テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2016年02月

【2月29日(月) 国内市況と終値】
tk0229

*29日の金は反落。前週末のNY金がドル高を背景に下落し、為替も円高となったことから売りが優勢となった。白金は反発。26、27日に中国・上海で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、金相場にはあまり材料視されなかったようだ。今週は、米国の経済指標が多数発表される。米サプライ管理協会(ISM)米製造業・非製造業景況指数、オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用報告、週末の3月4日には2月の米雇用統計があるため、指標に一喜一憂する展開になりそうだ。

*29日の中東産原油は反落。週明けのNY原油時間外が堅調に推移していたため、プラス圏に浮上する場面があったが、午後に入り、円高が進行し、NY原油時間外が反落したため、売りが優勢となった。原油安を受け、石油製品も下げた。

*29日のゴムは円高を受けて軟調。ゴム産地では3月から主要生産3カ国による輸出規制がスタートするため、売り込みにくくなりそうだ。

*29日のトウモロコシは円高を受けて続落。一般大豆は堅調。26日の米農産物展望会議(アウトルック・フォーラム)では、2016~17年度の米トウモロコシの需給見通しが、作付面積9000万エーカー(前年度は8800万エーカー)、イールド(エーカー当たり収量)168.0ブッシェル(168.4ブッシェル)、期末在庫19億7700万ブッシェル(18億3700万ブッシェル)と一段の緩和が見込まれた。

*29日の東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価の反落を受けて円高で推移した。ドル円は早朝、113円70銭前後で推移していた。日経平均株価が堅調に始まり、113円80銭前後に浮上したが、その後は株価の上げ幅が縮小し、マイナスに転じるとドル円も下落基調が強まった。中国上海株の下落もドル円を圧迫した。

*29日の日経平均株価は3日ぶりに反落。前週末に中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が通貨安競争回避を確認したにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)が対ドル基準値を大幅な人民元安に設定したことが嫌気された。人民元安に続いて中国上海株が下落し、円高が進行したことも弱材料視された。


第55回 『おしえて陳さん』 
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2月29日(月)
【2月26日の海外相場および市況】
ny0226

*週末26日のNY金は、対ユーロでのドル高に圧迫されて売られて続落。2015年10月~12月期の実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.0%増と、速報値の0.7%増から上方修正され、市場予想の0.4%増も上回った。これを受けて、米景気の先行き懸念が後退し、ドルがユーロなどの主要通貨に対して上昇し、ドル建て金に割高感が強まった。CFTC建玉2月23日時点:ファンドの金買い越しは14万4978枚(前週比+2万7618枚)と買い越し幅は増加。総取組高は44万5290枚と前週比1万6378枚の増加。ファンドは買いを増やし、売りを減らしている。

*週末26日のNY白金はドル高を受けて続落。南アフリカ白金大手アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ)は26日は発表の声明で、ユニオン、トゥイッケナム両鉱山で、計最大2000人を削減することを明らかにした。CFTC建玉2月23日時点:ファンドの白金買い越しは3万3507枚(前週比+1413枚)と買い越し幅は増加。総取組高は6万4316枚と前週比560枚の減少。ファンドは買い、売りを共に減らしている。

*週末26日のNY原油は3日ぶりに反落した。主要産油国による増産凍結期待などを背景に追随買いが入ったが、2015年10月~12月期の実質国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比1.0%増と、速報値の0.7%増から上方修正されたことを受けて為替市場ではドル高となり、ドル建て原油には割高感が強まり利食い売りが優勢となった。CFTC建玉2月23日時点:ファンドの原油買い越しは20万5856枚(前週比+4万6869枚)と買い越し幅は増加。総取組高は177万6696枚と前週比6万3355枚の減少。ファンドは買いを増やし、売りを減らしている。

*週末26日のシカゴトウモロコシはドル高が嫌気されて4日続落。米農務省は農産物展望会議で、トウモロコシの期末在庫が12年ぶりの高水準に到達すると予想した。CFTC建玉2月23日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは2万4800枚(前週比-1万6144枚)と売り越し幅は減少。総取組高は135万5719枚と前週比5万1343枚の減少。ファンドは買いを増やし、売りを減らしている。

