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商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2017年09月

【9月29日(金)国内終値】
tk0929

9月29日(金)
【9月28日の海外相場および市況】
ny0929

*28日のNY金は、ほぼ横ばい。為替市場でドル買い・ユーロ売りが先行していたことや、トランプ大統領が前日、連邦法人税率の大幅な引き下げなどを盛り込んだ新たな税制改革案を発表し、大型減税による景気浮揚への期待が台頭したこ
とから、金は売りが優勢だったが、その後はショートカバーや安値拾いの買いなどが入り、プラス圏に浮上した。北朝鮮や中東地域をめぐる地政学的リスクがくすぶっていることも買い要因となった。NY白金は金に連れて小反発。

*28日のNY原油は反落。イラク北部クルド自治政府の独立問題をめぐる地政学的リスクや、米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した最新週の原油在庫が4週ぶりに減少したことが支援材料だったが、この日は、短期的に買われ過ぎとの見方が広がり、利益確定売りが優勢となった。トルコのエルドアン大統領はクルド自治区の独立国樹立を阻止するため、軍事介入や自治区産原油の輸出停止を行う可能性に言及した。クルド自治区とイラク北部の原油輸出量は現時点で日量50万~55万バレルに上っており、輸出が停止されると市場にとって大幅な供給減になる可能性があるという。

*28日のシカゴトウモロコシと大豆は、米農務省の四半期在庫報告を29日に控え、手じまい売りに反落した。

*28日のNY外国為替市場では、新規材料に欠ける中、利益確定売りが出て、ドル円は112円台前半に下落した。前日は、年内の米追加利上げ観測の強まりや米税制改革実現への期待を背景に、7月中旬以来約2カ月半ぶりに一時113円台に上昇していたが、この日は、利益確定売りや、月末に伴う持ち高調整のドル売りが進行した。米政府が前日公表した税制改革案は、与党共和党内でも意見に隔たりがある上、財源が示されておらず、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しもできていないと批判され、実現可能性が不透明なことからこの日は売り材料視されたようだ。

*28日のNYダウは小幅続伸。米政府が前日公表した税制改革案は、与党共和党内でも意見に隔たりがある上、財源が示されておらず、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しもできていないと批判され、実現可能性が不透明なことからこの日は売りが優勢となった。ただ、米実質国内総生産(GDP)確報値が、+3.1%(前期比年率)と堅調で、下落は浅かった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
06:45 (NZ) 8月住宅建設許可 (前月比) -0.7%(+1.7%) -- +10.2%
08:01 (英) 9月GfK消費者信頼感 -10 -11 -9
08:30 (日) 8月全国消費者物価指数 (前年比) +0.4% +0.6% +0.7%
   (日) 8月全国消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) +0.5% +0.7% +0.7%
08:30 (日) 9月東京都区部消費者物価指数 (生鮮食品除く:前年比) +0.4% +0.5% +0.5%
08:30 (日) 8月失業率 2.8% 2.8% 2.8%
08:30 (日) 8月有効求人倍率 1.52 1.53 1.52
08:50 (日) 8月鉱工業生産・速報 (前月比) -0.8% +1.8% --
15:00 (独) 8月小売売上高指数 (前月比) -1.2% +0.5% --
16:55 (独) 9月失業者数 -0.5万人 -0.5万人 --
16:55 (独) 9月失業率 5.7% 5.7% --
17:30 (英) 4-6月期経常収支 -169億GBP -159億GBP --
17:30 (英) 8月消費者信用残高 +12億GBP +14億GBP --
17:30 (英) 4-6月期GDP・確報 (前期比) +0.3% +0.3% --
   (英) 4-6月期GDP・確報 (前年比) +1.7% +1.7% --
18:00 (EU) 9月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +1.5% +1.6% --
21:00 (南ア) 8月貿易収支 +90億ZAR +21億ZAR --
21:30 (米) 8月個人所得 (前月比) +0.4% +0.2% --
21:30 (米) 8月個人消費支出 (前月比) +0.3% +0.1% --
21:30 (米) 8月コアPCEデフレーター (前月比) +0.1% +0.2% --
      (米) 8月コアPCEデフレーター (前年比) +1.4% +1.4% --
22:45 (米) 9月シカゴ購買部協会景気指数 58.9 58.7 --
23:00 (米) 9月ミシガン大消費者信頼感指数・確報 95.3 95.3 --

