSI(14日)=50.0%。白金はNY高を受けて反発。終値は10日移動平均線を上回った。RSI(14日)=43.4%。ハト派的な米シカゴ連銀総裁のエバンズ総裁は講演で、米国の利上げ実施時期に関して、2016年まで利上げを見送ることが適切との見解を示した上で、「最初の利上げ時期は16年上半期」と予想した。2月の米耐久財受注は前月比1.4%減と市場予想の0.4%増を大幅に下回った。米経済指標は、雇用関連統計を除き、このところ弱い内容となっており、市場では、1~3月期の米GDPが下振れすれば、利上げ実施時期が遠のく可能性があると見ている。

*東京原油は大幅高。一時4万4900円まで上昇し、13日の4万5650円以来約2週間ぶりの高値を付けた。RSI(14日)=51.0%。サウジアラビアは26日、イスラム教シーア派系ザイド派武装勢力が攻勢を強めるイエメンに対して軍事介入した。これを受けてNY原油時間外相場が急騰し、東京原油もCBを交えて上げ幅を拡大した。石油製品も連れて大幅上昇となった。ガソリンのRSI(14日)=48.9%。灯油のRSI(14日)=54.6%。夜間取引で発会した新甫10月限は、ガソリンが5万8360円、灯油が5万7840円まで上伸し、それぞれ16日(5万8390円)、11日(5万8020円)以来の高値を付けた。

*東京ゴムは、上海相場の堅調を受けて反発。新甫9月限は発会値比1円80銭高だった。RSI(14日)=55.0%。25日の3月限納会値は前日比3円80銭高の216円30銭と高納会だった上、受け渡し枚数が669枚(3345トン)と2014年8月以来の大受け渡しだった。

*トウモロコシは為替の円高を受けて反落。RSI(14日)=46.3%。一般大豆も円高に押されて軟調。RSI(14日)=51.9%。

*東京外国為替市場のドル円相場は、ストップロスの売りが膨らみ118円台後半に急落した。日経平均株価が大幅安になったのを受けて119円20~30銭前後で軟調に推移していたが、午後からはドル売りが強まり、119円20銭を割り込むと一時118円80銭まで下落した。引けには買戻しも入って118円90銭前後で保ち合いとなった。イエメンに対する周辺国の軍事介入が始まり、リスクオフムードが強まり、円が買われた面もあったようだ。

*日経平均株価は、米株安や円相場の上昇に加え、短期的な過熱感が出ていることから幅広い業種で利益を確保する売りが優勢となり、大幅反落となった。前日に発表された2月の米耐久財受注が予想以上に低調だったことから米景気の先行きに不透明感が出始め、投資家心理が悪化した。米経済指標の悪化がリスク回避の動きにつながったとみられる。ただ、国内の景気回復や企業の業績拡大に対する期待は依然根強いようだ。

【白金と金の逆ザヤ解消には時間がかかりそう】

先週17、18日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では、フォワードガイダンスから「忍耐強くなれる」との文言が削除された一方で、景気見通しは前回の「しっかりと拡大」から「やや緩やかになった」へと表現が弱められた。

「労働市場のさらなる改善、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻ると合理的確信が持てた時に、政策金利の目標誘導レンジを引き上げることが適切」と声明文に記載され、市場は、6月の利上げの可能性は小さくなったと見ている。

FOMCによるFF金利見通しも、前回の12月時点の1.125%から0.625%へと下方修正され、金利先物市場では9月の利上げ開始予想が優勢となった。

現段階では0.25%ずつのペースであれば、今年中は多くても2回程度の利上げにとどまるとの見方が有力になった。加えて、米国ではドル高が輸出の足かせになっているとの見方も出ており、FOMC後はドル高の是正が継続している。

ドル買いポジションが巻き戻された結果、ドル建て国際商品価格には割安感が生じ、先週から貴金属、エネルギー、穀物は軒並み下値を切り上げている。

CRB指数も18日につけた年初来安値である209ポイントから、24日には217ポイント台へ3.8%も反発しており、下落相場が続いていた商品相場に転機が訪れている。