*週末26日のシカゴ大豆もドル高が嫌気されて3日続落。米農務省は農産物展望会議で、今年の大豆の生産高は38億1000万ブッシェル(前年度39億3000万)に減ると予測した。CFTC建玉2月23日時点:ファンドの大豆売り越しは2万9377枚(前週比-2万6204枚)と売り越し幅は減少。総取組高は71万3828枚と前週比3万2188枚の減少。ファンドは買いを増やし、売りを減らしている。

*週末26日のNY外国為替市場のドル円相場は、堅調な米経済指標の発表を受けて米国の追加利上げ時期が早まるとの観測が強まり、約1週間ぶりに114円まで上昇した。2015年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比1.0%増と上向き改定され、市場予想の0.4%も上回り、1月の個人消費支出も前月比0.5%増と堅調だったため、米景気の先行き懸念が後退し、追加利上げに動きやすくなったとの見方が広がった。

*週末26日のNYダウは、堅調な米経済指標を受けて早期利上げ観測が広がり、3日ぶりに反落した。2015年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は、季節調整済み年換算で前期比1.0%増と、速報値の0.7%増から上向き改定された。市場予想の0.4%増も大幅に上回り、米経済の力強さが好感された。しかし、1月の米個人消費支出が前月比0.5%増と市場予想の0.3%増を上回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げが早まるのではないかとの見方が台頭し、一転して株価は上げ幅を削る展開となった。原油相場の反落も弱材料視された。

【本日の主な経済指標およびイベント】
06:45 (NZ) 1月住宅建設許可 (前月比) +2.3%
08:50 (日) 1月鉱工業生産・速報 (前月比) -1.7% +3.2%
09:00 (NZ) 2月ANZ企業景況感 (前月比) 23.0
16:00 (独) 1月小売売上高指数 (前月比) -0.2%(+0.6%) +0.3
18:30 (英) 1月消費者信用残高 +12億GBP +14億GBP
19:00 (EU) 2月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +0.3% +0.1%
23:45 (米) 2月シカゴ購買部協会景気指数 55.6 53.0
24:00 (米) 1月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) +0.1% +0.8%
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

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【2月26日(金) 国内市況と終値】
tk0226

*26日の金は続伸。為替の円安を受けて買いが優勢となった。白金は大幅反落。26、27日には中国の上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。G20では、原油安や中国経済の先行き懸念などを背景とした金融市場の混乱を抑えるための政策協調ができるかに注目が集まっている。ただ、先進7カ国(G7)に新興国も加わり、利害が一致しないため、実効性のある具体的な政策は出しにくいと見られている。来週は米国や中国で重要な経済指標が相次いで発表されるが、悪い内容が続けば、金は一段と上伸しそうだ。

*26日の中東産原油は続伸。25日の欧米原油相場が、産油国の協調策への期待感から上昇した上、円安・ドル高もあって買いが優勢となった。原油高に追随して石油製品も上伸。ロイター通信によると、ベネズエラのデルピノ石油・鉱業相は、サウジやロシア、カタールと3月中旬に会合を開催することを明らかにした。相場安定に向けた取り組みの一環が期待されているが、開催都市はまだ決まっていない。

*26日のゴムは小反落。前日の中国株の急落や上海ゴム相場の大幅下落を眺めて、ポジション調整の売りが先行した。

*26日のトウモロコシは反落。25日のシカゴ相場が下げたことを受け、手じまい売りが先行した。一般大豆は値頃の買いなどに先ぎりが上昇。

*26日の東京外国為替市場のドル円相場は、朝方は日経平均株価の上昇を受けて113円20銭台に上昇したが、その後は、株価の上げ幅が縮小して122円台半ばに下落した。

*26日の日経平均株価は小幅続伸。朝方はNYダウの上昇を受けて300円以上高くなったが、買いの勢いが続かず、上げ幅を縮めた。週末を前に利益確定売りが出たようだ。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が中国・上海で始まった。市場では、各国が金融市場の安定に向けて協調して取り組むことが期待されている。

