テクニカルマイスター

商品、為替、株式相場を,ファンダメンタルズとテクニカルから思いつくままに分析。

2017年11月

11月30日(木)
【11月29日の海外相場および市況】
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*29日のNY外国為替市場では、米長期金利の上昇や堅調な米経済指標を受けて円売り・ドル買いが先行し、ドル円は111円台後半に上昇した。NYダウが史上最高値を更新し、リスクオンモードが強まり、米長期金利が上昇してドル買い・円売りが進行した。また、7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値が10月発表の速報値から上方修正され、市場予想を上回ったことも好感された。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はこの日、議会上下両院合同経済委員会で証言し、金融政策について「持続的な景気拡大を支えるため、今後数年間は緩やかな利上げが適切だ」と発言。12月に開く金融政策会合での利上げを示唆した。

*29日のNY金は反落。為替市場ではドル買い・ユーロ売りが進行し、ドル建て金に割高感が生じた。また、7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値は季節調整済み年率換算で前期比3.3%増と3年ぶりの大きさとなった。良好な経済指標も安全資産とされる金には下押し材料となった。28日には北朝鮮が弾道ミサイル1発を発射したとの報を受けて、地政学的リスクへの警戒感が一時的に再燃したが、市場の反応は限定的だった。NY白金は利益確定売りに反落。

*29日のNY原油は3日続落。協調減産の延長を協議する石油輸出国機構(OPEC)総会を30日に控え、利益確定売りが優勢となった。OPEC総会では、ロシアが協調減産の延長は支持するものの、2018年3月から9カ月とする長さについて懸念を示しているとの報道が重石となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報では、原油在庫が340万バレル減少と、市場予想の230万バレル減少を上回る取り崩しとなったものの、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫が予想以上に増加した。

*29日のシカゴトウモロコシは、輸出需要増を受けて反発。シカゴ大豆は続落。ただ、アルゼンチンでの乾燥気候への懸念が下値を支えた。

*29日のNYダウは続伸し、最高値を更新した。7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値が10月発表の速報値から上方修正され、市場予想を上回った。米経済の力強さが改めて確認され、幅広い銘柄に買いが入った。米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長に指名されたパウエルFRB理事が前日、緩やかな利上げの継続や金融規制の緩和検討に言及したことや、上院予算委員会で修正案が可決された米税制改革の実現期待も相場を支えた。


【本日の主な経済指標およびイベント】
08:50 (日) 10月鉱工業生産・速報 (前月比) -1.0% +1.8% +0.5%
09:00 (NZ) 11月ANZ企業景況感 -10.1 -- -39.3
09:01 (英) 11月GfK消費者信頼感 -10 -11 -12
09:30 (豪) 10月住宅建設許可 (前月比) +1.5% -1.0% --
10:00 (中) 11月製造業PMI 51.6 51.4 --
10:00 (中) 11月非製造業PMI 54.3 -- --
16:00 (独) 10月小売売上高指数 (前月比) +0.5% +0.3% --
17:55 (独) 11月失業者数 -1.1万人 -1.0万人 --
17:55 (独) 11月失業率 5.6% 5.6% --
18:30 (南ア) 10月生産者物価指数 (前年比) +5.2% +5.0% --
19:00 (EU) 10月失業率 8.9% 8.9% --
19:00 (EU) 11月消費者物価指数(HICP)・速報 (前年比) +1.4% +1.6% --
21:00 (南ア) 10月貿易収支 +40億ZAR -55億ZAR --
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 23.9万件 24.0万件 --
22:30 (米) 10月個人所得 (前月比) +0.4% +0.3% --
22:30 (米) 10月個人消費支出 (前月比) +1.0% +0.3% --
22:30 (米) 10月コアPCEデフレーター (前月比) +0.1% +0.2% --
          (米) 10月コアPCEデフレーター (前年比) +1.3% +1.4% --
22:30 (加) 7-9月期経常収支 -163.2億CAD -200.0億CAD --
23:45 (米) 11月シカゴ購買部協会景気指数 66.2 63.0 

