テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2017年10月

10月20日(金)
【10月19日の海外相場および市況】
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*19日のNY金は4日ぶりに反発。スペイン東部カタルーニャ自治州の独立問題をめぐり中央政府と州政府の対立が深まる中、米債券など安全資産への需要が強まった。米国債買いに伴う長期金利の低下でドル売りが進み、ユーロ買いが進行したため、ドル建て金に割安感が生じたことから、金が買われた。スペイン情勢を受けて欧米株が下落したことも安全資産とされる金には支援材料となった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事をめぐり、トランプ大統領がハト派的といわれるパウエルFRB理事の指名に傾いているとの報道が出て、同氏の議長就任で米利上げが緩やかに進むとの思惑も金相場には好感された。NY白金はドル安を受けて4日ぶりに反発。

*19日のNY原油は5日ぶりに反落。新規の強材料不足から、売りが優勢となった。ただ、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国が来年3月末に期限が切れる協調減産について、さらに9カ月間延長する方針に傾いているとの一部報道が下値を支えた。また、イラク石油省当局者がロイター通信に対し、クルド自治政府の治安部隊を撤退させてイラク軍が制圧した油田地帯キルクークの原油生産について、2つの油田設備に不備があるため、22日までは先週の水準に回復しないとの見通しを示したことも支援材料となり、安値圏では買い戻しが入った。

*19日のシカゴトウモロコシとシカゴ大豆は反発。堅調な輸出を背景に安値拾いの買いが入った。

*19日のNY外国為替市場のドル円相場は、米長期金利の低下などを背景に112円台半ばに下落した。スペイン東部カタルーニャ自治州の独立問題をめぐり中央政府と州政府の対立が深まる中、米債券など安全資産への需要が強まった。米国債買いに伴う長期金利の低下でドル売りが進む一方、安全資産として円が買われた。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事をめぐり、トランプ大統領がハト派的といわれるパウエルFRB理事の指名に傾いているとの報道が出て、同氏の議長就任で米利上げが緩やかに進むとの思惑から、ドル売り・円買いが加速した。

*19日のNYダウは小幅続伸し、4日連続で最高値を更新した。スペイン東部・カタルーニャ自治州の独立問題をめぐる混乱を嫌気した欧州株安の流れを受けて、売りが先行したが、7~9月期が好決算だった銘柄に押し目買いが入り、プラスに転じた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
15:00 (独) 9月生産者物価指数 (前年比) +2.6% +2.9% --
17:30 (英) 9月財政収支 -51億GBP -57億GBP --
23:00 (米) 9月中古住宅販売件数 535万件 530万件 --
      (米) 9月中古住宅販売件数 (前月比) -1.7% -0.9% 


第137回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


【ドバイ原油は4万円の大台が視野に】
東京市場のドバイ原油は、4日連続上昇している。
この背景には、イラク情勢と米イラン関係の緊張という2つの地政学的リスクがある。イラク中央政府は16日、クルド自治政府が実効支配している産油都市キルクークに進軍し、18日には、イラク軍がキルクーク州に点在する油田を拳握したことを明らかにした。キルクークはイラク屈指の油田都市であり、中央政府とクルド自治政府による交戦で原油の供給が滞るのではないかとの懸念が広がっている。実際、ロイター通信によると、キルクークからトルコへのパイプラインを通じた輸送量は日量60万バレルから22.5万バレル前後に急減しているという。

また、トランプ大統領は先週末、2015年のイラン核合意は国益に見合っておらず、「イランが合意を順守しているとは認めない」と表明した。イランはこれに反発して、国内では対米強硬派の声が高まっている。米国とイランの緊張が再び高まる可能性が高まり、長期的に原油供給へのリスクになると考えられている。