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2月26日(金)
【2月25日の海外相場および市況】
ny0225

*25日のNY金はほぼ横ばい。1月の米耐久財受注が前月比4.9%増と市場予想の2.5%増を大きく上回り、最新週の米新規失業保険申請が27万2000件と市場予想の27万件にほぼ沿う内容だった。これを受けて、為替市場ではドル買い・ユーロ売りが加速し、ドル建て金は割高感に押されて下落した。ただ、その後は世界的な景気先行き不透明感に支えられて下げ幅を縮小した。NY白金は3日ぶりに反落。

*25日のNY原油は続伸。前日発表された米エネルギー情報局(EIA)週報で原油在庫の積み上がりが350万バレルと依然高水準だったことから供給過剰懸念が残り、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が今週に入り、減産の可能性を否定したことから序盤は下落していた。しかし、べネズエラのデルピノ石油鉱業相が原油相場の安定化に向け、サウジ、ロシア、カタール各国石油相との会合を3月半ばに開く方針を明らかにしたとの報が伝わると急上昇に転じた。米シェールオイル業界の大規模事業延期や人員削減も好感された。米エネルギー大手コンチネンタル・リソーシズは原油安を背景に、北西部バッケンでの事業延期を見直さないと表明。米資源開発サービス大手ハリバートンは5000人規模の新たな人員削減に踏み切る事を明らかにした。

*25日のシカゴトウモロコシは、潤沢な供給や米国の作付け面積拡大予想を受けて3日続落。米農務省はアウトルック・フォーラムで、米国の今年春のトウモロコシ作付面積が前年比200万エーカー増の9000万エーカーとの見通しを示した。シカゴ大豆は南米の収穫進展、米輸出成約統計を嫌気して続落。米農務省はアウトルック・フォーラムで、今年春の米国の大豆作付面積見通しについて、前年比20万エーカー減の8250万エーカーと発表した。これは市場予想の8330万エーカーを下回る水準。

*25日のNY外国為替市場は、原油相場の上昇を受けて日欧米の株価が上昇し、リスク回避姿勢の後退からドル円相場は113円近くまで上昇した。1月の米耐久財受注が前月比4.9%増と市場予想の2.5%増を大きく上回り、最新週の米新規失業保険申請が27万2000件と市場予想の27万件にほぼ沿う内容だったことも好感された。


*25日のNYダウは、原油相場高が強材料視されて続伸。1月の米耐久財受注が前月比4.9%増と市場予想の2.5%増を大きく上回り、最新週の米新規失業保険申請が27万2000件と市場予想の27万件にほぼ沿う内容だったことも好感された。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:30 (日) 1月全国消費者物価指数 (前年比) +0.2% 0.0% 0.0%
   (日) 1月全国消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) +0.1% 0.0% 0.0%
08:30 (日) 2月東京都区部消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) -0.1% -0.2% -0.1%
09:05 (英) 2月GfK消費者信頼感 4 3
19:00 (EU) 2月経済信頼感 105.0 104.3
19:00 (EU) 2月消費者信頼感・確報 -8.8 
22:00 (独) 2月消費者物価指数・速報 (前年比) +0.5% +0.1% 
22:30 (米) 10-12月期GDP・改定 (前期比年率) +0.7% +0.4%
22:30 (米) 10-12月期個人消費・改定 (前期比年率) +2.2% +2.2%
24:00 (米) 2月ミシガン大消費者信頼感指数・確報 90.7 91.0
24:00 (米) 1月個人所得 (前月比) +0.3% +0.4%
24:00 (米) 1月個人消費支出 (前月比) 0.0% +0.3%
24:00 (米) 1月コアPCEデフレーター (前月比) 0.0% +0.2%
(米) 1月コアPCEデフレーター (前年比) +1.4% +1.5% 
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

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【2月25日(木) 国内市況と終値】
tk0225

*25日の金は続伸。NY金時間外の上昇を受けて買いが優勢となった。春節の休暇明け以降、アジア時間帯に入ると、中国の実需筋が金を積極的に買っているようだ。白金も続伸。