第142回 『おしえて陳さん』 
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【 白金、上昇基調が強まる可能性】
*週明けのNY白金は950ドル台に浮上した。先週は、白金最大の生産国である南アフリカの格下げが懸念されるため下方リスクが高いとしたが、格下げはされたものの、白金相場への影響は軽微だった。

24日、米格付け会社S&P社は、南アフリカの自国通貨建て債務格付けを1段階引き下げて投機的水準の中で最も高い「BB+」にすると発表した。格付け見通しは「ステーブル(安定的)」とした。従来の格付けは「BBB-」。外貨建て債務格付けについても「BB」に1段階引き下げた。また、格付け会社ムーディーズも格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。

発表直後こそ南アランドは急落したものの、その後は持ち直している。格下げは予想されていたため、大きな弱材料にはならなかったのだろう。

それよりも白金市場では、来年の需給が強材料視されているようだ。南アフリカの白金生産団体であるワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は21日公表した四半期リポートで、2018年の白金市場について、供給不足が大幅に拡大すると予想した。

宝飾品や産業需要が高まる一方、生産量は減少するとみている。予想では、2018年は27.5万オンスの供給不足と、2017年の1.5万オンスの供給不足から不足幅が拡大する見通し。予想通りなら6年連続の供給不足となる。地上在庫は2018年中に160.5万オンスまで減少する見込み。

2018年の白金需要は前年比2%増の803万オンス。2017年は6%減の784.5万オンスの見通し。白金需要の4割以上を占める自動車触媒需要は前年比1.0%減となる見込みだが、2018年の宝飾品需要は3.0%増に転じるとみられている。生産量は、全供給量の半分以上を占める南アフリカの鉱山閉鎖の影響で、2017、18年ともに前年比1.0%減と予想されている。

*CFTC建玉11月21日時点:ファンドの白金買い越しは2万6521枚(前週比+1045枚)と増加。総取組高は7万7941枚と前週比1033枚の減少。

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*今週の予想レンジ:3350~3450円

*白金と金の逆ザヤ幅は9月27日に-1306円まで拡大し過去最大となった。白金の割安感が強く、買戻しが断続的にはいっている。ファンドの買いも増加傾向にあり、逆ザヤが縮小していく可能性が出てきたようだ。


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【 東京金は、レンジ相場が続きそう】
*先週のNY金は、感謝祭休暇を控えて手仕舞い売りが優勢となった。一方、サポート要因が複数あり、下げ幅は限定的だった。

トランプ大統領が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したことを受けて朝鮮半島情勢が再び緊張するとの見方が強まった。ドイツのメルケル首相が模索してきた連立交渉の決裂により同国の政局不透明感が広がった。

22日に公表された10月31日、11月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、12月の追加利上げはほぼ確実視されていることが明らかになったものの、インフレに関しては一時的かどうか慎重に見極める必要があるとの認識が示されたことから、来年の利上げペースが緩やかにとどまるとの観測が台頭した。こうした要因からドルが売られ、金は押し上げられた。また、史上最高値を更新し続けている株価が下落に転じる懸念や、米長期金利が切り下がっていることも金買い要因となった。

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*CFTC建玉11月21日時点:ファンドの金買い越しは20万1827枚(前週比+6743枚)と増加。総取組高は53万1612枚と前週比1442枚の減少。

*週明け27日のNY金はドル安を受けて1290ドル台に反発した。ただ、ドル円が111円台と円高基調で推移しているため、東京金の上げ幅は小さい。レンジ相場の下限に達していることや、昨年10月11日を起点とする上昇トレンドラインに接近しているため、テクニカル的には反発が期待されるところ。

来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが行われる見込みで、相場にはほぼ織り込まれているため、利上げによって金相場が反落する可能性は低いだろう。むしろ、2015年12月、2016年12月のFOMCで利上げが決定された後に「ドル安・NY金高」となっている展開を思い起こせば、来月もこのパターンが繰り返されると予想する。

今週は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任となるパウエルFRB理事の上院での公聴会がある。ハト派と見られているが、現在の路線を引き継ぐ旨を述べると見られている。市場は、来年の利上げペースがFRBの想定通りに年3回になるのか、それとも緩やかになるのかに注目している。今後のインフレ率と雇用情勢次第だが、来月のFOMC声明で、その手がかりを探ることになろう。

