テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2016年08月

8月29日(月)
【8月26日の海外相場および市況】
ny0826

*週末26日のNY金は、3日ぶりに小反発した。この日、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はワイオミング州ジャクソンホールで講演し、「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」と述べながらも、具体的な利上げ時期に言及しなかったことから、為替市場でドル売り・ユーロ買いが加速し、ドル建て金は割安感から買われ、一時1346ドルまで上昇した。ただその後は、フィッシャーFRB副議長がテレビのインタビューで、9月も含めた早期利上げに前向きな姿勢を示したことから、ドルの対ユーロ相場が反転上昇し、金も上げ幅を縮小した。CFTC建玉8月23日時点:ファンドの金買い越しは29万4609枚(前週比+1万0758枚)と買い越し幅は増加。総取組高は57万2973枚と前週比477枚の増加。

*週末26日のNY白金は3日ぶりに小反発。ドルが対ユーロで下落したため割安感が強まった。CFTC建玉8月23日時点:ファンドの白金買い越しは5万4269枚(前週比-68枚)と買い越し幅は減少。総取組高は8万1801枚と前週比841枚の増加。

*週末26日のNY原油は続伸。この日、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はワイオミング州ジャクソンホールで講演し、「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」と述べながらも、具体的な利上げ時期に言及しなかったことから、為替市場でドル売り・ユーロ買いが加速し、ドル建て原油は割安感から買われた。ただその後は、フィッシャーFRB副議長がテレビのインタビューで、9月も含めた早期利上げに前向きな姿勢を示したことから、ドルの対ユーロ相場が反転上昇し、原油も上げ幅を縮小した。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比横ばいの計406基となり、8週連続の増加に歯止めが掛かったことは強材料となって続伸した。CFTC建玉8月23日時点:ファンドの原油買い越しは35万3744枚(前週比+4万6244枚)と買い越し幅は増加。総取組高は174万7499枚と前週比10万4903枚の減少。

*週末26日のシカゴトウモロコシは、小麦に連れ安して続落。米穀物調査会社プロファーマーは、米国産トウモロコシの生産高が147億2800万ブッシェルと、過去最高になるとの予想を示した。CFTC建玉8月23日時点:ファンドのトウモロコシ買い越しは2199枚(前週比+6125枚)と買い越し幅は増加。総取組高は137万0132枚と前週比9133枚の減少。

*週末26日のシカゴ大豆は、豊作見通しで続落。米穀物調査会社プロファーマーは、米国産大豆の生産高が40億9300万ブッシェルとの予想を示した。これは農務省の最新の予測を上回る水準。CFTC建玉8月23日時点:ファンドの大豆買い越しは17万9379枚(前週比+2万2459枚)と買い越し幅は増加。総取組高は66万9874枚と前週比883枚の減少。

*週末26日のNY外国為替市場では、米国の追加利上げ観測が高まったことから、ドル円は101円台後半に急反発した。この日は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」と述べた。また、フィッシャーFRB副議長がテレビのインタビューで、データ次第としつつも9月利上げの可能性を否定しなかった。加えて、アトランタ連銀のロックハート総裁も年内2回の利上げ可能性を排除しない考えを示したことから、市場では米国の追加利上げ見通しが高まり、ドル買い・円売りが加速した。

*週末26日のNYダウは3日続落。この日は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米ワイオミング州ジャクソンホールで講演し「追加利上げの根拠がこの数カ月で強まっている」と述べた。早期利上げへの警戒感からNYダウは上げ幅を縮小した。ただ、間もなく想定内の発言との見方が広がり、買い優勢に転じた。その後、フィッシャーFRB副議長がテレビのインタビューで、データ次第としつつも9月利上げの可能性を否定しなかったことから、市場では再び早期利上げ観測が浮上し、アトランタ連銀のロックハート総裁も年内2回の利上げ可能性を排除しない考えを示したことから、売り優勢となり、マイナス圏に沈んだ。


【本日の主な経済指標およびイベント】
*ロンドン休場(サマーバンクホリデー)
21:30 (米) 7月個人所得 (前月比) +0.2% +0.4% --
21:30 (米) 7月個人消費支出 (前月比) +0.4% +0.3% --
21:30 (米) 7月コアPCEデフレーター (前月比) +0.1% +0.1% --
   (米) 7月コアPCEデフレーター (前年比) +1.6% +1.5% 
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