*25日の中東産原油は反発。24日の欧米原油相場の上昇を受けて買いが優勢となった。石油製品も原油になびいて堅調。ここに来てNY原油は、供給過剰への根強い懸念から下値不安は残るものの、売り圧力も弱まっており、安値では買い戻しが入っている。米エネルギー情報局(EIA)が24日発表した週間在庫統計によれば、原油在庫は前週比350万バレル増となり、増加幅は市場予想の340万バレル増並みだった。一方、ガソリン在庫は220万バレル減と、市場予想の100万バレル減を大きく上回る取り崩しとなり、原油相場の押し上げ要因となった。

*25日のゴムは、上海ゴム高や円安を受けて反発。独自の材料に乏しく、不安定な原油相場に振り回される状況が続いている

*25日のトウモロコシは総じて反発。一般大豆はまちまち。

*25日の東京外国為替市場のドル円相場は、日経平均株価の上昇を受けて112円台前半で堅調に推移している。

*25日の日経平均株価は3日ぶりに反発。円高が一服し、原油相場も反発したことが好感された。二階俊博総務会長が24日、2016年度補正予算案編成の可能性に言及したため、建設や不動産など内需関連株を中心に買われた。

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2月25日(木)
【2月24日の海外相場および市況】
ny0224

*24日のNY金は続伸。原油相場の一段安に連れてNYダウも大幅続落して始まったことから、リスク回避姿勢が強まり、「質への逃避買い」が入った。1月の米新築一戸建て住宅販売件数は大幅に減少し、2月の米サービス業購買担当者景況指数も2013年10月以来の50割れを記録したことも強材料視された。ただ、NYダウが原油相場の回復を受けて徐々に値を戻したことから、金相場は上げ幅を縮小した。NY白金はほぼ横ばい。

*24日のNY原油は、供給過剰懸念を背景に大幅続落して始まったものの、米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油製品の在庫減少を好感して反発し、プラスサイドで引けた。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は前日、主要産油国による増産凍結には支持する意向を示したものの、「減産はない」と明言。これを受けて、世界的な供給過剰解消への道のりは遠いとの見方から売りが強まった。しかしその後、EIAが発表した週間在庫統計でガソリン在庫が220万バレル減と、市場予想の100万バレル減を大幅に上回る取り崩しとなったほか、ディスティレート(留出油)も170万バレル減となったことを受けて、買い戻しが活発化した。原油在庫統計は350万バレル増と、ほぼ市場の予想通りだった。

*24日のシカゴトウモロコシは、供給過剰や小麦安を嫌気して続落。シカゴ大豆も、南米での豊作を嫌気して下落。

*24日のNY外国為替市場のドル円相場は、リスク回避から一時111円04銭まで円高が進んだが、その後は原油相場とNYダウの反発を受けて112円台前半に戻して引けた。1月の米新築住宅販売件数が前月比9.2%減の49万4000戸と市場予想を下回ったことで、ドル売り・円買いが進行し、111円割れに迫る円高となった。しかしその後、原油相場が米エネルギー情報局(EIA)週報をきっかけに急速に値を戻し、NYダウも反発したため、ドルも買い戻された。

*24日のNYダウは、原油価格の反転を受けて小反発。朝方は、欧州株安や原油安を受けたリスク回避の流れから、大幅続落し、下げ幅は一時を260ドル超えた。しかし、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、ガソリン在庫が減少したことをきっかけに、NY原油が反転すると、NYダウも上昇に転じた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
18:30 (英) 10-12月期GDP・改定 (前期比) +0.5% +0.5% -
   (英) 10-12月期GDP・改定 (前年比) +1.9% +1.9%
18:30 (南ア) 1月生産者物価指数 (前年比) +4.8% +6.3%
19:00 (EU) 1月消費者物価指数(HICP)・確報 (前年比) +0.4%(+0.2%) +0.4%
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 26.2万件 27.0万件
22:30 (米) 1月耐久財受注 (前月比) -5.0% +2.9%
   (米) 1月耐久財受注 (前月比:除輸送用機器) -1.0% +0.3%
23:00 (米) 12月住宅価格指数 (前月比) +0.5% +0.5%
30:45 (NZ) 1月貿易収支 -0.53億NZD -2.71億NZD
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