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*今週の予想レンジ:4580~4680円

*金ETF「SPDRゴールド・トラスト」の金保有高は、8月7日に年初来最小量786.87トンとなったが、8月中旬から増加に転じ、11月20日時点では842.21トンとなった。NYダウが史上最高値を更新する中、安全資産である金は買いが細り、850トン台を下回る状態が続いている。年初来最大量の867.00トン(6月8日)を更新するには、時間がかかるかもしれない。ただ、地政学的リスクや政治的不透明感から、安値では買いが入り、減少にもやや歯止めがかかってきたようだ。季節要因的にも、これからクリスマスに向けて現物需要が増える可能性があり、金ETFは増加していく可能性はある。

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11月29日(水)
【11月28日の海外相場および市況】
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*28日のNY外国為替市場のドル円は、米税制改革実現への期待などを背景に円売り・ドル買いが優勢となり、111円台半ばに反発した。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたパウエルFRB理事はこの日開かれた上院銀行委員会の公聴会で証言し、「米景気の持続的回復への最善策は緩やかな利上げの継続だ」と強調、イエレン現議長が取り組んできた政策運営を踏襲する姿勢を示した。また、金融規制についても地域銀行の規制緩和を検討する考えを明らかにしたため、米景気回復の先行きに期待が広がった。さらに、上院予算委員会が税制改革の修正法案を可決し、年内の改革実現に向けて前進したこともドル買い要因となった。北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、地政学的リスクが高まったことから、安全資産とされる円が一時的に買われる場面もあったが、相場への影響は限定的だった。

*28日のNY金ほぼ横ばい。米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名されたパウエルFRB理事による指名承認のための上院公聴会での証言が始まると、ドルがユーロに対して反発し、ドル建て金は割安感が薄れて売りが優勢となった。パウエルFRB理事は、緩やかな利上げの継続と金融規制緩和に取り組む方針を明らかにした。ただ、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、地政学的リスクが高まると、買戻しが優勢となって下値はサポートされた。NY白金は金に連れて5日続伸。

*28日のNY原油は小幅続落。石油輸出国機構(OPEC)加盟国は30日に非加盟国を交えてウィーンで総会を開き、協調減産延長に関して協議する予定。しかし、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は総会について、通常の在庫水準に達するのに必要な時間をめぐり意見の相違はあると指摘。また、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相も、協調減産措置の延長に関する議論は簡単ではないとの見通しを示した。OPEC総会では協調減産の期間延長について協議する。サウジアラビアが来年末までの9カ月延長を推し進める一方で、非加盟産油国のロシアが難色を示していることから、協議は予想以上に難航しそうという。減産延長に対する各国の姿勢の違いに警戒感が広がり、売りが優勢となった。

*28日のシカゴトウモロコシは、豊富な供給を背景に続落。シカゴ大豆は、アルゼンチンの降雨予報を受けて反落。

*28日のNYダウは最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル次期議長が議会公聴会で緩やかな利上げ路線を継続する姿勢を示したことが好感され、3日続伸した。次期FRB議長に指名されたパウエルFRB理事は28日、米議会上院での指名承認のための公聴会に出席。イエレン議長が進めてきた緩やかな利上げ方針を踏襲する姿勢を示したことで、株式市場には買い安心感が広がった。また、議会証言でパウエル氏は金融危機後の厳格な金融規制の見直しに前向きな考えを示した。これを受けて金融株は大幅高となった。11月の消費者景気信頼感指数が市場予想を上回る良好な結果だったことも追い風になった。