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米国の在庫状況も強材料視されている。昨日発表された米エネルギー情報局(EIA)による原油在庫は前週比570万バレル減と、市場予想の420万バレル減を上回る取り崩しとなった。ガソリン在庫は90万バレル増と予想の30万バレル増を上回り、中間溜分在庫も取り崩し予想に反して50万バレルの積み増しとなった。しかし、製油所稼働率が84.5%と前週より4.7%も低下し、冬場の需要期を控えて、この季節にしては2011年以来の低水準にとどまったことが強材料視された。

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石油輸出国機構(OPEC)などの産油国には協調減産の動きも強まっている。先週、OPECのバーキンド事務局長は、OPEC加盟国など主要生産国が石油の需給均衡回復を図るため、2018年に「特別処置」を講じる可能性があると述べた。11月30日のOPEC総会では、これまでよりも多くの産油国が加わる可能性があると示唆した。

サウジアラビアは、11月分の原油輸出割当量を日量56万バレル削減すると明らかにした。原油生産の盟主であるサウジアラビアが減産に積極的な姿勢を示した。

バーキンド事務局長はまた、米国のシェールオイル業者にも減産に協力するよう呼び掛けており、形振り構わぬ価格押し上げを画策している。主要産油国による減産措置が一段と強化されるのではないかと期待されており、NY原油は53~55ドルのレンジに浮上していくと予想する。ドバイ原油は、4万円の大台が視野に入ってくるだろう。


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10月19日(木)
【10月18日の海外相場および市況】
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*18日のNY金は3日続落。為替市場でドル高・ユーロ安が先行し、割高感から売りが出て3日続落した。また、トランプ大統領が11月初めにも決定するとされる米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長がタカ派寄りの候補者になるのではないかとの思惑が強く、金利を生まない金には売り圧力がかかった。このほか、米税制改革の実現に向けた協議が前進しているとの報も、「質への逃避先」である金には圧迫材料となった。ただ、ドルが対ユーロで徐々に売り戻されて割高感が薄れたことから、下値は限定的だった。NY白金はドル高を受けて3日続落。

*18日のNY原油は4日続伸し、3週間ぶりの高値をつけた。イラク中央政府とクルド自治政府が帰属を争う係争地への展開を続けているイラク軍は18日までに声明を発表し、キルクーク州に点在する油田を次々と拳握したことを明らかにした。キルクークからの原油供給が混乱するのではないかとの懸念から、原油相場は押し上げられた。ロイター通信によると、キルクークからトルコ・ジェイハン港への輸送パイプラインを通じた原油輸出量は日量60万バレルから22.5万バレル前後に急減しているという。また、核合意をめぐりイランと米国との間で緊張が高まっていることも強材料。為替市場でドルが対ユーロで下落し、ドル建て原油に割安感が生じたことも相場を押し上げる要因となった。米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した最新週の原油在庫は前週比570万バレル減と、市場予想の420万バレル減を上回る取り崩しとなった。ガソリン在庫は90万バレル増と予想の30万バレル増を上回ったほか、ディスティレート(留出油)在庫も取り崩し予想に反して50万バレルの積み増しとなった。ただ、製油所稼働率は前週比4.7%低下の84.5%と、この季節としては2011年以来の低水準にとどまった。

*18日のシカゴトウモロコシとシカゴ大豆は3日続落。米国産地の収穫進展が重石となった。

*18日のNY外国為替市場のドル円相場は、米長期金利の上昇などを背景に、112円台後半に上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長がタカ派寄りの候補者に決まるのではないかとの思惑に加え、トランプ政権による税制改革が実現に向けて前進しているとの報道などを受け、円売り・ドル買いが進行した。米長期金利の上昇やNYダウの上伸などを背景に一時113円05銭まで上昇した。