NY金は先週18日の安値1141.6ドルから、25日の終値1197.0ドルまで4.8%上昇し、NY白金は先週18日の安値1086.7ドルから、25日の終値1146.5ドルまで5.5%上昇している。

ここで注目は、反発に転じた場合、白金の上昇率が金の上昇率を上回ることだろう。市場規模は白金の方が小さいため、いざ動き出すと、白金のボラティリティ(変動率)が高まる。

さて、白金と金は、1月19日にNY市場と東京市場で同時に逆ザヤ(白金が金よりも安い)状態になった。東京市場では、2月2日に130円まで拡大し、2月6日には同ザヤまで縮小した。その後、再び拡大し、3月18日には170円まで拡大した。週明け23日には114円まで縮小したものの、25日には147円まで拡大している。3月18日の170円を超えることがなければ、サヤ縮小の可能性が高まる。

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金相場にとっては、ドル下落に加えて、最近の不安定な株式市場が強材料になっている。25日のNY株式市場は、2月の耐久財受注額が前月比1.4%減と市場予想の0.4%増を大きく下回り、米景気の先行きに対する警戒感が強まって大幅下落となった。3月期末を控えたファンドが換金売りを出しいることもあり、株式相場は戻り売り優勢の展開になってきた。

一方、白金相場にとっては、ドル安は金相場同様に強材料だが、産業用貴金属という側面から株式市場の下落は嫌気される。また、24日に発表されたHSBCの3月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想を下回り、需要減退への懸念が出ていることも弱材料視されている。そのため、25日に発表されたドイツの3月IFO景況指数が107.9と予想の107.3を上回り、前回の106.8よりも大幅改善したという強材料を相殺してしまったようだ。

白金と金の逆ザヤ解消には、まだ時間がかかりそうだ。

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3月26日(木)
【3月25日の海外相場および市況】
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*25日のNY金は、ドル安を受けて買いが継続し、6営業日続伸となった。終値は今月4日以来3週間ぶりの高値を更新した。ドイツの3月IFO景況指数が107.9と予想の107.3を上回り、前回の106.8も大幅に上回った。欧州連合(EU)最大の経済国であるドイツの企業景況感指数が昨年7月以来の高水準となり、5カ月連続で上昇した。 一方、米国の耐久財受注は前月比で-1.4%と予想の+0.2%を大きく下回った(前回は+2.0%)。これを受け、為替市場ではドル売り・ユーロ買いが一段と加速し、ドル建て金は割安感から買われた。一時1200ドルの節目が迫ったが、原油相場が国内在庫の急増を嫌気した売りに上げ幅を圧縮すると、インフレヘッジを目的とした買いが弱まり、上値の重い展開となった。RSI(14日)=55.0%。白金はドル安を受けて反発。RSI(14日)=47.7%。

*25日のNY原油は、地政学的リスクへの懸念が強まる中、対ユーロでのドル安を受けて買われ、続伸した。終値は3月9日(50.00ドル)以来2週間ぶりの高値で終了し、25日移動平均線を上回った。RSI(14日)=53.1%。イエメン情勢が緊迫化する中、南部アデンにあるハディ大統領の滞在先の敷地一帯が空爆を受けたとの報道で、地政学的リスクへの懸念が強まった。イエメンでの戦闘は中東からの原油積み出しの安全性に関する懸念をもたらすという。為替市場では、ドイツと米国の景況感の違いから、ドルが対ユーロで下落した。ただ、米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫が前週比820万バレル増と、市場予想の510万バレルを上回る積み増し幅となったことは嫌気された。北海ブレント原油もドル安と地政学的リスクを受けて上昇した。

*シカゴトウモロコシは、米国の今春のトウモロコシ作付面積が前年実績を下回るとの見通しが強材料となり、2月27日以来約1カ月ぶりの高値を付け、4日続伸した。市場予想によると、米農務省が来週発表する作付け意向面積報告では、前年比で大豆の作付面積が拡大する一方、トウモロコシは縮小すると見込まれている。RSI(14日)=58.6%。

