テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2017年05月

【5月31日(水)国内市況と終値】
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*31日の金は続落。連休明けのNY金が3日ぶりに反落したため、売りが優勢となった。白金は続落。連休明け30日のNY金は3日ぶりに反落。29日のメモリアル・デーの時間外取引では、米国政治の先行き不安などを背景にリスク回避姿勢が高まり、約1カ月ぶりに1270ドルの節目を回復、一時は5月の高値を更新した。ただ、NY時間帯に入ってからは、買われ過ぎ感が高まり、売りが優勢となった。、個人消費支出(PCE)が前月比0.4%増と4カ月ぶりの高い伸びとなり、懸念事項だった個人消費の減速が持ち直し、米連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げを後押しするとの見方が強まった。

*31日の中東産原油は下落。石油製品も原油安になびいて下落。25日に石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC産油国は協調減産の9カ月延長を決めたが、強材料出尽くしからNY原油は反落に転じている。米国のシェールオイルの増産もあって、原油相場は上値の重い展開が続きそうだ。

*31日のゴムは6日続落。日本ゴム輸入協会がまとめた5月20日時点の全国営業倉庫生ゴム在庫は、3985トンと低水準。同日時点の東京商品取引所の指定倉庫在庫も1290トンで、前年同期の8792トンを大きく下回っている。

*31日のトウモロコシはまちまち。一般大豆は期先が大幅安。米農務省が30日発表したクロップ・プログレス(28日現在)で、トウモロコシの作柄状況が今年初めて公表され、「優」「良」の占める割合は65%だった。市場予想平均(68%)、前年同期(72%)をいずれも下回り、特にコーンベルト東部の作柄があまり良くなかったという。一方、トウモロコシの作付け進捗率は前週比7ポイント上昇の91%だった。

*31日の東京外国為替市場のドル円相場は、月末の実需の買いが一巡し、110円台後半で引けた。午前は、国内輸入企業の買いや日経平均株価の下げ渋りを受けて、111円20銭台へ浮上したが、午後は実需買いが一巡したほか、前日の米市場の高値を意識した利益確定や戻り待ちの売りに押され、110円90銭前後に軟化した。

*31日の日経平均株価は4日続落。手掛かり材料に乏しく、月末要因もあって売りが優勢となった。


第117回 『おしえて陳さん』 
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【ポンドドルは戻り一杯か】
*25日に発表された1-3月の国内総生産(GDP)改定値は前期比0.2%増と、速報値の0.3%増から下方修正され、昨年10-12月(第4四半期)の0.7%から大きく減速した。製造業に加え、英国経済で最も大きな比重を占めるサービス業も伸びが速報値から引き下げられた。輸出が1.6%落ち込み、純貿易は成長率に対して過去最低に並ぶ1.4ポイントのマイナス寄与となった。個人消費も弱まり、成長率への寄与度は2014年以降の最小を記録した。

4月の消費者物価指数(CPI)は+2.7%と3月の+2.3%より加速し、賃金上昇が鈍る中、家計状況が圧迫されることが予想される。1-3月のGDP改定値の下方修正は、英国の欧州連合(EU)離脱が経済に打撃になっている兆候とも言えるだろう。

6月8日に実施される英総選挙(下院、定数650)で、メイ首相率いる保守党が過半数議席を確保できない可能性が出てきた。調査会社ユーガブの報告によると、保守党は選挙前の330議席から20議席を失う可能性がある一方、労働党は30近く議席を増やす可能性があるという。そうなった場合、保守党は過半数の326議席に16議席足りなくなり、他党の協力が必要になる。

保守党は前回2015年の総選挙で、他党との差が17議席となった。この差が縮まれば、英国の欧州連合(EU)離脱交渉を進めるメイ政権にとって大きな打撃になろう。

メイ首相は18日、総選挙に向けた与党・保守党のマニフェスト(政権公約)で、高齢者の一部による医療費負担を増やす案を打ち出したが、これ以来、保守党のリードが急速に縮小しているという。一方で労働党は、22人の死者を出したマンチェスターでの自爆攻撃の一因が警察官の減少にあると批判し、警察官を1万人増員することを公約に掲げた。
 