*18日のNYダウは、堅調な米企業決算を好感して4営業日続伸し、初めて2万3000ドルの大台を突破して引けた。先週から始まった米主要企業の7~9月期決算は、有料動画配信サービス世界最大手のネットフリックスが大幅な増収増益を達成したほか、米医療品・健康関連用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が通期見通しを引き上げるなど、総じて堅調な結果で、市場は今後も発表が続く米企業決算に期待感を高めている。一方、トランプ政権が目指す法人税率35%から20%への引き下げを柱とする税制改革への期待も相場を押し上げた。税制改革を年内に成立させるため、2018年度(2017年10月~18年9月)予算の大枠となる予算決議案の上院での可決が前進しているとの見方から、18日は米長期金利が上昇。これを受けて、利ざや拡大期待から金融大手株にも買いが入って相場を押し上げた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 9月貿易収支 +1136億円(+1126億円) +5568億円 --
09:30 (豪) 9月就業者数 +5.42万人 +1.50万人 --
09:30 (豪) 9月失業率 5.6% 5.6% --
11:00 (中) 7-9月期GDP (前期比) +1.7% +1.7% --
      (中) 7-9月期GDP (前年比) +6.9% +6.8% --
11:00 (中) 9月鉱工業生産 (前年比) +6.0% +6.5% --
11:00 (中) 9月小売売上高 (前年比) +10.1% +10.2% --
17:30 (英) 9月小売売上高 (自動車燃料含む:前月比) +1.0% -0.1% --
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 24.3万件 24.0万件 --
21:30 (米) 10月フィラデルフィア連銀製造業指数 23.8 22.0 


第137回 『おしえて陳さん』 
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【 東京金は、レンジ相場が続きそう】

*北朝鮮が10日の朝鮮労働党創建72周年に合わせて軍事的な挑発行動に出るのではないかとの警戒感が強まったことや、スペイン東部カタルーニャ自治州の独立問題をめぐる地政学的リスクが広がったため、「質への逃避先」である金にとっては買い材料となった。

また、9月19、20日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ動向に関して参加メンバーの意見が依然一致していないことが明らかになったことが好感された。13日には、9月の米消費者物価指数(CPI)が低下したことで、ドルが対ユーロで下落したため、金は割安感が強まり買われた。

さらに、トランプ大統領は、2015年のイラン核合意は「国益に見合っていない」として「イランの合意順守を認めない」と表明したことも、金買い要因になり、心理的な節目となる1300ドルを突破した。ただ、週明け16日は、利益確定売りに押され、3日ぶりに小反落した。

NY金は6日の1262.8ドルで押し目を確認したといえよう。燻っている北朝鮮問題に加え、米国とイランの関係悪化やクルド人自治区での戦闘などの地政学的リスクが下値を支えそうだ。今週は1300ドルを挟んでの保ち合いとなりそうだ。ただ、9月の高値(1362.4ドル)を超えて、年初来高値を更新していくには、ドルの下落といった金融的な材料が必要だろう。今週のNY金は1300ドルを挟んでの保ち合いになると予想する。

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*CFTC建玉10月10日時点:ファンドの金買い越しは20万01124枚(前週比-3743枚)と減少。総取組高は52万0005枚と前週比5122枚の減少。


*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、14日から増加に転じ、10月16日時点では853.13トンとなった。このペースで増加すれば、年初来最大量の867.00トン(6月8日)を更新するのも時間の問題だろう。地政学的リスクや政治的不透明が強い中、安全資産である金に見直し買いが入っているようだ。

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*ドル建て金はドルが上昇すると割高感が強まり、売りが優勢となる。逆に、ドルが下落すると割安感が強まり、買いが優勢となる。

北朝鮮や中東関連の地政学的リスクが金の下値を支える一方、現在はドルが堅調ゆえ、上に押し上げていく強材料にやや欠ける状況だろう。

15日にイエレンFRB議長は、ワシントンでの講演で「米経済の力強い拡大は緩やかな利上げを正当化すると引き続き見込んでいる」と語り、最近の物価上昇圧力の弱さは「誇張されている」との認識を示し、年内あと1回の引き上げに変更はないと示唆した。