第80回 『おしえて陳さん』 
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【8月26日(金)国内市況と終値】
tk0826

*26日の金は続落。25日のNY金が米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの利上げに前向きな発言などを受けて下落したことから、売りが優勢となった。白金も続落。このところ、複数のFRB高官が利上げに関してタカ派的な姿勢を示しており、金を押し下げている。市場は、イエレンFRB議長が早期の利上げを示唆するかどうか注目している。

*26日の中東産原油は反発。25日のNY原油が主要産油国の生産調整をめぐる思惑などを背景に上昇した流れを受けて、買いが優勢となった。石油製品も原油の強地合いを受けて堅調。9月下旬にナイジェリアで予定されている石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合では、イランのザンギャネ石油相が参加する見込み。4月の産油国会合でイランは参加せず、増産凍結で合意できなかった。9月会合にイランは参加するものの、必ずしも何らかの合意があるわけでなく、市場はイラン側のスタンスを見極めたいようだ。

*26日のゴムは5日ぶりに原油高を受けて小反発。2月先限は、生産量の落ち込むウインタリング(落葉期)に入る直前の月でもあり、買われやすくなる可能性がある。

*26日のトウモロコシと一般大豆は続落。米国産穀物の豊作観測が高まっており、売りが優勢となった。

*26日の東京外国為替市場のドル円相場は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見が強く、100円台半ばで小動き。市場は、イエレンFRB議長が早期の利上げを示唆するかどうかが最大の関心事となっている。このところ、複数のFRB高官が早期利上げに前向きな姿勢を示しており、イエレンFRB議長もこれらに沿って、利上げを示唆する可能性があると見られている。

*26日の日経平均株価は続落。今晩予定されているイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見気分が強く、ポジション調整が続いた。


第80回 『おしえて陳さん』 
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8月26日(金) 
【8月25日の海外相場および市況】
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*25日のNY金は続落。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を26日に控えて様子見ムードが強まる中、複数のFRB高官のタカ派的発言に圧迫されて続落した。米カンザスシティー連銀のジョージ総裁はこの日、緩やかに利上げを進める時だと発言。また、ダラス連銀のカプラン総裁も、そう遠くないうちに、次のステップに進める根拠が強まっていると述べ、比較的早期の追加利上げが適切との見解を示した。こうしたタカ派的な発言を受けて、金利を生まない資産である金には売りが強まった。7月の米耐久財受注額は前月比+4.4%と、市場予想の+3.3%を上回った。堅調な米経済指標も金には弱材料となった。NY白金は金に連れて続落。

*25日のNY原油は反発。ドルが対ユーロで下落したため割安感から買いが入った。石油輸出国機構(OPEC)加盟国は9月26~28日にアルジェリアで開かれる国際エネルギーフォーラム(IEF)に合わせて非公式会合を開く予定で、原油市場の安定化などについて意見交換するとみられている。主要産油国による生産調整に向けた動きが注目されている。サウジアラビアのファリハ・エネルギー相は、現時点で大規模な市場介入が必要だとは思わないと発言したため下落したが、安値では買戻しが入って反発に転じた。米駆逐艦が接近してきたイランの艦船に向け3発の警告射撃を行ったと伝わると中東の地政学的リスクが再認識され強材料視された。

*25日のシカゴトウモロコシは4日続落。米国の豊作観測や大豆安が圧迫要因となった。シカゴ大豆は3日続落。米中西部のクロップツアー・リポートで、豊作観測が強まった。

*25日のNY外国為替市場のドル円相場は、100円台半ばに反発した。7月の米耐久財受注が堅調だったため、ドル買い・円売りが進行した。ただ、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を26日に控え、その後は小動きで推移した。