メイ首相が4月に総選挙前倒しを発表した際は保守党の圧勝が予想されていたが、最近の世論調査では保守党の労働党に対するリードが縮小している。保守党の苦戦は、今後のハードブリジグットを連想させ、ポンドの上値を重くしよう。

日足チャートを見ると、昨年の英国のEU離脱を決める国民投票を行った6月24日以降の高値(1.5018ドル)と安値(1.1943ドル)にフィボナッチ比率を当てはめると、高値から0.62倍押しのライン(1.3112ドル)が戻り高値の上値抵抗線として作用しているようだ。

ポンドは戻り高値を確認して、再び下落基調に転換すると予想する。

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【 白金は不安定な地合い 】
*東京白金は、金相場が上昇基調を強める中、テクニカル的なサポートライン(高値からの0.62倍押し=3339円)で下げ止まり、3400円台に戻した。しかし、上値は重く、再び反落に転じ3400円を割り込んでいる。

白金最大の生産国である南アフリカでは、4月の消費者物価指数(CPI)が前年比で+5.3%と。予想の+5.6%、前回の+6.1%を下回った。予想以上にインフレ率が低下したことが好感されて、南アランドは大幅上昇となり、白金相場をサポートした。

25日に、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)金融政策決定会合が開かれ、政策金利を現行の7.00%に据え置くことが決定された。

こうした背景から、南アランドは対ドルで上昇し、白金相場を押し上げた。しかし、週明けは南アランドは反落に転じた。

30日に発表された4月のコアPCEデフレーターは前年比で+1.5%と前月より低下したものの、予想と一致し、前月比では+0.2%と前回の+0.1%より加速していた。

6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを妨げる内容でないため、ドルが対南アランドで反発したため、白金相場を押し下げた。6月14、15日にFOMCが開催され、追加利上げが決定される可能性が高い。30日時点のCMEのFED WATCHによると、6月の利上げ確率は93.5%。一方、9月の利上げ確率は25.4%に過ぎず、6月以降の利上げに関しては、まだ不透明感が強い。ということで、6月中旬まで、ドルは対南アランドで堅調に推移し、それ以降はドルが売り戻される可能性が高い。白金相場もこれに沿って、6月中旬までは軟調な展開が予想される。反発するとすれば、それ以降になりそうだ。

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アフリカ開発銀行(AfDB)、経済協力開発機構(OECD)、国連開発計画(UNDP)が22日発表した今年の「アフリカ経済見通し」によると、2017年のアフリカ域内総生産(GDP)伸び率は3.4%、2018年は4.3%と、2016年の推計2.2%から順調に加速すると予想されている。アフリカの商品(コモディティー)輸出国の一部は、2014年半ばからの相場急落で壊滅的とも言える打撃を受けた。サハラ砂漠以南の地域は輸出の60%が燃料や鉱石、金属で占められていることから、資源価格の下落によって深刻な危機に見舞われた。

ただ、商品価格は昨年下半期から回復基調にあり、世界経済見通しの改善や投資家のリスク選好度の回復が相場を支援している。商品価格の上伸が維持された場合、2017年の域内経常赤字の対GDP比は5.0%と、2016年の6.5%から低下する見込み。

*今週の予想レンジ:3300~3450円

*白金と金の逆ザヤ幅は1日には1142円まで拡大し、昨年形成した逆ザヤのボトム圏を下抜けた。白金の割安感が意識されて買い戻される展開にはなっていない。逆ザヤはさらに拡大する可能性があり、「白金売り・金買い」が有利と言えそうだ。

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5月31日(水)
【5月30日の海外相場および市況】
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*連休明け30日のNY金は、前週末に約1カ月ぶりの高値を付けた反動から調整的な売りが出て3日ぶりに反落した。先週末はトランプ政権に対する先行き不安に加え、ギリシャ支援をめぐる問題など欧州情勢に対する懸念から、リスク回避姿勢が強まり、安全資産の金が買われたが、連休明けは利益確定売りが優勢となった。4月のコアPCEデフレーターは前年比で+1.5%と前月より低下したものの、予想と一致し、前月比では+0.2%と前回の+0.1%より加速していた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを妨げる内容でないため、金には弱材料となった。一方、ギリシャ債務問題の懸念は支援要因となった。NY白金は3日ぶりに反落。