30日(土)
10:00 (中) 9月製造業PMI 51.7 51.6 --
10:00 (中) 9月非製造業PMI 53.4 -- --
10:45 (中) 9月財新/製造業PMI 51.6 51.5 


第134回 『おしえて陳さん』 
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【9月28日(木)国内終値】
tk0928

9月28日(木)
【9月27日の海外相場および市況】
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*27日のNY金は続落し、6週間ぶりの安値をつけた。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、年内の追加利上げを見込んでドル買いが強まるなか、この日はトランプ政権が発表する税制改革案への期待や、8月の耐久財受注が市場予想を上回ったこともあり、ドルが一段高となって、ドル建て金は割高感から売られた。ただ、北朝鮮リスクなどが依然くすぶっており下値は限定的だった。NY白金はドル高を受けて続落。

*27日のNY原油は反発。米原油在庫が予想に反して減少に転じたことなどが支援材料となった。米エネルギー情報局(EIA)週報によると、22日までの1週間の米原油在庫は前週比180万バレル減と、市場予想の340万バレル増に反して4週間ぶりに減少。ディスティレート(留出油)在庫は800万バレル減と、取り崩し幅は予想の約4倍となった。一方、ガソリン在庫は90万バレル減の予想に反し、110万バレルの積み増しだった。製油所の稼働率は5.4%上昇し88.6%。製油所の大半が操業を再開したため、8月のハリケーン「ハービー」上陸(8月25日)以来の高水準となった。このため、ハリケーンの影響で閉鎖されていた製油所の操業再開も好感された。また、イラク北部クルド自治政府の独立問題で中東地域の地政学的リスクが再燃していることに加え、原油供給の混乱が懸念されていることも強材料となった。ただ、為替市場では、ドル高が進み、ドル建て原油には割高感が強まり、上値は抑えられた。

*27日のシカゴトウモロコシは小反発。小麦高が支援材料となった。シカゴ大豆は、輸出需要の増大を受けて反発。

*27日のNY外国為替市場では、米税制改革実現への期待を背景としたドル買いに押され、ドル円は112円台後半に上昇した。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、年内の追加利上げを見込んでドル買いが強まるなか、この日はトランプ政権が発表する税制改革案への期待も重なって、ドル円は一時7月中旬以来約2カ月半ぶりに113円台に上昇した。8月の耐久財受注が市場予想を上回ったこともあり、一時113円26銭まで上昇した。しかし、連邦法人税率の引き下げなどを盛り込んだ税制改革案の詳細が明らかになると利益確定のドル売りが強まって、112円台後半に軟化した。

*27日のNYダウは5日ぶりに反発。トランプ大統領はこの日、公約に掲げる税制改革の新たな案を発表し、連邦法人税率を現行の35%から20%に引き下げる意向を表明。大型減税による経済活動の活発化への期待感から、株価が押し上げられた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
18:00 (EU) 9月経済信頼感 111.9 112.0 --
18:00 (EU) 9月消費者信頼感・確報 -1.2 -1.2 --
18:30 (南ア) 8月生産者物価指数 (前年比) +3.6% +4.1% --
21:00 (独) 9月消費者物価指数・速報 (前年比) +1.8% +1.8% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 25.9万件 27.0万件 --
21:30 (米) 4-6月期GDP・確報 (前期比年率) +3.0% +3.0% --
21:30 (米) 4-6月期個人消費・確報 (前期比年率) +3.3% +3.3% --
21:30 (米) 4-6月期GDPデフレーター・確報 (前期比年率) +1.0% +1.0% --
21:30 (米) 4-6月期コアPCEデフレーター・確報 (前期比年率) +0.9% +0.9% --
21:30 (米) 8月卸売在庫 (前月比) +0.6% +0.4% --
27:00 (メキシコ) メキシコ中銀政策金利発表 7.00% 