*シカゴ大豆は、南米の豊作や、来週の米作付け意向面積報告では、大豆が増加するとの見通しから売られた。RSI(14日)=47.1%。

*25日のNY外国為替市場のドル円相場は、米シカゴ連銀総裁の発言や軟調な米経済指標で早期利上げ観測が後退し、下落する展開となった。米シカゴ連銀のエバンズ総裁がロンドンでの講演で、6月の利上げの可能性について「時間をかけて経済動向を精査する必要がある」と慎重な見解を述べたことから、円買い・ドル売りが進み、一時119円23銭を付けた。2月の耐久財受注額が前月比1.4%減と、市場予想の0.4%増に反して落ち込んだことも、ドル売りを強めた。その後、ドルの買い戻しが入り、円が上げ幅を縮小する場面もあったものの、引けにかけて119円50銭前後に落ち着いた。ユーロ相場でドルが売られていたことも、円買い・ドル売りをサポートした。

*25日のNY株式市場は、低調な米経済指標を受けて、景気への先行き警戒感が台頭し、大幅続落した。2月の耐久財受注額は前月比1.4%減と市場予想の0.4%増を大きく下回った。米景気の先行きに対する警戒感が強まり、株式市場では売り優勢の展開となった。3月期末を控えたファンドが換金売りを出しいるとの観測も出ていた。


【本日以降の主な経済指標およびイベント】
18:30 (英) 2月小売売上高指数 [前月比] -0.7% +0.4%
      (英) 2月小売売上高指数 [前年比] +4.8% +4.2%
18:30 (南ア) 2月生産者物価指数 [前年比] +3.5% +2.8%
21:30 (米) 週次新規失業保険申請件数 29.1万件 29.0万件
未定 (南ア) SARB政策金利発表 5.75% 

*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。


【3月25日 国内市況と終値】
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*金は3日続伸。RSI(14日)=47.0%。昨夜のNY金は、NYダウの下げを受けて続伸。東京金も買いが先行した。ただ、NY時間外が反落したため、上値を削った。また、金価格と逆相関にあるとドル相場は、米国の早期利上げ観測の後退を受けて伸び悩んでおり、金相場のサポート要因になっている。白金はNY安を受け、3営業日ぶりに反落。RSI(14日)=41.5%、今夜は2月の米耐久財受注が発表される。前回0.3%、予想0.2%。

*中東産原油は3営業日ぶりに反落。RSI(14日)=42.6%。石油製品も原油に連れて安い。ガソリンのRSI(14日)=41.3%。灯油のRSI(14日)=42.4%。石油製品は本日納会。4月当限は、ガソリンが350円安の5万5960円、灯油が400円安の5万2220円と、ともに安納会。

*ゴムは反落。上海相場の軟調地合いを受けて下げ幅が拡大した。ただ、終値は25日移動平均線にサポートされた。RSI(14日)=51.6%。24日に発表されたHSBCの3月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想を下回り、需要減退への懸念が出ていることが弱材料視されたようだ。一方、3月当限は3円80銭高の216円30銭と高納会した。

*トウモロコシは反発。シカゴ相場が米作付け意向面積の減少観測から上伸したことで、買い優勢となった。RSI(14日)=47.7%。一般大豆はまちまち。終値は50日移動平均線にサポートされた。RSI(14日)=51.5%。大豆に関しては、24日に発表された3月のHSBC中国製造業PMIが49.2と節目の50を割り込み、中国景気への期待感が後退したことが圧迫要因になっているようだ。

*東京外国為替市場のドル円相場は、119円60~70銭を挟んで小動きとなっている。日経平均株価が一時下げ幅を広げる場面もあったが、ドル円は反応に乏しく、方向感のない動きとなった。

*日経平均株価は小幅上昇。ただ、利益確定売りで上値は重かった。一時、前日比171円あまり安くなる場面もあったが、引けにかけて持ち直し、プラス圏に浮上した。市場では、株高期待が根強い。配当や株主優待を確保するための買いが入っていることに加え、日銀の上場投資信託(ETF)買い入れや公的年金の株式運用比率引き上げが下値をサポートしているようだ。

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