*連休明け30日のNY原油は反落。先週末発表された最新週の米国内掘削リグ稼働数が前週比2基増の722基と、19週連続で増加したため、米国内での増産が石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果を相殺するのではないかとの懸念が広がり、売りが優勢となった。リビアの産油量に増加の兆候が出てきたことも嫌気された。リビア国営石油会社(NOC)によると、同国産油量はシャララ油田の技術的問題で日量78万4000バレルだったが、30日から80万バレルに増産する見込み。ただ、米国ではドライブシーズンに入ったことで、ガソリン需要の増加が期待され、原油相場を支援する見込み。

*連休明け30日のシカゴトウモロコシは大幅反落。米中西部で、天候が改善するとの見通しが嫌気された。シカゴ大豆は産地の好天を受けて続落し、1年2カ月ぶりの安値をつけた。

*連休明け30日のNY外国為替市場では、欧州情勢の先行き不安から、リスク回避的な円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円は110円台後半に下落した。欧州情勢をめぐっては、ギリシャ支援問題をめぐる懸念に加え、6月8日に迫った英総選挙やイタリア総選挙の前倒し観測などで先行き不透明感が高まった。これらに加え、米長期金利の低下や米株安も受けて、ドル売り・円買いが強まり、ドル円は一時約2週間ぶりの高値となる110円67銭まで下落した。4月の個人消費支出は季節調整済み年換算で前月比0.4%増と、市場予想と一致。一方、個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比1.7%上昇と、前月の1.9%上昇から鈍化した。また、5月の消費者景気信頼感指数は117.9と前月実績の119.4と市場予想の119.5をともに下回った。

*連休明け30日のNYダウは続落。原油相場の下落や、5月の消費者景気信頼感指数が予想を下回ったことが弱材料。トラン米大統領が外遊から戻り、市場ではロシアが昨年の米大統領選に関与したとされる「ロシアゲート」疑惑が再び注目されている。議会やメディアの追及が激しさを増せば、減税の後ずれ懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まりそうだ。市場では、近く開かれるコミー連邦捜査局(FBI)元長官の公聴会を見極めたいとの思惑から、様子見ムードが広がっている。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:01 (英) 5月GfK消費者信頼感 -7 -8 -5
08:50 (日) 4月鉱工業生産・速報 (前月比) -1.9% +4.2% +4.0%
10:00 (中) 5月製造業PMI 51.2 51.0 --
10:00 (中) 5月非製造業PMI 54.0 -- --
10:00 (NZ) 5月ANZ企業景況感 11.0 -- --
15:00 (独) 4月小売売上高指数 (前月比) +0.1% +0.3% --
16:55 (独) 5月失業者数 -1.5万人 -1.5万人 --
16:55 (独) 5月失業率 5.8% 5.7% --
17:30 (英) 4月消費者信用残高 +16億GBP +15億GBP --
18:00 (EU) 4月失業率 9.5% 9.4% --
18:00 (EU) 5月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +1.9% +1.5% --
21:00 (南ア) 4月貿易収支 +114億ZAR +74億ZAR --
22:45 (米) 5月シカゴ購買部協会景気指数 58.3 57.0 --
23:00 (米) 4月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) -0.8% +0.5% --
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)


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【5月30日(火)国内市況と終値】
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*30日の金は円高を受けて小幅安。白金は下落。先週末の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)でトランプ大統領と他の首脳らとの交渉をめぐり、一致点が少なかったことから、市場に警戒感が広がり、NY金時間外は堅調に推移した。ただ、為替が円高で推移したため、東京金は売りが優勢となった。