*25日のNYダウは続落。各国の中央銀行総裁らが集まる恒例の経済シンポジウムが、米ワイオミング州ジャクソンホールで25日から始まった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演は26日に予定されている。講演内容を見極めたいとの思惑から投資家は積極的な売買を控えた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:30 (日) 7月全国消費者物価指数 (前年比) -0.4% -0.4% -0.4%
   (日) 7月全国消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) -0.4% -0.4% -0.5%
08:30 (日) 8月東京都区部消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) -0.3% -0.4% -0.4%
17:30 (英) 4-6月期GDP・改定 (前期比) +0.6% +0.6% --
   (英) 4-6月期GDP・改定 (前年比) +2.2% +2.2% --
21:30 (米) 4-6月期GDP・改定 (前期比年率) +1.2% +1.1% --
21:30 (米) 4-6月期個人消費・改定 (前期比年率) +4.2% +4.2% --
21:30 (米) 4-6月期GDPデフレーター・改定 (前期比年率) +2.2% +2.2% --
21:30 (米) 4-6月期コアPCEデフレーター・改定 (前期比年率) +1.7% +1.7% --
21:30 (米) 7月卸売在庫(前月比) +0.3% +0.1% --
23:00 (米) 8月ミシガン大消費者信頼感指数・確報 90.4 90.8
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

第79回 『おしえて陳さん』 
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【8月25日(木)国内市況と終値】
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*25日の金は反落。NY金の下落を受けて売りが優勢となった。白金は急落。NY安を受けて安寄りした後、円高を映して下げ幅を広げた。NY金やNY白金は米国の利上げに対する警戒感から上値が重い一方で、米国の利上げ観測の高まりにもかかわらず円高基調が続いているため、売り圧力が強い。

*25日の中東産原油は反落。NY原油が原油在庫の増加を背景に下落したのを受けて売りが優勢となった。石油製品は原油になびいて安い。米エネルギー情報局(EIA)週間在庫統計では、原油在庫が前週比250万バレル増で、市場予想(45万5000バレル減)に反して積み増しとなった。また、ガソリン在庫はほぼ横ばい(市場予想は120万バレル減)の2億3270万バレルだが、これは前年同期(2億1440万バレル)を8.5%上回る水準。

*25日のゴムは下落し、先限は1カ月半ぶりに150円割れとなった。東南アジア産地では徐々に増産期に入るため、9月は下落基調が強まる可能性がある。

*25日のトウモロコシは期先以外が続落。一般大豆も軟調。シカゴ穀物市場では、大豊作見通しが日に日に強まっている。

*25日の東京外国為替市場のドル円相場は、100円台前半で保ち合い。今週末のジャクソンホールでのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長講演を控えて、膠着状態に陥っている。

*25日の日経平均株価は小安い。原油安を受けてNYダウが反落したため、売りが優勢となった。

第79回 『おしえて陳さん』 
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【NY原油、年初来高値更新は困難】

NY原油は8月に入ってから騰勢を強め、2日の安値39.26ドルから19日には49.36ドルまで26%もの上昇を見せた。50ドルを目前に上値が重くなったが、押し目を形成してから再上昇するかどうかの分岐点に来たと言えるだろう。

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今回の上昇相場は、9月下旬にアルジェリアで開催が予定されている石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合で、主要産油国が生産調整に向けて合意を図るのではないかとの期待が高まったことによる。

OPEC第3位の産油国であるイランは今年1月に経済制裁の解除を受けてからは増産を続け、今年に入ってからの主要産油国による増産凍結に向けた協議でも凍結に応じない姿勢を示してきた。

しかし、OPEC関係筋や業界筋の話として、イランが原油市場の安定化に向けた協調行動に足並みをそろえる可能性もあるという前向きなシグナルを送っているとのロイター通信の報道を受けて、増産凍結期待が一段と強まった。

イラン関係筋の話として、経済制裁以前の産油量である日量400万バレルを回復すれば、OPEC協議に協力できるとのことだが、7月の同国の産油量は日量355万バレルで、目標の400万バレルには達していない。

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24日の報道によると、原油生産量凍結に関してイラン当局はやはり消極的とのことだった。
「 Iran softens to oil production freeze? (Press TV) 」

制裁開始前の供給量回復が大前提という原則は譲れず、生産調整を論じる時期ではないということだろう。

また、米国の原油在庫も増加傾向にあり、原油相場の重石になっている。米エネルギー情報局(EIA)が24日発表した最新の週間在庫統計によると、原油在庫は前週比250万バレル増と、市場予想の50万バレル減に反して積み増しとなった。また、ガソリン在庫は予想の120万バレル減に対して横ばいで、ディスティレート(留出油)の在庫も増加した。