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【9月27日(水)国内終値】
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【 東京白金は安値低迷が続きそう 】
*先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的な内容を受けてドルが上昇し、NY白金は下落基調が続いた。それ以上に、将来の電気自動車開発拡大により、今後の触媒需要を低下させると見られている。

さて、白金の最大生産国である南アフリカでは、政治的・経済的な悪材料が出ており、南アランドは下落の可能性が高まっている。世界的な会計会社KPMG本社は、南アフリカ政権との癒着が暴露されたインドのグプタ家富豪一族のために行った業務を内部調査で調べたところ様々な不正が発覚し、南アフリカのKPMG事務所の幹部を総退陣させた。KPMG本社は汚職を認め、南アフリカに謝罪した。当然ながらズマ大統領にも嫌疑がかけられ、南アフリカの政治的なスキャンダルになっている。

また、南アフリカ準備銀行(SARB、南ア中銀)は、今年の同国の経済成長率予想を1.3%から0.5%へ引き下げているが、世界銀行も南アフリカの今年の予想成長率を1.1%から0.6%へと引き下げた。

先週、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産縮小を決定したことで、投資資金が新興国から流出する可能性があり、南アフリカのように、政治的・経済的に脆弱な国は特に、そのリスクが高いだろう。南アランドが下落することになれば、南アランド建て白金に割高感が強まり、白金には売り圧力が強まることになる。東京白金は全値戻しで3200円台も想定されるチャートパターンであり、安値低迷が続きそうだ。

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*CFTC建玉9月19日時点:ファンドの白金買い越しは3万1648枚(前週比-6349枚)と減少。総取組高は7万6633枚と前週比3844枚の減少。

*今週の予想レンジ:3300~3500円

*白金と金の逆ザヤ幅は6月28日につけた-1175円を底抜けし、9月25日には-1270円まで拡大し、過去最大となった。地政学的リスクで金が買われるのに対し、白金を買う強材料があまり見当たらず、「金買い・白金売り」が有利な展開が続きそうだ。


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【東京金は高値での保ち合いが続きそう】
*先週のNY金は、20日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて下落基調が強まったが、北朝鮮リスクに下値はサポートされた。20日に終了したFOMCでは、政策金利を1.25%に据え置き、4兆5000億ドル規模の保有証券の縮小を10月に開始することを決定した。利上げに関しては、「年内あと1回」、「来年3回」の予測を維持した。20日時点のCMEのフェドウオッチによる12月の利上げ確率は72%まで上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の想定よりもタカ派的な姿勢を示したことから、米長期金利が上昇し、為替市場ではドルが上昇した。そのため、ドル建て金は割高感から売られ、一時1291.20ドルとおよそ1カ月ぶりの安値をつけた。

しかし、週末22日は、北朝鮮リスクが懸念され、金は反発した。トランプ大統領が国連演説で「北朝鮮を完全に破壊するしかなくなる」と警告したが、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれに対し、声明で「史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮する」と表明した。北朝鮮の李外相は、同国が太平洋上で過去最大級の水爆実験を行う可能性を示唆した。週明け25日は、北朝鮮の李外相が、トランプ大統領が「北朝鮮は長くはないだろう」と発言したことについて、「トランプ大統領は宣戦布告した」と強調。米軍機の撃墜など「自衛的な対応を取るあらゆる権利がある」と警告した。地政学的リスクが高まり、金は大幅続伸し、1311.50ドルと前週末比+14.0ドルで引けた。

日足チャートで見ると、1290ドル台まで下落したものの、上昇トレンドラインにサポートされて反発して1300ドル台を回復したため、押し目が完了した可能性が高い。逆に、このラインを下回った場合、1250ドル近辺までの下落が想定されるかもしれない。

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*CFTC建玉9月19日時点:ファンドの金買い越しは23万6089枚(前週比-1万8671枚)と減少。総取組高は57万0096枚と前週比1万0510枚の減少。