*30日の中東産原油は小幅安。ガソリンは小幅高、灯油は小安い。東京ガソリンは、期近が堅調に推移している。原油価格が円相場の上昇を眺めて値を沈める中、ガソリン期近は値を保ち、当、先限の逆ざやは2000円を超えている。現物の引き締まりを反映した動きとなっているようだ。

*30日のゴムは下落。期近は大幅安。主産地タイのRSS3号オファー価格(6月積み)は、約2週間前から220セント台前半で推移。円換算すると約240円で、東京市場の割高感が解消されているようだ。

*30日のトウモロコシは反落。一般大豆はまちまち。昨日のシカゴ市場が休場だったため、為替に連動した動きになった。

*30日の東京外国為替市場のドル円相場は、朝方の111円台前半から110円台後半に反落した。早朝は、111円20銭台だったが、欧州政治不安やECBの量的緩和継続観測を受けたユーロ売り・円買いが波及し、110円70銭台まで反落した。午後は、株価の持ち直しを映して買い戻されたが、111円手前で戻り一杯となった。

*30日の日経平均株価は小幅続落。朝方は円高を受けて下落基調を強め、下げ幅は一時100円を超えたが、午後になると円高一服を受け、プラス圏に切り返す場面もあった。ただ、英米市場が祝日のため休場だったので、市場参加者が少なく、買いは継続しなかった。


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【 東京金はじり高、4500円台を回復 】
*先週のNY金は、週前半は軟調に推移したが、週末26日には1269.3ドルまで上昇し、1ヶ月ぶりの高値をつけた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、追加利上げ観測が強まっているが、5月のFOMC議事録要旨では、「早めの」利上げが適切とされながらも、一部からは「インフレペースが減速した可能性がある」との懸念が示された。6月に利上げが実施されてもその後の利上げペースがこれまでの想定よりも緩やかになるとの見方が広がり、金相場には支援要因となった。週末26日に発表された、2017年1~3月期の実質国内総生産(GDP)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.2%増加し、設備投資や個人消費が上方改定され、伸び率は速報値および市場予想を上回ったが、4月の米耐久財受注が5カ月ぶりのマイナスとなり、5月のミシガン大学消費者景況感指数(確報値)も下方修正されるなど、他の経済指標がさえない内容だったことが金を押し上げた。また、「ロシアゲート」疑惑に絡んでトランプ政権の政策運営に対する先行き不安からも、安全資産である金にはリスク回避目的の買いが入った。NY金は1200~1250ドルのレンジから、1250~1300ドルのレンジに浮上したと言えるだろう。

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*CFTC建玉5月23日時点:ファンドの金買い越しは15万9767枚(前週比+3万3043枚)と増加。総取組高は46万2572枚と前週比2万7551枚の増加。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、5月26日時点で847.45トン。年初来最小量からは6.1%増加。年初来最大量は860.76トン(4月19日)、年初来最小量は799.07トン(1月25日)。昨年の最大量は982.72トン(7月5日)。「ロシアゲート」疑惑で金融市場は揺れ動いたが、6月の利上げをにらんで金ETFは850トンを若干下回った。

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*東京金はNY金とドル円の綱引きを受けてじりじりと下値を切り上げ、4500円台を回復した。昨年10月11日の安値4111円を起点とする上昇トレンドラインに沿った動きが継続しており、短期的には5月1日の高値4533円がターゲットになっている。今後の金相場はドルの動向に左右されよう。5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、6月の会合での追加利上げの可能性が示唆されたが、インフレ率の鈍化に対する警戒感が示されていた。今後は、雇用統計と共にインフレ指標が大きな注目点となろう。30日には4月のコアPCEデフレーターが発表される。4月は+1.5%と、3月の+1.6%から鈍化が予想されている。2日に発表される5月の雇用統計では、失業率は前回と同じ4.4%が予想されているが、非農業部門就業者数は+17.6万人と前回の21.1万人から低下する見込み。いずれも予想通りであれば、6月の利上げに対してネガティブ要因となる可能性がある。