【本日の主な経済指標およびイベント】
18:30 (英) 10月消費者信用残高 +16億GBP +15億GBP --
19:00 (EU) 11月経済信頼感 114.0 114.6 --
19:00 (EU) 11月消費者信頼感・確報 0.1 0.1 --
22:00 (独) 11月消費者物価指数・速報 (前年比) +1.6% +1.7% --
22:30 (米) 7-9月期GDP・改定 (前期比年率) +3.0% +3.2% --
22:30 (米) 7-9月期個人消費・改定 (前期比年率) +2.4% +2.5% --
22:30 (米) 7-9月期GDPデフレーター・改定 (前期比年率) +2.2% +2.2% --
22:30 (米) 7-9月期コアPCEデフレーター・改定 (前期比年率) +1.3% +1.3% --
24:00 (米) 10月中古住宅販売保留件数指数 (前月比) 0.0% +1.1% --
28:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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【メキシコペソ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のメキシコペソ円は、堅調に推移した。10月31日、11月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で、複数の委員がインフレの弱さを理由に近い時期の利上げに反対するなどハト派的な姿勢が明らかになり、ドル売りが優勢となって、メキシコペソは押し上げられた。

*今週のメキシコペソ円は、堅調に推移しそうだ。堅調に推移しそうだ。メキシコ銀行(中銀)は、今月9 日の金融政策会合で、政策金利である翌日物金利を7.0%で据え置いた。6 月の利上げを最後に3 会合連続の据え置き。インフレ率は小幅低下しているが、依然として中銀の目標を上回っている。ただ、10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+6.37%と落ち着いてきているようだ。7-9 月期の実質国内総生産(GDP)は、大地震の影響もあって前期比-0.2%と、7 期ぶりのマイナスとなったが、10-12 月期には持ち直すと見込まれている。

景気の先行きについて、中銀は下方リスクが大きいとして見ているようだが、今後の復興需要や原油価格の上昇もあって、持ち直す可能性は高いだろう。インフレ率を引き下げるため、しばらくは金利を高めに維持するだろう。

一方、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が難航していることは上値をおさえそうだ。メキシコ市で開かれたNAFTAA再交渉の第5回会合は大きな進展が見られず、目標とする来年3月までの妥結は困難となった。交渉担当者からは「いくつかの分野で進展」したとの声も出たが、トランプ政権による米国製自動車部品の使用拡大要求などにメキシコやカナダは反対姿勢を崩さなかった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表はカナダ、メキシコに対し、貿易不均衡の是正に真剣に取り組んでいる証拠が見られないと批判した。第6回協議は来年1月23-28日に開催される予定。

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*予想レンジ:5.90円~6.10円


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【トルコリラ円、先週の動き・今週の予想】
*先週のトルコリラ円は下落した。リラは対ドルで一時3.97リラ台と過去最安値を更新した。米司法当局が対イラン経済制裁に違反したとして起訴したトルコの実業家レイ・ザラプ氏の公判を巡り、トルコのボズダー副首相が、「明確な陰謀」と米を非難したことで、対米関係の一段の悪化懸念が広がった。

米検察はイラン出身でトルコとの二重国籍を持つレザ・ザラブ氏を起訴している。同氏は、イランが核疑惑で経済制裁を科されている時に、米国の制裁を迂回するためトルコから輸出した金でイランに天然ガスや原油輸入の代金を支払う巨額の取引に従事し、トルコ政権中枢への贈賄容疑で捜査を受けたという。ザラブ被告が司法取引に応じ、エルドアン政権の汚職疑惑が再燃するとの観測や、制裁違反に絡み米当局がトルコの主要銀行に巨額の罰金を科すとの一部報道もリラ売りにつながったようだ。

また、エルドアン大統領が、トルコ中銀に対して利下げを行うようにと発言したことも、中銀の独立性を損なうとして嫌気された。エルドアン大統領は17日、トルコ中銀はインフレを加速させる間違った軌道にあると批判。トルコの10月消費者物価指数(CPI)は前年比+11.90%と、9月の+11.20%から加速し、2008年7月以来の大きさとなった。エルドアン大統領は、「高い金利で融資しようとすれば、投資は阻害されてストップする。われわれはかつて利下げをしてインフレ率を一桁に引き下げたことがある」と指摘し、トルコ中銀に利下げするように改めて求めた。

*今週のトルコリラ円は、軟調な展開が続きそうだ。トルコリラの下落に対して、市場からは「経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)だけでは説明できない」との声が挙がっている。過去3ヶ月の間にトルコリラは対ドルで10%を超える下落となっているが、この背景には対米関係の悪化があると見られている。