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【原油相場、底入れはまだ先】

原油相場が安値圏で低迷している。NY原油は2月11日に26.05ドルと2003年5月以来の安値をつけた後、週明け22日には一時32ドルまで反発した。代表的な有力産油国であるサウジアラビア、ロシア、ベネズエラ、カタールの石油相が、産油量を1月の水準で凍結することで合意し、イランのザンガネ石油相も、市場安定化と価格回復のため、原油生産の上限凍結を支持すると明言したからだ。イランは欧米による経済制裁が解除されて以来、石油輸出の拡大に向け増産意欲を示してきたため、増産凍結を支持したことはサプライズとなったようだ。22日には国際エネルギー機関(IEA)が、世界的な石油需給は2017年までに徐々に均衡し、2018年以降は供給不足になるとの見通しを発表したことも、供給過剰状態が次第に改善されるとの期待を高めたようだ。しかし、23日には再び反落し上昇基調を維持できなかった。イランは増産凍結合意の発表後に合意への支持を表明したものの、自国の原油生産に関しては2021年までの5か年計画で、産油量を日量460万バレルに引き上げる方針を明らかにした。イラクも22日には、今後5年間で産油量を日量700万バレル超に引き上げ、そのうちの600万バレルを輸出に回す方針を表明した。今回の4カ国協議での合意は、1月の生産量の凍結であり、削減ではないため、現在の供給過剰を解消することは困難で、市場には効果は薄いと見透かされている。因みに1月の産油量はOPECが日量3263万バレル、ロシアが1088万バレルと過去最高水準に達し、日量100万バレルの供給過剰だった。これに加え、イランの生産量はOPEC内では3番手にあり、同国が増産姿勢を見せたことで、4カ国の生産量凍結は有名無実化したと言えるだろう。


年明け早々、宗派対立を発端としてサウジアラビアとイランが国交断絶した事実を振り返れば、サウジアラビアの提案にイランがすんなり応じるはずもなく、イラン側は「まやかし」と切って捨てている。なお、すべての宗教(宗派)対立の根底には民族対立がある(歴史学者トインビー)というが、アラブとペルシャの対立はどちらも盟主を自認しているだけに長引きそうだ。また、サウジアラビアにしても削減を明確に否定している。23日にテキサス州ヒューストンで開かれた会議で、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、原油減産に他国が同調すると期待できないため、原油生産を削減しないとの考えを表明した。そもそも、サウジアラビアがなぜ原油安を放置したかと言えば、米国のシェール企業を追いやり、石油市場のシェアを獲得するためではなかったか。9日、「持続不可能な債務」を理由にS&Pがシェール業界の草分け的企業のチェサピークエナジー社を、ジャンク級に格下げをした。原油価格が30ドルを割り込む状況では、シェール企業のおよそ3割が1年以内に破綻するとの見通しもあり、こうした事態が実現化するまで、サウジアラビアは原油安誘導を行うと予想する。国際エネルギー機関(IEA)は米国シェール オイル生産について、2016年中に日量60万バレル減少、2017年に同20万バレル減少と見ているが、技術改良による生産性向上やコスト削減によって米国の石油生産量は、2021年までに2015年比で日量130万バレル増加すると見込んでいる。ここで原油価格を引き上げる方策を採れば、米国のシェール企業にとっては“干天の慈雨”となってしまう。むしろ、シェール企業復活の芽を摘むため、一段の原油安も想定しているだろう。原油相場の底入れは当分期待できず、25ドルを割り込む場面もあると予想する。