また、解任されたコミー前米連邦捜査局(FBI)長官による公聴会での証言への警戒感が高まっている。トランプ大統領を巡るロシアゲート疑惑の深刻化も警戒される。政権運営が混迷すれば、税制改革やインフラ投資を2本の柱とするトランプノミクスへの期待感が後退し、リスクオフから株安・ドル安が予想され、金は逆に押し上げられる可能性がある。東京金は、年初来高値(4537円)を目指す可能性が高いだろう。

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*今週の予想レンジ:4450~4550円


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【南アランド円、先週の動き・今週の予想】
*先週の南アランド円は、大幅に上昇した。与党・アフリカ民族会議(ANC)の一部から、ズマ大統領排斥を考えているとの報道がブルームバーグから出ると、南アランドは上昇した。南アフリカの4月の消費者物価指数(CPI)は前年比で+5.3%と。予想の+5.6%、前回の+6.1%を下回った。予想以上にインフレ率が低下したことが好感されて、南アランドはさらに買われ大幅上昇となった。25日、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は金融政策決定会合を開き、政策金利を現行の7.00%に据え置くことを決定した。据え置きは市場予想通り。

*今週の南アランド円は政治的な安定を受けて堅調に推移しそうだ。ズマ大統領は今年3月末に市場の信任の厚かったゴーダン財務相を解任し、同国の信用格付け引き下げを引き起こしたため、与野党や国民の間では退陣を求める声が高まっていた。しかし、与党アフリカ民族会議(ANC)は28日の幹部会議で、ズマ大統領に対する不信任動議を否決した。報道によると、26日に始まった同党の全国執行委員会(NEC)では幹部70人が不信任動議について賛成か反対の立場を表明し、大半が大統領を支持した。議論は白熱し、28日深夜まで続いた。

また、GMが南アフリカから撤退する事を表明した一方で、VW(フォルクスワーゲン)とFORD(フォード)は同国に残ることを表明したことも南アランドにはポジティブとなった。

先週、格付け会社ムーディーズが中国の格付けを「Aa3」から「A1」に引き下げたことを受けて、資源国通貨である豪ドルは押し下げられたが、同じ資源国通貨である南アランドには、特に弱材料にならなかった。これも、ドルが下落し、南アフリカの主要な輸出品である金や白金といった貴金属の価格が上昇しているからだろう。


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なお、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は、2017年の経済成長見通しを従来予想の1.2%から1.0%に、2018年を1.7%から1.5%に、2019年を2.0%から1.7%に、それぞれ下方修正した。

予想レンジ:8.35円~8.75円

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【ニュージーランドドル円、先週の動き・今週の予想】
*先週のニュージーランド(NZ)ドルは、対ドル、対円で上昇した。24日に発表されたニュージーランドの4月貿易収支は+5.78億NZドルの黒字となり、事前予想の+2.67億NZドルを大きく上回った。輸出が約47.5億NZドル(44億NZドル予想)、輸入が41.7億NZドル(41億NZドル予想)となった。輸出入共に4月としては過去最大の数値となった。なお、3月黒字は当初の+3.32億NZドルから+2.77億NZドルに下方修正された。24日、ニュージーランドの乳業最大手フォンテラ社は、2016~17年度(2016年6月~2017年5月)の酪農家出荷価格見通しを乳固形分1キロ当たり6.15NZドルに引き上げた。従来は6.00NZドルを見込んでいた。

*今週のニュージーランド(NZ)ドル円は堅調に推移しよう。先週発表されたニュージーランドの4月貿易収支は+5.78億NZドルの黒字となり、事前予想の+2.67億NZドルを大きく上回った。前年と比較すると、2008年以降の10年間でも過去最大の増加となった。国内総生産(GDP)に対しては黒字拡大、輸入も増加で内需拡大となり、好ましい内容と言えよう。前年同月と比較すると、4月輸出はミルク・バターが+35%、木材関係が+18%になっており、中国向けも+18%になっている。輸入は中間材+8.1%、資本財+5.3%、中国からの輸入が+7.9%になっている。