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加えて、米国の石油掘削リグ稼働数の増加からは、将来の供給増が懸念されている。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが19日に公表したデータによると、同日までの1週間に米石油掘削リグ稼働数は計406基と10基増加し、8週連続のプラスとなった。

結局、8月の原油相場の上昇は、年初来高値の51.67ドル(6月9日)と年初来安値の26.05ドル(2月11日)の半値押しの水準である38.86ドルまで下落し、テクニカル的なポイントに達したものの、ファンドのショートポジションが膨らんでいたため、ショートカバーが焙りだされたというところだろう。CFTC建玉明細を見ると、7月中旬から8月上旬にかけて、ファンドのショートが増加していることが見て取れる。16日時点で、ショートの減少が顕著になってきたため、上昇も一服してきた。

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イランが増産凍結に消極的で、米国の原油在庫が増加傾向にあることから50ドルを超えて年初来高値を更新するのは困難だろう。しかし、これからハリケーンシーズンに入ることも考えれば、下値もサポートされる可能性は高く、40ドル台は維持されると予想する。


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8月25日(木) 
【8月24日の海外相場および市況】
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*24日のNY金は反落し、1カ月ぶりの安値を付けた。為替市場でドルが対ユーロで上伸し、ドル建て金は割高感から売られた。先週から複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官が早期利上げに前向きな発言を行う中、今週末に予定されるイエレンFRB議長の講演内容から追加利上げ時期に関する手掛かりを得たいとの思惑が強まっている。NY白金は大幅下落。ドルが対南アランドで上昇したため、割高感が強まり売りが膨らんだ。

*24日のNY原油は反落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新の週間在庫統計によると、原油在庫は前週比250万バレル増と、市場予想の50万バレル減に反して積み増しとなった。また、ガソリン在庫は予想の120万バレル減に対して横ばいで、ディスティレート(留出油)の在庫も増加し、原油相場を押し下げた。

*24日のシカゴトウモロコシは3日続落。米中西部の年次調査ツアー「プロファーマー・ミッドウエスト・クロップ・ツアー」による豊作観測が弱材料視された。シカゴ大豆も、米国の豊作見通しや今週の好天を受けて続落。

*24日のNY外国為替市場のドル円相場は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を週末に控えて様子見ムードが強く、100円台半ばで小動きとなった。26日にはイエレンFRB議長がワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次会合で講演を行う予定で、同議長による講演内容を見極めたいとの思惑が強まった。先週から、FRB高官が早期利上げの可能性に言及しており、市場ではイエレンFRB議長も追加利上げに前向きな姿勢を示すかどうかに注目が集まっている。7月の米中古住宅販売件数は季節調整済み年率換算で前月比-3.2%の539万戸と市場予想の551万戸を下回った。

*24日のNYダウは、NY原油の下落が嫌気されて反落。米エネルギー情報局(EIA)が発表した最新週の原油在庫が予想に反して前週比で増加し、供給過剰懸念からNY原油は46ドル台に下落し、7月の米中古住宅販売件数が前月比-3.2%と予想を大きく下回ったことも弱材料視された。26日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次会合で講演を行う予定で、同議長による講演内容を見極めたいとの思惑から、様子見姿勢も強かった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
17:00 (独) 8月Ifo景況感指数 108.3 108.5 --
18:30 (南ア) 7月生産者物価指数 (前年比) +6.8% +7.0% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 26.2万件 26.5万件 --
21:30 (米) 7月耐久財受注 (前月比) -3.9% +3.4% --
   (米) 7月耐久財受注 (前月比:除輸送用機器) -0.4% +0.4%
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

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【8月24日(水)国内市況と終値】
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*24日の金は5日ぶりに小反発。23日のNY金が小反発となったので買戻しが入った。白金は3日ぶりに反発。26日にジャクソンホールで、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が行われるため、それが終了するまでは様子見が続きそうだ。