10月には相互にビザ(査証)発給を停止することになり、対イラン経済制裁に違反したとして米国で起訴されたトルコの実業家レイ・ザラブ氏の初公判が12月4日に迫り、トルコの政界や金融界を巻き込む展開になるとの臆測もリラ売りに拍車を掛けた。

しかし、ビザの発給停止は11月には解除された。先週24日には、トランプ大統領がエルドアン大統領と、シリアなどの中東情勢を巡って電話で協議し、シリアのクルド人武装組織への武器提供を停止すると表明した。両国の関係悪化に歯止めがかかってきたようだ。米国としても、北大西洋条約機構(NATO)を通じた同盟関係にあるため、これ以上の関係悪化は得策でないと考えたようだ。

また、トルコリラが対ドルで節目となる1ドル=4.00リラを越えないように、トルコ中銀も利上げを考えるようになってきたようだ。エルドアン大統領の利下げ発言が市場に動揺を与えたが、トルコ大統領補佐官は、トルコ中銀の独立性は無限であると市場の疑念払拭に努めた。

トルコのインフレ上昇に対してトルコ中銀が適切に対応できるかどうかが問題になっている。ドイツ銀行は、リラ安を食い止めるためには、1.00~1.25%の利上げが必要と提言している。来月14日にはトルコ中銀理事会があるが、果たして利上げするかどうか、トルコ中銀の手腕が問われる。

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*予想レンジ:27.80円~29.80円


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【ドル円相場、今週の展望】
*今週のドル円は、上値の重い展開が続きそうだ。米議会上院では税制改革法案審議が始まるが、年内通過の見通しは難しく、ドルの上値は抑えられそうだ。下院は16日に税制改革法案を可決したが、上院は共和党が半数をわずかに上回る議席にとどまっており、審議の行方が不透明。最新の調査によると、共和党は大幅な減税を盛り込んだ法案を年内に議会で成立させられないと予想しているという。

先週23日に中国株が急落しているが、連動して日経平均株価が下落すれば、市場のリスク回避姿勢が強まる可能性がある。また、米大統領選におけるロシアゲート疑惑への懸念や北朝鮮リスクの顕在化も想定される。中国の習国家主席が北朝鮮に特使を送ったものの、特段の進展はなかった。トランプ政権が北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、北朝鮮が年内に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を警告しているため、地政学的リスクの高まりを受けて、円買い圧力が強まる可能性がある。

さらに、22日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日開催分)では、多くの参加者が近い将来に利上げを実施する必要があるとの見方を示す一方で、他の参加者からは、インフレが2.0%目標にしっかり乗るまで、追加的な引き締めは遅らせるべきとの意見が出たため、2018年以降の利上げペースは、米連邦準備制度理事会(FRB)の当初の予想よりも緩やかになるとの見方が強まっている。ドルの潜在的な下落リスクは高く、米長期金利も頭打ちになっていることから、ドルの上値は重く、111円を割り込めば、110円前半まで下落する可能性が想定される。

なお、黒田日銀総裁が海外の講演で、過度な低金利の副作用を示す概念「リバーサル・レート」に言及したため、金融政策の変化に対する思惑が生じている。日銀のある委員が、日銀が短期金利をマイナス0.1%とする政策について「微修正が行われることがあってもおかしくない」とも指摘している。これを受けて、週明けの東京市場では111円50銭を下回っている。

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<主な経済指標>
*日本:29日に10月小売業販売額、30日に鉱工業生産、12月1日に10月消費者物価指数、7~9月法人企業統計、10月有効求人倍率、10月失業率、10月家計調査、11月新車販売など。

*米国:27日に10月新築住宅販売、28日に11月消費者信頼感指数、9月S&Pケーズシラー住宅価格指数、29日に7~9月国内総生産(GDP)改定値、30日に10月PCEコアデフレーター、12月1日の11月ISM製造業景況指数、11月自動車販売など。また、28日にパウエルFRB理事が上院指名承認公聴会に出席、29日にイエレンFRB議長が議会証言する。


*予想レンジ:110.00円~112.50円


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