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特に乳製品に関しては、今後も値上がりが期待されている。5月16日に実施されたグローバルデーリートレード(GDT)の乳製品入札では、GDT価格指数は2週間前の前回入札と比較して3.2%上昇した。3月下旬の入札から5回連続で指数が上昇している。フォンテラはアジアからの需要が堅調で、供給過剰感が解消されてきたと見ている。これを受けて、同社のウィルソン会長は「世界的な乳価が過去数カ月間に上向いた。国内ではシーズン終了が近づくが、ようやく先行きに自信が持てた」と語った。フォンテラはこれまで、乳価回復は一時的にとどまる可能性があると警戒し、酪農家出荷価格引き上げに慎重だった。来年度については、出荷価格が6.50NZドルに上昇するとの見通しを示した。

予想レンジ:77.00円~79.50円


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【ドル円、今週の見通し】
*今週のドル円相場は、上値の重い展開になりそうだ。先週公表された5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、6月13-14日のFOMCでの追加利上げの可能性が示唆されたが、最近の低調な米国の経済指標、とりわけインフレ率の鈍化に対する警戒感が示されていたため、ドル円は112円台から反落に転じた。そのため、雇用統計と共にインフレ指標が大きな注目点となろう。30日には4月のコアPCEデフレーターが発表される。コアPCEデフレーターは、前年比で2月が+1.8%、3月が+1.6%と鈍化し、4月も+1.5%への鈍化が予想されている。予想通りであれば、6月のFOMCでの追加利上げ観測が後退することになろう。一方、2日発表される5月の雇用統計では、失業率は前回と同じ4.4%が予想されているが、非農業部門就業者数は+17.6万人と前回の21.1万人から低下する見込み。こちらも予想通りであれば、6月の利上げに対してネガティブ要因となる可能性がある。

また、トランプ大統領は初の外遊を終えて帰国したが、解任されたコミー前米連邦捜査局(FBI)長官による公聴会での証言への警戒感が高まっている。トランプ大統領を巡るロシアゲート疑惑の深刻化も警戒される。民主党議員からは、トランプ大統領に対する弾劾発言も出ており、こうした事件で政権運営が混迷すれば、税制改革やインフラ投資を2本の柱とするトランプノミクスへの期待感が剥落することから、NYダウが売り優勢となり、ドル下落といった展開になることが予想される。さらには、トランプ政権による対日貿易不均衡是正に向けた円高圧力も今後は警戒されてくるため、ドルの上値は重い展開になろう。26日時点のCMEのFED WATCHのよると、6月の利上げ確率は84%だが、9月は26%、12月は37%程度となっており、6月以降の利上げ見通しに関しては不透明感が強い。6月の利上げが実施されても、その後の利上げが後2回なのか、3回なのかでドル円相場の展開は大きく異なってくるだろう。

今週発表される経済指標は、30日は4月の本邦労働力調査・有効求人倍率、4月の米コアPCEデフレーター、5月の米消費者信頼感指数、31日に4月の本邦鉱工業生産、5月の中国製造業PMI、4月の米中古住宅販売仮契約、米地区連銀経済報告(ベージュブッく)、6月1日に1−3月期の法人企業統計がある。5月の米ADP雇用統計、5月の米ISM製造業景況指数、5月の新車販売、2日に5月の米雇用統計等。

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なお、週明け29日の午前5時40分頃、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、日本政府は北朝鮮に最も強い表現で非難した。とはいえ、市場の反応は冷静で、ドル円と日経平均株価は堅調に推移した。

*CFTC建玉5月23日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万1656枚(前週比-8352枚)と減少。総取組高は21万1298枚と前週比1万1212枚の減少。


予想レンジ:110.00円~112.50円


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5月29日(月)
【5月27日の海外相場および市況】
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*週末27日のNY金は続伸し、1カ月ぶりの高値となった。トランプ政権の政策運営に対する先行き不安から、安全資産である金にはリスク回避目的の買いが入った。また、29日のメモリアルデー(戦没者追悼の日)に伴う連休を控えてポジション調整の買いも入った。2017年1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.2%増加。設備投資や個人消費が上方改定され、伸び率は速報値および市場予想を上回ったが、4月の米耐久財受注が5カ月ぶりのマイナス、5月のミシガン大学消費者景況感指数(確報値)も下方修正されるなど、他の経済指標がさえない内容だったことも金には支援要因となった。CFTC建玉5月23日時点:ファンドの金買い越しは15万9767枚(前週比+3万3043枚)と増加。総取組高は46万2572枚と前週比2万7551枚の増加。