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、14日から増加に転じ、9月25日時点では856.08トンとなった。年初来最大量は867.00トン(6月8日)。北朝鮮の核実験を受けて地政学的リスクが高まり、安全資産である金に見直し買いが入ったようだ。金相場が下落している局面で金ETFが増加しており、安値で買い拾う投資家が多いことがわかる。

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*先週の東京金は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けたNY金の下落が弱材料となり、売りが優勢となった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が、年内と来年の利上げ見通しを維持したため、為替市場ではドル高・円安基調が強まり、下げ幅は限定的となった。

米国と北朝鮮の言葉の応酬は次第に熱を帯び、北朝鮮が「米が宣戦布告した」と非難し偶発的事故が本当に“Hot War”になるのではないかとの懸念が強まっている。10月10日の「北朝鮮労働党創立記念日」には再び何らかの軍事的示威行動に出る可能性もある。また、北イラクのクルド人自治区では独立にむけての投票が行われ、圧倒的支持で独立支持となった。イラク中央政府のみならずイラン、トルコもこれに反対し、軍事的衝突が懸念される状況になっている。地政学的リスクが途切れることはなさそうで、金相場をサポートしよう。

また、25日には、シカゴ地区連銀のエバンス総裁が早期利上げに慎重な姿勢を示したことも支援要因となって、NY金は一時1315.8ドルと20日以来の高値を付けた。FRBは利上げ見通しに関して、従来の見方を踏襲したものの、それで利上げが決定したわけではない。今後とも米経済指標とりわけインフレ関連指標が注目され、利上げの有無の予想により金相場も上下しよう。

29日には8月PCEコアデフレーターが発表される、予想は前年比で+1.4%が予想されており、前回と変わらずで、インフレ上昇には至っていない。この予想通りであれば、ドル売り・NY金高となろう。

逆に、予想を上回る伸びであれば、ドル買い・NY金売りとなろう。ただ、地政学的リスクもあるため金の下げ幅も限定的と予想され、東京金は4650~4700円の当たりで保ち合いとなりそうだ。

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*今週の予想レンジ:4600~4750円

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9月27日(水)
【9月26日の海外相場および市況】
ny0927

*26日のNY金は3日ぶりに反落。この日に行われた講演で、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は、インフレ率が目標の2%を下回っているのは「一時的」と述べ、緩やかな利上げ方針の維持が適切との認識を示した。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も同日、年内の追加利上げが妥当との見方を示した。12月利上げへの警戒から、金利を生じない金は売りが優勢となった。ただ、北朝鮮リスクなどが依然くすぶっていることから、下値は限定的だった。

*26日のNY原油は反落。利益確定売りに加え、為替市場ではドル高が進行したため、売りが優勢となった。ただ、イラク北部クルド自治政府の独立問題で中東地域の地政学的リスクが再燃していることから、下げ幅は限定的だった。25日に独立の是非を問う住民投票を実施したクルド自治政府に対し、トルコのエルドアン大統領は同自治区とトルコを結ぶ原油パイプラインの遮断も辞さないと警告。このため、原油供給の一部に混乱が生じるのではないかとの懸念も広がっている。実行された場合には、日量50万~60万バレルの供給が目減りする。これが石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産(日量180万バレル)と重なり、供給が引き締まるとの不安が浮上している。

*サウジアラビア・エネルギー産業鉱物資源省の元顧問イブラハム・ムハンナ氏は25日、米ワシントンで講演し、原油価格は年内か来年初めまでに、60ドルに上昇する可能性があるとの見方を示した。ムハンナ氏は、原油在庫の減少が続く中、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国の協調減産合意が、来年の3月以降も延長が見込まれることを要因に挙げた。世界の商業在庫は当初の期待より遅いペースながら、徐々に減少していると分析。一方で、今年の石油需要は日量1.5%超増加し、来年も堅調な伸びが見込まれると述べた。

*引け後に公表された米石油協会(API)による週間在庫統計では、22日時点の米国内原油在庫は、前週比76万1000バレル減の4億6950万バレルとなった。市場予想は340万バレル増だった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は、110万バレル増加した。ガソリン在庫は150万バレル増(予想は92万1000バレル減)、ディーゼル油とヒーティングオイルを含むディスティレート(留出油)在庫は450万バレル減(予想は220万バレル減)だった。