*24日の中東産原油は3日ぶりに反発。石油製品も原油高に連れて堅調。23日のNY原油は、イランが増産凍結に前向きな姿勢を示したとの報を受けて反発したが、主要産油国の生産調整めぐって、イランが協調行動を支持する可能性が出てきたことが相場を押し上げた。4月にカタールの首都ドーハで行われた産油国会合にイランは参加せず、増産凍結で合意できなかった。核問題による経済制裁が解除されたイランは原油生産の拡大を優先させており、制裁前の生産水準(日量400万バレル台)回復を目指している。イランは産油量が制裁前の水準に達すれば、他国と協力する可能性があると見られている。

*24日のゴムは3日続落。当限は納会前の整理売りに急落した。

*24日のトウモロコシは続落。8月の米需給報告で、イールド(単位面積当たり収量)見通しが大幅に上方修正された。クロップツアーでも作柄良好が確認される可能性が高く、史上最高の豊作が意識されさらに売りが強まりそうだ。一般大豆は、まちまち。

*24日の東京外国為替市場のドル円相場は、特に材料もなく100円台前半で小動き。今週末のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見が強まっている。

*24日の日経平均株価は、円高の一服を受けて反発。ただ、今週末のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて、様子見も強く、上値は重かった。


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【東京白金は調整安場面】
南アフリカでは、国営電力会社エスコムで全国鉱山労組(NUM)が賃金交渉の行き詰まりから8月8日にはストライキを宣言した。これを受けてNY白金は10日に1199.5ドルと年初来高値を付け1200ドル寸前まで上昇した。国営電力会社のストライキは南アフリカ全土で電力不足となり、白金鉱山の操業に大きなマイナスとなり、供給量が削減されるとの思惑から白金相場が急伸した。しかし、エスコムの賃金交渉は早期に妥結され、白金もそれを契機に急反落となった。

東京白金は7月29日に3850円の年初来高値を付けたが、8月に入り為替が円高基調を強めたため、NY市場よりも一足早く調整安場面に入っていた。ただ、現状は3500円台前半で推移しており、年初来高値3850円(7月29日)と年初来安値3045円(1月21日)の0.38倍押し=3544円のレベルにあり、上昇基調は継続していると言えるだろう。

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7月中旬から始まった南アフリカの白金鉱山大手3社と白金鉱山労働者組合(AMCU)との労使交渉は、依然として継続中で解決のメドがたっていないことが、白金相場の下値を支えているようだ。

また、南アランドは対ドルで依然として上昇基調を維持しており、年初来からはおよそ12%ほど南アランド高の状況にある。通貨高を受けて南アフリカの白金売却も容易には進みにくいだろう。

金相場に比べて白金相場の地合いの強さが感じられるが、もともと白金の需給規模は金の需給規模に比べて20分の1程度で、投機資金が流入すると上昇スピードが速い。

金との逆ザヤは8月10日に574円まで収縮したが、その後はやや拡大している。今週末開催されるジャクソンホールでの会合という重要イベントを前にポジション調整が行われているが、サヤにしても縮小の調整場面というところだろう。

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【東京金は調整安場面】
先週16日以降は、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の利上げ発言が相次ぎ、金相場を押し下げた。一方、為替に関しては利上げ発言にもかかわらず円高基調が続き、東京金はじりじりと水準を切り下げている。CMEのFED WATCHを見ると、23日時点の9月に利上げを見込む確率は24%となり、22日時点の利上げ確率を上回った。これは、7月の米新築住宅販売件数が前月比+12.4%の65万4000戸と市場予想の58万戸を大きく上回り、米債券市場で長期金利が上昇したことが反映されたようだ。

26日のジャクソンホールでの講演で、イエレンFRB議長がタカ派的発言を行えば、先週の一連の利上げ発言と相まって、市場の利上げ見通しは一段と高まるだろう。逆にハト派的であれば市場の利上げ期待は萎んでくるだろう。9月2日には8月の米雇用統計、16日には米消費者物価指数(CPI)が発表され、21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が発表される。イエレンFRB議長発言が利上げを示唆しても、経済指標が思わしくなければ利上げ見通しは後退する可能性が高く、利上げへの道のりは平坦ではない。