*週末27日のNY白金はドル安を受けて続伸。CFTC建玉5月23日時点:ファンドの白金買い越しは1万6287枚(前週比+4118枚)と増加。総取組高は7万0625枚と前週比3796枚の減少。

*週末27日のNY原油は3日ぶりに反発。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国は前日、協調減産措置を来年3月末まで9カ月間延長することで合意した。しかし、国別の減産幅は現状維持となり、トルクメニスタンとエジプトが新たに加わらなかったため、減産量は現行の日量180万バレルと同水準となった。米国内でシェールオイルの増産が続く中、OPEC加盟・非加盟国による減産期間延長だけで需給均衡化を図るのは難しいと受け止められ、前日の原油相場は終値で5%近く急落していた。 この日は、売られすぎの反動から買戻しが優勢となって反発した。ドル安も支援要因。27日から米国で夏のドライブシーズンが始まることから、市場ではガソリン需要の増加期待が高まっている。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズがこの日公表した同日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は、前週比2基増の722基と19週連続で増加した。CFTC建玉5月16日時点:ファンドの原油買い越しは37万2989枚(前週比+4万4037枚)と増加。総取組高は221万1099枚と前週比12万6025枚の減少。

*週末27日のシカゴトウモロコシは反発。ドル安や3連休を控えたポジション調整に押し上げられた。米中西部での降雨のため、トウモロコシの作付けが遅れる見通しとなり、大豆を売ってトウモロコシを買う動きが進んだ。
CFTC建玉5月23日時点:ファンドのトウモロコシ売り越しは6万6670枚(前週比-3万0631枚)と減少。総取組高は138万9074枚と前週比1万7892枚の増加。

*週末27日のシカゴ大豆は続落し、1年1カ月ぶりの安値となった。米中西部での降雨でトウモロコシの作付けが遅れる見通しとなり、大豆を売ってトウモロコシを買う動きが進んだ。

CFTC建玉5月23日時点:ファンドの大豆売り越しは4万7931枚(前週比-1万9108枚)と減少。総取組高は66万6788枚と前週比1万9078枚の増加。

*週末26日のNY為替市場は、メモリアルデー(戦没者追悼の日)に伴う3連休を控えて閑散商いとなる中、ドル円111円台前半に軟化した。2017年1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.2%増加。設備投資や個人消費が上方改定され、伸び率は速報値および市場予想を上回った。市場はドル買いで反応したが、4月の米耐久財受注が5カ月ぶりのマイナス、5月のミシガン大学消費者景況感指数(確報値)も下方修正されるなど、他の経済指標がさえない内容だったことから、次第に111円台前半に軟化した。6月8日には英国で総選挙が実施される予定だが、メイ首相率いる与党・保守党のリードが縮小したとの世論調査結果が公表されたことも、安全資産である円の支援材料となったようだ
CFTC建玉5月23日時点:ファンドのドル買い・円売りは5万1656枚(前週比-8352枚)と減少。総取組高は21万1298枚と前週比1万1212枚の減少。

*週末26日のNYダウは小反落。前日まで6日続伸し、高値警戒感が広がる中、29日のメモリアルデー(戦没者追悼の日)を含む3連休を控え、利益確定売りが優勢となった。外遊中のトランプ大統領が週末に帰国し、ロシアによる米大統領選介入疑惑などの問題が再燃するとの見方も株価の重石となった。1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比1.2%増と、速報値(0.7%増)から上方改定された。市場予想を上回る強い内容だったが、4~6月期に反動が出るとの見方もあり、強い買い材料にはならなかった。

【本日の主な経済指標およびイベント】
上海休場(端午節)
ロンドン休場(スプリングバンクホリデー)
NY休場(メモリアルデー)

第117回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/

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