CMEのFED WATCHでは、すでに12月の利上げ確率は85%を超えており、ほぼ織り込まれてきたと言える。また、FRB次期議長の思惑がドルを押し上げている。イエレン議長の任期は2018年2月までで、次期議長はトランプ大統領のアジア歴訪前に決定される見込み。有力候補にはタカ派のウォルシュ元FRB理事、ハト派のパウエルFRB理事、コーン米国家経済会議(NEC)委員長が挙げられていたが、ここにきてよりタカ派色の強いスタンフォード大学教授のテーラー元財務次官が有力候補に挙げられてきた。

テーラー氏はイエレン議長に比べて利上げに積極的と見られ、同氏がFRB議長になれば、ドルが上昇する一方で、金や米国債は低下すると見られており、早くもこれを先取りした動きが出ている格好だ。なお、イエレン議長が留任する可能性もある。次期FRB議長が決定するまでは、ドル相場は堅調に推移し、NY金は軟調な展開になりそうだ。東京金はレンジ相場が継続しよう。

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*今週の予想レンジ:4600~4700円

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10月18日(水)
【10月17日の海外相場および市況】
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*17日のNY金は、ドル高・ユーロ安が先行したため、割高感から売られて続落した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が15日の講演で、「年内あと1回」の利上げを維持する考えを示唆したことに加え、次期FRB議長人事をめぐりイエレン現議長よりもタカ派色が濃いとされるスタンフォード大のジョン・テイラー教授が有力候補に浮上したとの報なども、金には売り要因となった。9月の輸入物価指数が前月比0.7%上昇と、市場予想の0.5%上昇を上回ったことも、インフレ圧力につながって追加利上げを後押しする一因になる可能性があるとされ、圧迫材料となった。NY白金はドル高を受けて続落。

*17日のNY原油は、ほぼ横ばい。中東の地政学的リスクを背景に買いが入った。イラク中央政府とクルド自治政府の軍事衝突により、同国北部の油田都市キルクークなどで原油供給が混乱するのではないかとの懸念に加え、トランプ大統領が前日にイランの核合意について「完全に打ち切られるかもしれない。非常に現実味のある可能性だ」と述べたことなどが不安視された。しかし、イラク北部の主要油田が通常通り操業を続けているとの報が伝わると一転して売りが優勢となり、52ドル台前半から急落した。

*17日のシカゴトウモロコシは大豆安に連れて小幅続落。シカゴ大豆は、米国産地の天候改善を受けて続落。

*17日のNY外国為替市場のドル円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事をめぐる思惑を背景にドル買いが先行したものの、その後は売り戻され、112円台前半で引けた。次期FRB議長人事についてスタンフォード大のジョン・テイラー教授が有力候補と野一部報道を受けてドル買いが先行した。テイラー氏がイエレン現議長よりも金融引き締めに前向きなタカ派であると言われているため、一時112円48銭まで上昇した。9月の輸入物価指数が前月比0.7%上昇と、市場予想の0.5%上昇を上回ったことも、ドル買い要因。ただ、米長期金利が低下に転じると、ドルが売り戻された。

*17日のNYダウは最高値を更新し、一時2万3000ドルを突破した。米主要企業の2017年7~9月期決算の発表が本格化する中、好業績を報告した銘柄に買いが集まった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
17:00 (南ア) 9月消費者物価指数 (前年比) +4.8% +5.0% --
17:30 (英) 9月失業者数 -0.28万人 -- --
17:30 (英) 9月失業率 2.3% -- --
17:30 (英) 8月ILO失業率(3カ月) 4.3% 4.3% --
18:00 (EU) 8月建設支出 (前月比) +0.2% -- --
20:00 (南ア) 8月小売売上高 (前年比) +1.8% +2.7% --
21:30 (米) 9月住宅着工件数 118.0万件 117.5万件 --
21:30 (米) 9月建設許可件数 130.0万件(127.2万件) 124.5万件 --
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

第137回 『おしえて陳さん』 
http://www.sunward-t.co.jp/movies/oshiete/


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