為替にしても金相場にしても、9月のFOMCが終了するまでは大きくは動きにくいだろう。NY金は昨年12月中旬を起点とする上昇トレンドは継続しているが、7月6日以降は上値が重くなり、保ち合いであるウェッジを形成している。利上げ見通しが高まれば、ウェッジの下限を下回り1300ドルを目指す展開になるだろう。逆に、利上げ見通しが後退すればウェッジの上限をブレイクして1400ドルを目指す展開になると予想される。金ETFは950トン台を維持し、年初来の高水準保有量を維持している。NYダウが年初来高値を更新し、利上げの可能性がある状況にありながら、金の現物需要には根強いものがある。


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東京金はテクニカル的に見ると、年初来安値4046円(1月15日)と年初来高値4622円(3月7日)の0.5倍(半値)押し=4334円を割り込み、下値の目安は0.62倍押し=4264円となっている。8月後半の東京金は、4300円を軸としたレンジで推移すると予想する。

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8月24日(水) 
【8月23日の海外相場および市況】
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*23日のNY金は小反発。値頃感から買い戻しが入った。週末にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による講演を控えているため、様子見姿勢が強く積極的な商いは手控えられた。市場では、同議長が早期利上げに前向きな姿勢を示すかどうかが注目される。NY白金は金に連れて3日ぶりに反発。

*23日のNY原油は反発。朝方は供給過剰懸念から軟調に推移していたものの、イランが石油輸出国機構(OPEC)による市場の安定化に向けた協調行動に理解を示しているとの一部報道をきっかけに買いが優勢となった。ロイター通信がOPEC関係筋や業界筋の話として、イランが原油市場の安定化に向けた協調行動に足並みをそろえる可能性もあるという前向きなシグナルを送っていると報道した。OPEC第3の産油国であるイランが協調すれば、アルジェリアで来月開かれるOPEC非公式会合で主要産油国による増産凍結に向けた合意が実現するのではないかとの期待が高まり、相場は48ドル台前半まで上昇した。イランは1月に制裁解除されて以来、増産を続け、今年に入ってからの主要産油国による増産凍結に向けた協議でも凍結に応じない姿勢を示してきた。

*引け後に発表された米石油協会(API)による週間在庫統計では、19日までの1週間の米原油在庫は、前週比450万バレル増の5億2420万バレルと、市場予想の45万5000バレル減を大幅に上回る積み増しとなった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は41万7000バレル増加した。ガソリン在庫は220万バレル減(市場予想120万バレル減)、ディーゼルとヒーティングオイルを含むディスティレート在庫は83万4000バレル減(市場予想は40万バレル増)だった。これを受けてNY原油時間外は0.44ドル程度安い47.66ドルで推移している。

*23日のシカゴトウモロコシは、作柄の改善が報告されたことを受けて続落。シカゴ大豆も良好な作柄報告や好天予想を受けて反落。

*23日のNY外国為替市場のドル円相場は、新規材料待ちで動意に乏しく100円台前半で推移した。7月の米新築住宅販売件数が市場の減少予想に対して増加したため、ドル買い・円売りが強まる場面があったが、マークイット調査による8月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、リッチモンド連銀の8月の地区製造業景気指数がともに前月から低下したため、次第に売りが優勢となった。ただ、26日に予定されているイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演待ちから、大きな動きにはならなかった。

*23日のNYダウは反発。7月の米新築住宅販売件数は前月比+12.4%の65万4000戸で、市場予想の58万戸を上回り、株式相場の支援材料となった。ただ、予想を大幅に超えた結果を受け、米債券市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ警戒感から長期金利が上昇し、株式市場は次第に売りが優勢となった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
07:45 (NZ) 7月貿易収支 +1.27億NZD(+1.10億NZD) -3.25億NZD -4.33億NZD
15:00 (独) 4-6月期GDP・確報 (前期比) +0.4% +0.4% --
   (独) 4-6月期GDP・確報 (季調前:前年比) +3.1% +3.1% --
17:00 (南ア) 7月消費者物価指数 (前年比) +6.3% +6.1% --
22:00 (米) 6月住宅価格指数 (前月比) +0.2% +0.3% --
23:00 (米) 7月中古住宅販売件数 557万件 551万件 --
   (米) 7月中古住宅販売件数 (前月比) +1.1% -1.1% 
*数値は順に、前回(改定値)、予想、結果。

第79回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/

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