*26日のシカゴトウモロコシは、収穫進展で反落。米国産トウモロコシの9月1日時点の在庫は市場予想平均で23億5300万ブッシェルと、同時期では1998年以来最大の水準となる見通し。シカゴ大豆は、米国産大豆の予想以上の単収予想で続落。

*26日のNY外国為替市場では、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容がタカ派的だったことから、ドルが上昇した。アジア市場では、北朝鮮情勢に対する懸念からドル売り・円買いが優勢だったが、NY市場に入ってからはドル買いが強まった。この日、イエレンFRB議長はオハイオ州クリーブランドで講演を行い、力強さに欠ける物価動向は「一時的」とし、「2%のインフレ目標に到達するまでは、現状の金融政策を維持することが賢明」と語り、緩やかな利上げ方針の維持が適切との認識を示した。市場では同議長の見解をタカ派的と受け止め、ドル買いが優勢となり、ドル円は一時112円49銭まで上昇した。アトランタ連銀のボスティック総裁も同日、年内の追加利上げが妥当との見方を示した。

*26日のNYダウは小幅続落。この日に行われた講演で、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は、インフレ率が目標の2%を下回っているのは「一時的」と述べ、緩やかな利上げ方針の維持が適切との認識を示した。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も同日、年内の追加利上げが妥当との見方を示した。12月利上げへの警戒から、株価は売りが優勢となった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
21:30 (米) 8月耐久財受注 (前月比) -6.8% +1.0% --
     (米) 8月耐久財受注 (前月比:除輸送用機器) +0.6% +0.2% --
23:00 (米) 8月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) -0.8% -0.5% --
29:00 (NZ) RBNZオフィシャル・キャッシュレート 1.75% 


第134回 『おしえて陳さん』 
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【9月26日(火)国内終値】
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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は軟化した。15日、エルドアン大統領は北イラクのクルド地域政府が独立の是非を問う住民投票を25日に実施することに対し、「地域の安定を損なう」として改めて反対し、これに関連して22日国家安全保会議を行うとした。

また、18日にトルコ軍は、トルコとイラクの国境で軍事演習を開始した。北イラクのクルド人が独立への賛否を問う国民投票に絡む混乱に備えての措置だが、トルコ外交部は国民投票中止を求めて外交努力を続けると述べた。

20日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ見通しが維持され、ドルが反発し、トルコリラは対ドルで下落した。ドル円の上昇がトルコリラ円をサポートしたが、地政学的リスクを受けて、やや売りが優勢となった。

*今週のトルコリラ円は、下落のリスクが高まりそうだ。
イラク北部の少数民族であるクルド人自治政府は、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を日本時間25日午後2時から行う。独立賛成が多数になる見込みだが、イラク中央政府や周辺国は激しく反発し、地政学的リスクが高まる可能性がある。

ただ、クルド自治政府は、直ちに独立するわけではなく、民意を受けた形で中央政府との交渉に臨み、2年以内の独立を目指す考え。投票はクルド人自治区だけでなく、油田地帯のキルクークなど自治政府が実効支配しイラク中央政府と管轄権を争う地域でも行われ、イラク中央政府は国の分断につながるとして激しく反発している。

トルコやイランなどの周辺国も、自国のクルド人が刺激されて分離・独立の動きを強めることを警戒し、自治区に近い地域で軍事演習を行うなど牽制している。米国が投票を中止するよう働きかけ、国連も懸念を表明している。投票は日本時間26日午前0時(現地時間25日午後6時)まで行われ、早ければ現地時間26日にも結果が判明する見通し。

20日、訪米中のエルドアン大統領は、トルコはすでに欧州連合(EU)加盟に強い関心はないと述べた。今回の独立投票により、トルコ国内のクルド人が呼応することになれば、経済的な関係の深い欧州の反対にもかかわらず、エルドアン大統領は軍事行動を起す可能性があるだろう。その場合、地政学的リスクを受けてトルコリラは売りが優勢となる可能性がある。

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*予想レンジ:31.50円~32.50円


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