【2月24日(水) 国内市況と終値】
tk0224

*24日の金は3日ぶりに反発。昨日のNY金の上昇を受けて買いが優勢となった。ただ、為替が円高となったため、上値を削った。白金も金に連れて反発。

*24日の中東産原油は反落。昨日の欧米原油の下落と円高を受けて売りが優勢となった。石油製品は中東産原油安になびいて安い。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が減産に消極的な姿勢を示したことを受け、需給改善への期待が後退している。米石油協会(API)23日発表した週間統計によれば、原油在庫は前週比710万バレル増と、市場予想の340万バレル増を大幅に上回る積み増しとなった。

*24日のゴムは、原油安を受けて反落。

*24日のトウモロコシは円高を受けて下落。一般大豆も安い。25、26日には米農産物展望会議(アウトルック・フォーラム)が開かれ、2016~17年度の米国産穀物の大まかな需給見通しが示される。

*24日の東京外国為替市場のドル円相場は、111円台後半に下落した。日経平均株価が下げ幅を拡大した場面では、111円50銭台まで下落した。

*24日お日経平均株価は、円高を受けて1万6000円を割り込んで引けた。原油相場の下落を背景に、昨日日の欧米株の下落も嫌気された。

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2月24日(水)
【2月23日の海外相場および市況】
ny0223

*23日のNY金は反発。原油安や欧米の株安を背景にリスク回避姿勢が強まって、「質への逃避」買いから金は上伸した。2月の独IFO景況感指数が大幅低下したほか、2月の米消費者景気信頼感指数も大きく低下したため、欧米の景気先行き懸念が強まった。NY白金も金の上昇に連れて反発。

*23日のNY原油は大幅反落。サウジアラビアのヌアイミ石油相はこの日、米テキサス州ヒューストンで講演し、主
要産油国による原油の増産凍結には前向きな姿勢を示したものの、「減産はない」と明言した。この発言を受けて、原油相場は一段安となった。

*23日のシカゴトウモロコシは原油安を受けて大幅反落。シカゴ大豆もトウモロコシに連れて反落。

*23日のNY外国為替市場では欧米の株安を受けて円が買われ112円台前半に下落した。一時約2週間ぶりに111円台に下落する場面もあった。2月のドイツIFO企業景況感指数や2月の米消費者信頼感指数が大幅低下したこと
を受けて欧米の株価が急落した。原油相場も大幅反落したことも加わり、スク回避姿勢が強まって安全資産とされる円が対ドル、対ユーロでいずれも買い進まれた。

*23日のNYダウは原油安が嫌気されて下落。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が減産を否定したことを受けてNY原油相場が下落に転じると、NYダウも下落した。2月の米消費者信頼感指数が前月から大きく低下し、市場予想に届かなかったことも嫌気された。


【本日の主な経済指標およびイベント】
24:00 (米) 1月新築住宅販売件数 54.4万件 52.0万件
24:00 (米) 1月新築住宅販売件数 (前月比) +10.8% -4.4% 
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

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【2月23日(火) 国内市況と終値】
tk0223

*23日の金は続落。22日のNY金が原油や株高を背景にリスク回避姿勢の後退を受けて下落し、本日の円高もあって売りが優勢となった。白金も円高を受けて3日続落。

*23日の中東産原油は3日ぶりに反発。22日の欧米原油が主要産油国による増産凍結への期待などで上昇したことを受けて買いが優勢となった。石油製品は中東産原油高を受けて高い。

*23日のゴムは、原油高を受けて小幅続伸。今後、東南アジア産地が減産期入りするため、底堅く推移しそうだ。

*23日のトウモロコシは期近安・期先高でまちまち。一般大豆は下落。

*23日の東京外国為替市場のドル円相場は、112円台前半で推移した。早朝は113円付近に上昇したが、中国人民元の対ドル基準値が安く設定され、日経平均株価も軟化したため、売りが優勢となった。米財務省高官の通貨安競争への牽制発言もあって、ドル売り・円買いが進み、一時112円を割り込んだ。その後は、引けにかけて買い戻された。前日、米財務省高官が26、27日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に関し、通貨安競争の回避を訴える方針を示した。

*23日の日経平均株価は円高を受けて小幅反落。円高が嫌気されて上値を削った。


第54回 『おしえて陳さん』 
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